…
「おう!邪魔するぞ!」
扉を開けて、入ってきたのは白髪混じりで短髪の、おじさんだ。むしろおじぃさんくらいの歳ではある。
「邪魔だと思ったなら帰ってくださいよ、ガンさん」
勝手知ってる様にどんどん部屋の奥に入ってくるボスにガンさんと呼ばれたおじさんは、何を言われるでもなくカウンターに座る。
「お!美味そうじゃねぇか!」
仮の作っていたホットサンドを見て軽快に笑う。
「ガンさんも食べます?」
「いやぁ!今朝は食ってきたわ!」
「みどりさんの和定食ですね!」
「そんな、立派なもんじゃねぇよ…」
視線がボスのコーヒーへ向う。
「…あげませんよ。僕のコーヒーです」
「じゃあ、嬢ちゃんホットコーヒー淹れてくれるか?」
「いいですよー!砂糖いります?」
「おう!頼むわ!」
「…ガンさん…アジンをこき使わないでくださいよ…それにここは喫茶店じゃないんですよ…」
「んなもんわかっとるわ!話しに来てんのに、何にもないんじゃ手持ち無沙汰だろ?」
「…勝手に話し始めないでくださいよ…今日は休日なのに…」
「そんなこと言って、いつも休みみてぇなもんだろ?少しは体動かしておけよ、まだわけぇんだからよ」
「…そんな…僕だってもう30過ぎですよ…」
そこに、調度仮が淹れたコーヒーと朝ごはんのハムチーズホットサンドが用意された。
「話、聞くだけですからね…」