表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
スライムを狩る仕事です。  作者: 紅花翁草


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

16/44

016

  ハンターギルドの東棟9階

  女性ハンター専用フロアの一室には、柔らかいライトが灯り、五人の少女達が思い思いに腰を下ろしていた。


  遥はベッドの端でタオルを首に当て、ゆっくりと呼吸を整えている。

  魔力消費の疲労はまだ身体に残っているが、表情はどこか満足げだ。


「遥、お疲れさまです」

 恵美が穏やかな声で言う。


「うん……ありがと」

 遥は短く返す。


「しかし本当に、実際に金額を目にするとすごいですね」

 弥生がついさっきに行われていた買い取り風景を思い返していた。


「コボルト10体で1万5千円。リーダーでプラス3千円」

「今回は売らなかったけど、ポーション10個で2万円」


 真名はスマホを見つめながら小さく息を漏らした。


「……改めて、多紀君のやってる事が効率いいっていうのがよく分かるな」

「そうだね」

 遥は頷く。


「スライム狩り、危険が無くて、安定してて、収入も高い。仮に、私達5人がマナベリーを集めたら1時間で20万円……正直、私達だけで全部揃えるより手堅いよね」

 恵美が冷静に締めた。




 そんな中で――玲子だけはスマホを閉じたり開いたりを繰り返していた。


「玲子、その……何か気になる事があるのか?」

 真名が心配そうに聞く。


「べ、別に何もないわよ……」

 玲子はいつもの強気口調を維持しようとするが、語尾が少し震えている。


 弥生がにやりと微笑む。

「……ねえ、玲子ちゃん。

 さっきの“よろしくお願いします”のメッセージ、何回見返してた?」

「なっ……! 見てないわよそんなの!」

「はい嘘。20回は見てたわよ」

 恵美が即答した。


「20回……!?」

 真名が絶句する。


「ち、ちがっ……ちがうのよ!

 あの……その……あいつが、もっと何か送ってくるかもしれないじゃない……!」

 玲子は顔を真っ赤にしながらスマホを抱く。


「でも一目惚れなんでしょ?」

 弥生のとどめの一撃。


「はっ!? 違うって言ってるじゃないのよ!!

 ただ……その……礼儀正しくて、真面目で、強くて、

 えっと……その……一緒にいて嫌じゃないってだけで……!」


「それ、好きって言わないの?」

 遥がぽそっと呟く。


「う……ぐっ……!」

 玲子は、言葉を失った。


 恵美がまとめに入るように口を開く。

「まあ、玲子の気持ちはさておいて……」

「さておいて!?」

「現実的な話をすると、今後は魔石の売買で多紀君とは関わっていく事になる。それは誰にとってもメリットがあると思う」


「だな。安全で、収入も高い」

 真名が頷く。


「……でも、多紀君は一緒に冒険するつもりはないんだよね。

 “スライム狩りに専念する”って言い切ってたし……」

 遥が言う。


「そこは尊重しましょう。

 こっちはこっちで強くなるし、彼は彼で目標を持ってるわけだから」

 恵美が締めると、皆が自然と頷いた。


「……でもまあ、グループチャットは作ったし」

 弥生が微笑む。


「そうだよ。連絡くらいはできるし……

 その、仲良くなるチャンスはあるんじゃない?」

 遥も小さな声で言う。


「……っ」

 玲子は小さく唇を噛んだ。

「……いつか、仲良くなれればいいわよね……」


 その小さな声は、皆に届いた。


 そして部屋は、再び女子会の明るい空気に包まれていった。


添島恵美(一目惚れだったかぁ~)

大豊真名(彼との連携……楽しかったんだけどな)

豊賀弥生(良いなぁ~玲子。恋愛かぁ~)

一枝遥(玲子が好きになるの分かるかも)

鹿屋玲子(今頃、なにしてるのかな?)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ