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90話

「ここからでござったら、こっちに行けば冒険者ギルドでござるな。拙者はもう迷わないでござるよ。地図を覚えた拙者に死角はないでござる!!」


 今いる場所はいつも通る道ではござらんから、ちょっと不安になったでござるが今日の拙者はひと味違うのでござるよ。もうこの町では一生迷うことはないでござる。もう断言できるでござるよ。


 しかし、冒険者ギルドに行かなくても今の拙者であればコロシアムも頭に入っているでござるからな。マリリンの案内なしでもたどり着けてしまうでござるな。拙者が地図を覚えたことをまだ隠しておきたいでござるし、もっと役に立つ場面でお披露目したいでござるよ。しかも、昨日の今日でなんで覚えてるのか聞かれても面倒でござるな。


「しかないでござる。今日はマリリンの案内を甘んじて受け入れようではござらんか。拙者が一人で行ってもいいでござるが、マリリンはもしかしたら楽しみにしているかもしれないでござるしな」


 頭の中の地図に沿って、拙者は冒険者ギルドを目指すでござる。




 目の前の冒険者ギルドを見て、軽く感動を覚えるでござる。

 拙者の頭の中の地図は正しかったのでござるよ。あの短い時間で完璧に地図を覚えている拙者の頭脳はやはりほかの人間とは一線を画す物があると言えるでござろう。これならば、少し時間を貰えればこの世界の地図すら頭に入れることができそうでござるな。まあ、今は必要ないでござるしやるつもりもないでござるがな。


 中へ入ると、昨日と同じでほとんど冒険者がいない状態でござるな。


「マリリン。いるでござるかーー」


 とりあえず、軽く呼びかけてみるでござる。

 これで出てきてくれれば拙者はマリリンを待つ必要はないでござる。もしかすると、まだマリリンが冒険者ギルドのついていないという可能性もあるでござるからな。昨日はたまたま手伝いをしに早く来ていただけかもしれないのでござるよ。


「おはようございます。タケシさん今日も早いですね」


 また受付の奥からマリリンがひょこっと現れたでござるぞ。


「おはようでござる。マリリンは今日もギルドの手伝いでござるか?」


「はい!! 先輩たちのご厚意でお休みをいただいていますので、せめてこれくらいはしないといけませんよ。あ、ちょっと待ってくださいね。着替えてきますから」


「別にそこまで急がなくても大会に間に合えばいいでござるよ。ゆっくり、着替えてくるといいでござる」


「ありがとうございます」


 それだけ言うと、マリリンはまた奥へ引っ込んでいってしまったでござる。


「あなた随分とうちのマリリンと仲がいいみたいだね。一体どういう関係なのかな?」


「私も気になります。マリリンがあそこまでなついているということはやっぱりそういうことなのですか?」


「拙者はただ、冒険者登録の時にマリリンにお世話になっただけでござるよ。特に仲がいいということはないと思うのでござるが……」


 マリリンが出てきた部屋から出てきた冒険者ギルドの職員のお姉さんから質問を受ける。


 マリリンと拙者が仲がいい? 確かに、この町で知り合いと呼べる数少ない存在ではござるが、まだ出会って数日でござるしな。でも、二人で祭りに行ったことを考えると仲がいいと判断してもいいのでござるか?


「昨日もマリリンとデートしておいてそれはおかしくない? もしかして、マリリンのことを財布かなんかと思ったりしてない?」


「それはひどいですよ。私たちの稼ぎなんて、冒険者の方に比べれべ相当少ないのですよ。あんまりです」


「誤解でござるよ。むしろ逆でござる。昨日の祭りでは拙者がすべて支払ったでござる。マリリンには普段からクエストを選んでもらったりとお世話になっているでござるからな。そのお礼でござるよ。そのせいで、とんでもない額の金を失ったでござる」


 マリリンもなんで昨日のことを話しているのでござるか? 面倒なことになるとは考えなかったのでござるか?


「それはご愁傷様ね。あの子凄い量食べるでしょ。私も初めて見たときは驚かされたものよ」


「まさに底なし沼でした。どこにそんな量のご飯が入っていくのか理解不能なところがまた不思議ですよね」


「そうなのでござるよ。昨日も、危うく全出店を制覇するところでござったからな。拙者なんてすぐにお腹一杯で食べれなくなってしまったでござるのに、とんでもないでござるよ」


 このお姉さんたちもマリリンの胃袋のことは知っているのでござるな。

 まあ、可愛い後輩なのでござろう。飯を奢りたくなる気持ちもわかるでござるな。そして、とんでもない目にあったところまでわかるでござるよ。


「お待たせしました!! あれ、先輩たちどうしました? タケシさんと知り合いだったんですか?」


「何でもないわ。ちょっと話をしていただけよ」


「マリリン、今日は楽しんできてくださいね」


「ありがとうございます。それでは、行ってきます」


 うまいこと誤魔化しているでござるな。

 拙者も間に合わないと困るでござるし、さっさとコロシアムに向かうとするでござるかな。


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