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第4話 宿を探しに行きますか

「まずは、このような素晴らしい品を当ギルドに持ち込んでいただきありがとうございます。靴は作る職人が少なく供給が追いついていないので助かります」


「いえ、こちらもお金が心許なかったので買い取っていただけるだけありがたいです」


「では買取の前に、ジュン様は商人ギルドにご登録はされていますか?」


「いえ、まだしていません」


「まだ、ということはいずれするということですかな?」


「そうですねぇ」


《オーナー、ショッピングモールという店を構えるなら商人ギルドに登録しておかないと後で面倒な事になると推測します》


だよね、俺もそう思う。


「これを機に登録するのもいいのでは?」


「そうですね、ではそうしましょうか」


「ありがとうございます、では登録料として5000ベル、年会費として1万ベルの1万5000ベルをいただきます」


「すみません、お金はさっき言った通りあまり無いので今回の買取金額から引いてもらえると助かります」


「分かりました、それではこちらの靴、5足の買取価格ですが」


ドキドキ…ドキドキ…。


「1足3万ベルでいかがでしょうか?」


3万ベル!…ってどのくらいだ?


《そちらの靴1足の販売価格が大体1万から2万ベルです》


マジか、約2倍の値段で買い取ってくれるのか。


「では3万ベルでお願いします」


「ありがとうございます、それではすぐに用意します、その間に契約書の方にサインをお願いします」


契約書には靴5足、合計15万ベルで買い取ること、取引終了後、お互いに返品、返金は不可であることなど色々と書かれていた。


サインをし、マイケルさんに返す。


「ありがとうございます、それではこちら、買取金額の15万ベルから商人登録料と年会費の1万5000ベルを引いた13万5000ベルになります」


金貨13枚と銀貨5枚を受け取る。


「確かに受け取りました」


「それでは、この度の取引ありがとうございました。また何かあれば当ギルドにご相談ください」


そうして俺は商人ギルドを後にした。


さて、お金も手に入ったし、宿を探しに行きますか。


けど、なるべくいい宿に泊まりたい。


俺はこの世界に来たときにいた場所、市場へと向かった。


市場に着くと早速いい匂いのする方へ向かう。


ここの串焼き屋からの匂いだったか。


「お、兄ちゃん、オーク肉の串焼き買っていくかい?」


オーク肉か、異世界ものでよくあるやつだな。どんな味がするんだろう?


「じゃあ1本貰おうかな」


「毎度あり!300ベルね!」


俺は銀貨1枚を渡す。


「じゃあお釣りの700ベルな」


お釣りに銅貨7枚を貰う。


「ついでに聞きたいんだが、この辺りでいい宿が無いか知ってるか?」


「宿かい?ならベルナんとこの猫の住処って宿がオススメだよ、アイツんところの嫁さんの作る飯、これが美味いんだ」


「猫の住処ね、ありがとう」


「また買いに来いよ!」


さて、他のところでも聞くかな、とその前に串焼きを1口、うん、美味い。


なかなか噛みごたえのある肉だな、噛む度に味が染み出てくる。


豚肉にちょっと味が似てるかな?


オーク肉の串焼きを食べ終わり次の店へ。


次は野菜を売っている店に行こうかな。


「いらっしゃい、今朝採れた野菜ばかりだよ」


どれも新鮮で美味しそうだ、それにこちらの世界でもキャベツはキャベツ、玉ねぎは玉ねぎと名前は変わらないようだ。


それとこのラインナップからするに今は春っぽいな。


この世界に四季があるなら。


俺は野菜をいくつか買い、ついでにいい宿が無いかと聞くとここでも猫の住処の名前が出てきた。


うん、これは確定かな。


俺は再び道行く人に猫の住処の場所を聞きながら向かう。


聞いた人にもあそこはオススメだと言われた。


着いたのは4階建ての宿だった。


看板には猫が描かれている。


扉を開け中に入ると猫耳をぴょこっと生やした可愛…くなかった。ムキムキの男が出迎えた。


「らっしゃい、食事かい?泊まりかい?」


「あ、泊まりでお願いします」


「なら1日2食付きで1泊4000ベル、素泊まりで3000ベルだよ」


食事はショッピングモールで出来るし素泊まりでもいいかな。


「素泊まりでも食事は食べられますか?」


「あぁ、朝食は600ベルで、夕食は800ベルで出してるよ」


「なら素泊まりで、7日お願いします」


「あいよ、ならら2万1000ベルだ」


俺は金貨2枚と銀貨1枚を出した。


「ちょうどね、部屋は3階の1号室、食事をするなら朝は鐘が鳴ってから2時間、夕方は鐘が鳴ってから3時間の間だけだから気を付けな、厨房にいる嫁に金を渡せば作ってくれる。あとタダ食いは許さん、衛兵に突き出すからな」


「はい、ありがとうございます」


階段を上がり部屋へと向かう。


3階の1号室、ここだな。


鍵を開け中に入る。


机、椅子、ベッド、クローゼット、うん、どこかのオーナールームを思い出すような部屋だな。


流石にオーナールームの方が広かったが。


さて、夕方の鐘はいつ鳴るのかな?


「アリス、この世界では時間の確認ってどうしてるんだ?」


《時計の魔道具があるのでそれで確認できます。鐘は朝は6時、夕方は5時に鳴ります》


なるほど、じゃあ朝は6時から8時、夕方は5時から8時の間にご飯が出るのか。


「それで?今は何時なんだ?」


《今は夕方の4時28分になります》


もうすぐで鐘が鳴るってことか。


とりあえずこの世界の食事を知りたいし、朝と夕一食ずつ食べてみたいな。


食事の時間まで軽く横になろう。

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