第2話 ハイテクにも程がある
俺はステータス画面がタップ出来るのか試してみる。
まずは称号の部分から。
すると称号の詳しい説明が出てきた。
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異世界からの来訪者
神によって異世界からアデールに呼び出された者。
神の力により全ての状態異常が無効化される。
元の世界に帰ることは出来ない。
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はい帰れませんでした。
次にスキルの言語理解の部分をタップ。
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言語理解
異世界の言語を理解し聴き、喋ることが出来る。
ジュンのユニークスキル。
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ユニークスキルってことは俺しか持ってないスキルってことか。
最後にギフトの部分をタップする。
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ショッピングモール
亜空間に存在するショッピングモール。
MPを消費することによって異世界の店舗を追加することが出来る。
「ゲートオープン」で扉が現れ、「ゲートクローズ」で扉が仕舞われる。
ショッピングモール内での暴行、窃盗は禁じられ、違反すると強制退店、魔力記憶により入店禁止になる。
初期設備:オーナールーム
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成長する大型複合商業施設ってことか?
これはなんだか面白そうだ。
俺は扉を出すために人目のないところへ移動した。
路地裏に来ると周りを確認する。
よし、ここならしばらくは誰も来ないかな?
「ゲートオープン」
すると木製の観音開きの扉が現れた。
早速扉を開け中に入り「ゲートクローズ」と唱えると扉が消えた。
中は説明に書いてあったオーナールームらしきところだった。
机、椅子、ベッド、クローゼットがある。
しかし、出入口がない。
ショッピングモールへはどうやって行くんだ?
すると持っていたスマホが震えた。
画面を見てみるとそこには文字が書かれていた。
《まだ店舗が追加されていないので初期設備のオーナールームのみになります》
なるほどね、まずは店舗を追加しなきゃいけないのか…ってなんだこれ!?俺のスマホにこんな機能は無かったぞ!?
《私はオーナー、ジュン様をサポートするAI、アリスです、よろしくお願いします》
「あ、あぁよろしく」
なんだこれ、ハイテクにも程があるだろ。
いや、ここは異世界だし、神様に呼ばれたからには気にしたところで仕方ないのか。
「それで、店舗の追加ってのはどうやるんだ?」
すると今度はタブレットの方が震えた。
《それは私、ゼンがお答えします。追加店舗一覧はタブレットにて確認、追加可能です。一覧の中から追加したい店舗をタップし、最終確認とMPがあれば店舗が追加されます》
「MPが無い場合は?」
《その場合は追加出来ませんのでご了承ください》
まぁそりゃそうだよな。
「とりあえず、1番最初に何を追加するかだよなぁ」
一覧を見てみると、前世?元の世界?でよく名前を聞く店や有名店の名前がズラっと並んでいる。
スーパーから飲食店、服屋からアクセサリーショップまで、お?ゲーセンや映画館まであるぞ、へ!?ホテルに温泉まであるのか!?
なんか、ショッピングモールっていうよりひとつの街だなこりゃ。
しかし、使用MPが結構お高い。
「これ使用MPを高い順にしてくれるか?」
《かしこまりました》
並べ替えられると1番上に出てきたのはホテル、使用MPはなんと3000万、今現在最大値が100万だからどう足掻いても届かない。
「これって一生追加出来なくないか?」
《いえ、累計来客数に応じてオーナーのMPの最大値が増えるので問題無いかと》
そんな仕組みになっているのか。
「ん?なんでそんなシステム的なことを知っているんだ?」
《私たちは神によって作られたオーナーのサポート役なので、この世界の常識やある程度の地理、オーナーが困った際の解決策など色々なことがインプットされています》
なるほどな、神様ありがとうございます。
「頼りにしているよ、とりあえず何を追加するかな、次は使用MPの低い順にしてくれ」
《かしこまりました》
するとまた並び順が変わる。
1番MPを消費しないのは雑貨屋か、次に服や靴のファッション系、飲食店、スーパー。ジュエリーショップは売っている物が高いからMPも必然的に高くなってるのかな?
雑貨屋が1番消費しないと言っても3万くらい取られる。服屋、靴屋、飲食店は10万、スーパーは30万、ジュエリーショップは50万、100万あっても足りないな。
「とりあえず飲食店は3つくらい追加しておきたいよな、次に服屋と靴屋も1つずつ、余りそうだからスーパーも1つ追加するか、あと残ったMPで雑貨屋を何店舗か、これでいいかな」
《オーナー、まだ集客はしないと思うのですが、先に言っておきます。清掃と店舗の食材や商品を補充するために毎日朝4時にオーナーのMPから1万を貰います》
「え!?マジか、じゃあMPをギリギリまで使うってことは出来ないわけね」
《はい、ですがまだ集客をしないのであれば集客の前日までMPを限界まで使い店舗を追加して、清掃、補充することもできますが》
「いや、毎日清掃はしよう、補充はしなくてもいいかもしれないけど。綺麗な方が気持ちいいしね、それに慣れておかないと忘れちゃうし」
《わかりました、では毎日朝4時にMPを1万貰います》
「おっけ」