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78話

「どうやら私たちが二人で歩いているとカップルだと思われるみたいですよ。いきなり過ぎてビックリしましたよ」


「そういえばマリリンはあんまり喋っていなかったでござるな。どうせなら、おまけでもしてもらえばよかったでござるな。ちゃんと三人前の金を払ってしまったでござるよ。茶化した分値引きしてもらってくるでござるか?」


「え? いいですよ。また恥ずかしい思いをすることになるじゃないですか」


 恥ずかしがっていたのでござるか? 

 そう考えると、急にマリリンが可愛く見えてきたでござるな。


「タケシさんのせいで、私は男の人よりもからあげを食べる大食い女ということになってしまったんですよ? どう責任取ってくれるんですか?」


「責任も何も拙者は事実をそのまま口にしただけではござらんか。何を責められるいわれがあるのかわからないでござるな。マリリンこそ、奢って上げたのでござるからお礼の一つくらい言ってくれてもいいでござろう?」


「ありがとうございます。これで私は筋を通しましたね。後はタケシさんが謝るだけですよ。さあ、どうぞ」


 めんどくさいことになってきたでござる。

 こんなことをしていたら折角熱々の状態で食べられるはずでござった唐揚げが冷えてしまうでござるよ。一旦、マリリンのことはおいておいて唐揚げを食べるとするでござるかな。


「あ!! 何一人だけからあげ食べようとしてるんですか!! 私にもくださいよ」


 拙者が唐揚げの入った袋を取り出して食べようとしていることに感づいたのかすぐさま反応してきたでござる。

 これが、食に関わる時のマリリンの反応速度でござるか。拙者でなかったらこの早さにはついていけないでござるな。


「熱いうちに食べるほうがおいしいでござろうよ。当然のことをしているだけでござる」


「ずるいです!! 私だって熱いうちに食べたいです!!」


「ならば、一旦話はおいておいて先に唐揚げをたべるべきではござらんか? マリリンが話を優先すると言ったところで拙者は迷いなく唐揚げを優先するのでござるがな」


「私も食べます。話は今は忘れましょう」


 マリリンも食欲には勝てないようでござるな。

 というよりも、食欲が最大の欲求になっているようでござる。これは食い意地が張っていると言われても仕方がないでござるよ。


 近くにあったベンチにマリリンと腰掛ける。


「ああ、やっと朝ごはんが食べられますね。うーん、美味しいです」


 唐揚げをほうばり、ご満悦のようでござるな。

 ほんとに、美味しいそうに食べるでござるよ。これならば、買って上げた甲斐があったというものでござる。


「お、うまいでござるな」


 この世界の唐揚げがどの程度のものなのでござるかという不安もあったでござるが、拙者が食べて来た唐揚げに劣ることのないレベルの代物でござるよ。これはリピートしたくなってしまうでござるなぁ。


「一つ目はここにして正解でしたね。ちょっと店主さんがおちゃらけた感じがしましたが、味のほうは一級品ですね」


「あれくらいいいでござろう。ああやって、客とコミュニケーションを取ることで売り上げを伸ばす作戦なのかもしれないでござろう?」


「あれは、ただ単にからかっていただけです。大人という上から目線で私たちのことをからかっていたんですよ」


 別にそういう印象は受けなかったでござるがな。

 マリリンがそう思ってしまったのなら、おじさんの作戦はマリリンには通用しなかったということでござるな。拙者が適当に考えただけで本当にそういう意図があったのかは謎でござるが。

 ただ会話を楽しんでいたということも考えれるでござるしな。


「ああ、美味しかったです。からあげはやっぱり熱々の時が一番美味しいですね。ごちそうさまでした」


「もう食べ終わったのでござるか? 流石に一人前だけでござるよな?」


「いいえ、もう私の分は食べ終わりましたよ。タケシさんこそのんびり食べている暇はないんですからね。ゆっくりしたい気持ちもわかりますが、これからどんどんお店を回っていくんですよ。時間は大切にしていかないとダメです」


 マリリンを舐めていたでござるよ。拙者なんてまだ半分くらいしか食べ終えていないというのに、もう食べ終わっているとは……おそろしい子でござるよ。


「熱いうちに食べるって言ったのはタケシさんですよ。早く食べてしまってください。次に行くんですからね」


「そう急かすのはやめてほしいでござるな」


 文句を言いながらも残っていた唐揚げをさっさと食べてしまったでござる。

 拙者としてはもう少し味わいながら食べるつもりでござったのに……。


「食べ終わりましたね。それじゃあ、次に行きましょう!!」


 ほんとに元気でござるな。確かにまだ祭りに来たばかり、それも一件目でござる。こんなところでもたもたしているわけには行かないでござるもんな。しかし、マリリンにはついて行くだけでも気力がすり減って行くでござるよ。今日は一日つかれることを覚悟しておかないといけないような気がするでござるよ。


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