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82話

 これは何の冗談でござるか?

 クイズ大会とやらは一人の男の圧勝に終わってしまった。それも、ほかの回答者に一問も正解させることなく、すべて自分で正解しての優勝でござる。


「凄すぎますね。これは流石に……」


 マリリンの表情もひきつっているでござる。

 最初の方こそ、即答する男に盛り上がっていた会場でござったが、それが二回、三回と続いて行くうちに盛り上がりは右肩下がりになっていったでござる。


「毎年、あの男が優勝しているのでござるか? あまりにも、実力差がありすぎて見ていてきつかったでござるよ」


「そんなわけありませんよ。今年が異常なだけです。というよりもあの人がやばいです。なんで問題文の途中ですべて答えてしまえるんですか? 八百長ですか?」


 拙者もあまりの不気味さに、問題を事前に知っているのでは何かと思ったでござるが、出題者のあの驚愕の表情を見る限りその可能性は薄そうでござるな。しかし、裏方の人間が情報を流している可能性も捨てきれないでござるから何とも言えないでござる。そもそも、実力ではないことを決めつけるのはあまりにも失礼でござるな。


 拙者だって、規格外の強さを持っているでござるし、あの男がクイズの天才なだけかもしれないでござる。

 あの領域になるまでには相当な努力を要したはずでござる。あっぱれでござるな。


「私も一緒に考えたかったんですけど、これじゃあ何もわかりませんよ」


「同感でござるな。問題文の最初のほうで答えられては正解のしようがないでござる。こっちはクイズの素人なのでござるよ」


「あの人も少しは手加減というものを覚えてほしいですよ。ほかの人も唖然としちゃってますしね」


 それも無理はないでござろう。

 ステージにいる全員、相当な自信があって参加しているはずでござる。それが、たったの一問すら正解することも許されずに負けたのでござる。拙者でござったら途方にくれてしまうでござるな。まあ、拙者に限ってそんな自体に陥ることはありえないのでござるがな。


 しかし、見ていてつらくなるほどの弱い者いじめでござったな。

 幼稚園児の中に一人だけ大学生を混ぜているような力の差でござるよ。勝てるはずがないでござる。ほかの参加者何て問題文を理解する前に回答されているでござるからな。お手上げでござるよ。


「うーん、これじゃない感が凄いですね。もっと、一緒に盛り上げる感じになるかと思っていたんですけど、これじゃあ、あの人以外盛り上がらないですよ。確かに凄い優勝だと言うことはわかるんですけど……」


「本来は優勝が決まった瞬間に大歓声なのでござろうが、会場の人も戸惑いで反応が微妙になっているでござるな」


 どんなに勉強していればこんな化け物じみたことができるのでござるかな。

 問題文を予測して回答を導き出しているということでござるよ。ありえないでござる。


「想定外でしたが、これはこれで楽しかったですよね?」


 有無を言わせぬ迫力があるでござるな。

 自分から誘っている手前、つまらないと言われたくないのでござろう。


「ほんとに想定外でござったな。クイズ大会とは別の何かを見させられた気分でござるよ。でも、楽しかったでござるよ」


 最初こそ戸惑っていたでござるが、思い返してみれば圧倒的な実力で他を押さえつけ、優勝するのは見ていて気持ちよかったかもしれないでござる。これは、大会の歴史に残るほどの快挙でござろうな。拙者も明日は大会史上最強の冒険者として優勝しないといけなくなったでござるな。圧倒的な力の差を見せつけての優勝を目指すでござるよ。


「それならよかったです。私もクイズ大会の楽しみ方はできませんでしたが、爽快感はありましたので、きっとこれは面白かったんですよ」


「そうでござるな。爽快感はすさまじかったでござるよ。あれは、世界を取れる実力があるでござるな」


「クイズの世界大会なんてありませんが、あの人がこの先クイズ大会で負ける姿が想像できませんね。きっと、これからも優勝し続けていくんでしょう」


「来年はクイズの難易度を上げて、即答できないようにしてほしいでござるな。また見に来てこれでござったら流石に笑えて来るでござる」


 全部すぐに回答されるような問題では大会にふさわしくないでござろう。

 難易度が高すぎて誰もわからないようなことにならないギリギリを攻めてもらいたいでござるな。


「次も見ていきますか? えーと、次は大声大会ですね」


「遠慮するでござるよ。名前から察するにうるさいのでござろう? 今はそんな気分ではないでござるよ」


「誰が一番大きな声が出せるかという極めてシンプルなルールの大会です。ちなみに、これは今からでもエントリーできますよ」


「嫌でござるよ。拙者は出ないでござる」


 拙者が叫ぶときは、武士として真剣勝負に望むときのみでござる。適当な大会なんぞで無暗に大声を出していてはいけないのでござるよ。


「まあ、私も興味ありませんし、また食べ歩きに戻りますか」


「そろそろ早めの夕飯くらいの時間でござるし、それでいいでござるよ。今回はお手柔らかに頼むでござるよ」


「無理ですね。今度は私が満腹になるまで食べますから」


 これはとんでもないでござる……。

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