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80話

 はぁ、思わずため息が出てしまうでござるな。なんで拙者がこんなゴミのように人がいる場所に来なくてはいけないのでござるか? 一人でござったら絶対に来ることのない場所でござるな。


 マリリンの手前強がってしまったでござるが、どうしても帰りたいという気持ちが襲ってくるでござる。


「次はクイズ見たいんですね。これでは私も参加できません」


「ほう、クイズでござるか。拙者のクイズに対する情熱を見せたかったでござるが、もうエントリーも終わっているでござろうし、残念ではござるがまた来年にするでござるかな」


「まだ間に会うかもしれませんよ。私が運営に掛け合ってきましょうか?」


「やめるでござる!! そう焦ってはいけないでござるよ。今回は参加を見送るのでござるからいいのでござる。拙者と言えども、準備なしで優勝するのは少しばかり骨が折れるでござるからな」


 本当はクイズの自信なんてないでござる。

 今から始まるもののエントリーが間に合うわけないと思って適当に行ってみただけでござるというに、まさか運営に行ってまでエントリーさせられそうになるとは……マリリンには油断できないでござるな。


「ほんとにいいんですか? 優勝できなくても3位入賞すれば賞金は出ると思いますよ。それくらいであれば目指せるんじゃないですか?」


「拙者は1位しか眼中にないのでござる。3位なんて、最下位となんら変わらない価値しかないでござる。優勝以外はみな同じでござるからな」


「自分に厳しすぎますよ。すべてで1番になるなんて無理に決まってるんですから、3位でも素直に喜んだほうがいいと思いますよ」


「それでは拙者自身が納得できないのでござるよ。拙者が求めるものは頂点ただ一つでござる」


 仮に拙者が本気で頑張った結果2位だったとしてもそれは意味のないことなのでござる。ほかの人間がどう感じるかというのは些細な問題なのでござる。拙者がダメだと認識している以上、それがすべてなのでござる。


「ストイックも行き過ぎてしまうとめんどくさいですね。タケシさんは確実に優勝できると思っている冒険者の最強決定戦だけ出場するということですか?」


「そうでござるな。絶対に負けない自信があるでござるよ」


「ほかのSランク冒険者があまり参加しないといいんですが……上位の方は基本的に王都の大会に参加するようになっていますからSランク冒険者の上位の方と戦うことはないと思います。それでも、全員が人間をやめているような化け物であることは間違いないので油断せずに頑張ってくださいね」


 そのSランク冒険者とやらを一人殺してしまっているのでござるよな。

 不意を突くような形になってしまったでござるから、真の実力は確かめたわけではないでござるな。それでも、あの一撃で死んでしまうようなレベルでござったら、拙者の相手にはならないでござるよ。

 マリリンにそれとなく、拙者が殺したSランク冒険者の強さでも聞いてみるでござるかな。


「この町にもSランク冒険者がいるのでござろう? そいつは強いのでござるか?」


「ああ、コブソンさんですね。この町唯一のSランク冒険者にして、周辺支部最強の冒険者です。支部最強と言っても、ほかにSランク冒険者が居ませんので自動的になっているわけですが、実力は本物ですよ」


「どのあたりが強かったのでござるか?」


 この町の近辺では最強とか言われたところでなんの判断基準にもならないでござるよ。

 せめて、世界最強とかにしてもらわないと想像できないでござるな。


「私も実際に戦っているところを見たわけではないんですけど、噂では近接戦闘のスペシャリストという話や魔法のスペシャリスト何て話もありましたね。どっちが正しいと思いますか?」


「拙者が質問しているのでござるが……拙者が今回出場する大会にも出ていたのでござろう。それならば、戦闘スタイルくらいはわかるはずでござるよな?」


「大会では片手剣で戦っていたと思います。ですが、私が見た大会ではSランク冒険者の出場者がコブソンさんだけでしたので危なげなく優勝しちゃいましたよ。圧倒的な強さでしたね。会場の盛り上がりも凄かったですよ」


「圧倒的でござったのか……わかったでござるよ」


 拙者が軽く殺してしまったSランク冒険者が大会を圧倒的な強さで優勝してしまったということはでござるよ? 拙者が出場してしまえば、もう威圧感だけで優勝してしまうのではござらんか? 拙者の強さを肌で感じた奴らは戦いなんて挑んでこないでござろう。すぐに敵前逃亡でござるな。そして切腹でござる。


「今回もコブソンさんが出場するんならタケシさんのライバルになりますね。ちゃんと私はタケシさんを応援しますからね」


「ありがとうでござるよ。拙者ももし大会で戦うようなことがあるのでござったら気を付けるでござる」


 絶対にありえないことなのでござるが、コブソンがこの世にいないことを知っているのは現状拙者一人でござるからな。怪しいことをするわけには行かないのでござるよ。拙者は頭脳派でござるからな。

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