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スライムを狩る仕事です。  作者: 紅花翁草


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 ハンターになってから一週間が過ぎた。色々あった……本当に色々あり過ぎた。

 だけど、スライム100匹狩りをこれからも続けていけそうだと思う。


 ……思いたい。


 今日は添島さん達は居ない。夏の合宿講習を終えて帰宅したから。でも、月曜日には戻って来る事になっている。

 だから僕は今日、スライム狩りを頑張って魔石を沢山集めようと思っている。


 目標は300個


 添島さん達の予定は、平日月曜から木曜日までハンター活動して、金曜日に帰宅。そしてまた月曜日に来る。

 を、夏休みが終わるまで続けるとの事。

 なので、僕も来週からは、金曜日に独りで魔石集めをするつもりだ。


「まずは、武器を買わないと」


 初日にレイピアをレンタルした以外、僕はトング1本でスライム狩りをしていた。

 大谷さんも「まあ、スライムの森だしな」と、ちゃんとした武器を持っていなくても良かったんだけど、さすがに今のスライムの森では、ダメだと言われた。


 まあ、そうだよね。


 ギルド本部の売店には、ハンターに必要な様々な物が売っていて、当然武器もある。

 その武器コーナーで僕は、一本のレイピアを取る。


 値段は税込みで12万円。

 説明文には『最高級ステンレス素材を使った初心者専用細身剣。専用の砥石で素人でもメンテナンス可能。』


 迷わずレジへと向かった。


 母さんとの約束で、「ハンター活動で必要な物はしっかりと揃えなさい。それと交友関係の出費にもね」と、承諾を得ていたので、シャニアさんへのケーキの差し入れも大丈夫。って話がそれた。


「ご本人の使用で間違いありませんか?」

 レジのお姉さんの問に「はい」と答える。

「では、武器登録をここで行いますので、ハンターカードの提示をお願いします。支払いもカードで致しますか?」

「はい。カード払いでお願いします。」


 支払いを済ませた僕は、店員さんに手伝って貰ってレイピアを腰に装着。

 専用のベルトも付属しているお得セット。

 まさに『初心者専用品』だ。

 ちなみに、大豊さんが使っていた黒いクレイモアと同じようなレイピアも並んでいたけど、定価200万円の値札見て直ぐに視線を外した。

 『ミスリル製』と貼られたレイピアが500万円してたから、まあ、安い方なのかもしれないけど、僕には必要の無い物だ。




 討伐受注受付で、通称スライムの森での狩り申請を済ませた後、待ち合わせ場所のターミナルへと向かう。

 そこで待っていたのは添島さん達の臨時講師をしていた大谷さん。大谷さんもスライム狩りに復帰する事になった為、僕を送ってくれる事になった。


 自動車は軽のRV車。昨日までの車はハンターギルドが所有する貸出車だった。

 なので、ブラックボーンボアで車が破損した時も、大谷さんの財布にはダメージが無かった。


「おまたせしました」

「よし。ちゃんと装備しているな。じゃあいくか」

「はい。よろしくお願いします」




 スライムの森はもう、普通の森になっていた。だから森の中にはコボルトやゴブリンを狩るハンター達が増えている。

 スライムの数も以前通りなので、ハンター達は見つけては倒して青い魔石を拾っていく。


「それじゃあ俺は、北側を攻める」

「じゃあ僕は南側ですね」

「ほどほどにな」

「はい」


 昨日と一昨日は魔物へと添島さん達を誘導してからその周囲のスライムを狩っていたけど、今日はソロなので、魔物を無視してひたすらスライムを狩っていく。

 もちろん、他のハンターにニアミスするようなヘマはしない。

 スライムを目の前で搔っ攫うような事はマナー的にも、僕的にも有り得ない。


 他のハンターの動きを見てのルート選びで、遠回りになったりしたけど、午前中の2時間程で150個程は確保出来た。

 想定通りで、僕の足取りは軽い。




 昼休憩はいつもの遺跡の広場。丁度良い高さの瓦礫に座ってハンバーガーを取り出す。

 これも、フードコートでいつも買っているから、もう店の人に僕の事を覚えられているみたいだ。


「調子はどうだ?」

 大谷さんも、昼休憩に遺跡へと入って来た。


「はい。150個程集まりました。」

「流石だな。俺は42個。ノルマまであと18個だ」

「やっぱり、僕の方が遅くなりますね。僕はバスで戻るので」

「いや」

 大谷さんが僕の言葉を遮る。

「薬師の連れが、遊んでた分、いつも以上に頑張ってくれ。と言われてな、多紀君が終わるまで続ける事にした」

「そうなんですね。臨時講師の期間の事ですよね?」

「そうだ。あいつも、本気で遊んでるとは思っていないが、可愛い女の子と一緒にいて楽しそうだな。って、まあ、嫌味だ」

「なるほど」


 僕はその薬師の方に、ホーリーポーションの生成依頼でお世話になったので、なんとも言えない。


「まあ、そういう事だから、無理して急ぐ必要は無いぞ。予定通りみたいだしな」

「はい」




 15時前。想定通りに300個を集め終えた僕はSNSで大谷さんへと連絡を入れ、待ち合わせ場所にした遺跡へと戻った。


「大谷さんはまだか」


 魔眼使いでも結局、スライム狩りで一番時間が浪費されるのが移動時間。

 僕みたいに常に走り続けるハンターは居ないらしい。

 だから、一日300個は異常な数になる。


 それでも、一般的な人としての速度に抑えているんだけどね。


 (なっ!? なんだ?!)


 突然の地響きが起こり――


 僕は、背後から感じる魔力に視線を向けた。


シャニア「さあ彰斗! 驚きなさい!」

イレーザ「………」

シャニア「なによ、イレーザ。元々、あそこが次の候補地だったんだから良いでしょ!」

イレーザ「はい。それに関しては問題ありません」

シャニア「じゃあなによ!」

イレーザ「いえ……思惑通り行くと良いですね」

シャニア「いくに決まっているでしょ!」


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