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70話

 約束を取り付けたでござるよ。これで拙者が優勝すれば追加報酬をどれだけ貰おうと文句を言われることはなくなったでござる。お姉さんも迂闊でござるな。拙者の強さを知ってとんでもない賭けをしてしまったことを悟るのでござろう。もう手遅れでござるよ。


「俄然やる気が湧いてきたでござるよ。お姉さんも拙者が優勝するのを見に来るといいでござる」


「そんな簡単ではありませんよ。でも頑張ってくださいね。見に行けるかわかりませんが応援してます」


「残念でござるな。拙者が圧倒的な強さでほかの冒険者を倒していくところが見れないなんて随分ともったいないでござるよ」


 これ以上自信があるアピールをしても意味はないでござるし、今回はもうこれくらいにしておとなしくマリリンを待っておくとするでござるかな。いい暇つぶしにもなったでござる。


「拙者はこれにて失礼するでござる。約束忘れてはダメでござるよ」


「わかってますって。またいつでもお待ちしてます」




 ひとまず、冒険者ギルドでの用事は終わったでござる。後は、マリリンの仕事が終わるまで待つだけでござるな。それが一番難易度が高いことでござる。じっとしているのは退屈でござるよ。


「ちょうどいい机といすがあるでござるし、ここに据わって待つとするでござるかな」


 冒険者ギルド内に設置されている机に一人で陣取り、 マリリンを待つ。

 この机には四人は座れるでござるが拙者が一番に座ってしまったからにはもう拙者のものでござるよ。誰にも譲るつもりはないでござる。


「じっと待っているのは無理でござるから、何か考えておかないとまずいでござる。そう、例えば大会のことなんて最適でござるな」


 祭りの最終日に開催されるメインイベントの大会でござるからな。大勢の人が身に来ることは確定しているでござる。それに、すべての町で行っているわけではないことも言っていたでござるから、相当な数の冒険者が参加してくるでござるよ。このあたりのことはまあいいでござるが、問題は拙者がどの程度手加減をすればいいかでござる。


 ドデカの時ですら相当手加減していたでごるからな。Aランク冒険者も軽くひねってしまえる拙者でござる。予選の最初のほうに対戦することになる低ランク冒険者何て殺してしまうでござるよ。もはや手加減なんて関係ないほどの実力差があるでござる。天と地、いやもう表現が追いつかないほどでござろうな。


 登録テストの時ですら殺すのはまずかったというのに、大勢の人の前で対戦相手を殺してしまうなんて許されるわけもないでござる。もちろん、絶対に起きえないことでもないことはわかっているでござるが、拙者の実力ではわかって殺しているようにしか見えないでござろうな。不慮の事故なんてものには見えるわけないでござるよ。


「しかし、拙者のスキルを使っても大丈夫な対戦相手なんているのでござるか? この大会を通して一回もスキルを打てないなんてことになれば消化不良で山を吹き飛ばしてしまうでござるよ。Sランク冒険者相手ならばもしかすると打っても大丈夫かもしれないでござるかな」


 拙者が最初に遭遇したSランク冒険者はかなり雑魚な部類だったはずでござる。

 一瞬で殺してしまったでござるからな。あの程度でSランク冒険者なんて名乗れてしまうこの世界のレベルが低いことが伺えてしまうでござるな。Sランク冒険者になりたての実力はAランク冒険者だったということにしておくのがよさそうでござるな。


「こんなところでぼぉっとして、タケシさんは何を考えてるんですか?」


 考え込んでいるところに声がかかる。


「マリリンでござるか? もう仕事は終わったのでござるか?」


「まだですが私がお手伝いできるような仕事がなくなったので暇してます。先輩たちは今から忙しくなるんですけど、私は逆ですね」


「それなら、今日拙者を早く帰らせた理由を聞かせるでござるよ。もう拙者はクエストの報告も終えて、何もすることがないのでござるよ」


 仕事が終わっていなくとも暇なのでござったら関係ないでござるよな。決してさぼっているわけではござらんよ。ただちょっと休憩しているだけだという話でござる。


「あ……いえ、良かったら明日一緒にお祭りを回らないかと思いまして……」


「そんなことでござるか」


 拙者は今日だけで十分すぎるほどの金を稼いでしまったでござるからな。明日くらいは休んで遊んでも余裕でござるが。


「どうですか? 朝伝えたように、私も明日と明後日はお休みをいただいてるんです」


「別にいいでござるよ。拙者も今日思ったよりも稼げたでござるからな。それに、今後は追加報酬を気にする必要もなくなるでござる。大会の優勝賞金も入るでござるからな。一日くらいは休んでも罰はあたらんでござろう」


「あ、ありがとうございます!! それじゃあ、明日はよろしくお願いします!!」


 まあ、マリリンに恩があるでござるしな。喜んでもらえてよかったでござるよ。

 拙者もこの世界に来て初めての祭りでござる。楽しむでござるよ。


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