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69話

 二日連続がっつり追加報酬でござるから、一気に懐も潤うというものでござる。

 今日は一体いくら貰えるのでござるかな。


「えーー!!!」


 お姉さんの悲鳴が受付からギルド内へ響く。

 これは何かが起きたとみて間違いないでござろう。水晶を落として割ってしまったとか、拙者の冒険者カードをぱっきりと真っ二つにしてしまったかどちらかでござろう。


「タケシさん!! 昨日私は注意しましたよね? それがなんで今日もこんなに討伐しているのですか!!」


 まさかの怒っていたのでごるか……確かに言いつけを守らなかったのは拙者でござるが。


「それはさっき説明したでござろう。拙者がリザードマンを討伐した後にぞろぞろ現れてきたんでござるよ」


「言い訳はダメです。タケシさんの実力であれば逃げることもできたはずですよね? それを、全部討伐してしまった結果がこれでしょうか?」


「その通りでござる。逃げるということは拙者がモンスター相手に敗北を認めたようなものでござらんか。それは許容できないでござる。迎え撃つのが武士たるものの定めでござる」


「何を言ってるのかよくわかりませんが、本当にこれが続くようならギルドマスターに報告しますよ。ほかの冒険者さんから苦情が入る前にやめてください」


 拙者ならば、モンスターから逃げることなんて朝飯前でござるが、だからと言って敵前逃亡など切腹ものでござる。

 モンスターが逃げるのであれば追うことはしないでござるが、逆はありえないことでござるよ。まあ、狩る気満々でござったからさっきだと逃がさなかったかもしれないでござるな。


「なぜ、ほかの冒険者から苦情が入るのでござるか? 関係ないでござろう」


「それも昨日説明しましたよね? 狩りつくされたら困るという話です」


「それなら気を使って昨日狩った麓のサルは追い払うだけに留めたでござるよ。中腹を超えたあたりのモンスターを討伐したから大丈夫でござるよ。違う場所でござったら影響も少ないでござろう?」


「ありがとうございます。なんでそれを最後まで続けてくれなかったのですか……」


 あからさまに落ち込んだ様子のお姉さんでござる。


「大体、あの山でほかの冒険者に一回も出くわしてないでござるよ。それなりに危険度の高い場所なのでござろう? それなら、定期的にモンスターを狩っておかないと危険なのではござらんか?」


「確かにヘロロン山のクエストは総じて難易度がBランク以上です。それに山登りであまり人気がありません。しかし、だからと言って許していてはいけないと思いませんか? 個人を優遇することはできません」


「わかったでござるよ。次からは本当に気を付けるでござる。拙者も反省しているのでござるよ……」


 しょんぼりした顔に負のオーラを纏い、反省していることを猛烈にアピールするでござる。


「本当ですか? また今日と同じように言い訳を並べて討伐してきたりはしないでしょうか?」


「信用がないでござるな。今日は本当に仕方なかったのでござるよ。次からはもっとスマートに行くでござる。心配ご無用でござるよ」


「わかりました。約束ですよ。それから、今日の報酬は全部で30万ゴールドです。よくもまあ、こんなに討伐してくるものですね。少しタケシさんの戦闘に興味が湧いてくるくらいです」


「それなら、祭りの最終日に開催する大会に出場する予定でござるから、身にくればいいでござるよ。拙者が華麗に優勝するところが確実に見れるでござる」


 さらっと流してしまっているでござるが、30万ゴールドはやばいでござるよ。昨日よりも10万ゴールドも多いのでござるよ? やはり強いモンスターを討伐すればするほど上乗せは大きいわけでござるな。


「ものすごい自信ですね。この大会にはSランク冒険者のかたも出場すると思いますし、そう簡単にはいかないと思いますよ。Aランク冒険者もぞろぞろ参戦してくるはずです。タケシさんが確実に優勝することなんてできませんよ」


「言ったでござるな。それでは、拙者が優勝して来たら今後も追加報酬のことは目をつむってほしいでござるよ。優勝できないと思っているのでござったら別にいいでござろう?」


「随分と小賢しいことを考えますね。まあ、私がクエストの報告に関する仕事は一任されていますが……いいえ、危ないところでした。無理です」


 これは押したらいけそうな雰囲気が漂ってはいないでござるか? 拙者にはわかるでござるよ、これはいけるでござる。


「そう硬いことを言わないでほしいでござるよ。拙者だって金が必要なんでござる。冒険者になったのもすべては金のためでござるからな。危険なモンスターを排除できるのでござるよ。どこにダメな要素があるのでござるか? わかったでござる、あの山は人気ないということでござるから、あの山に限定してもいいでござる。お願いでござるよ」


「……確かにヘロロン山は人気がないですけど。それでも……」


「拙者は自信があるでござるが、優勝できないと思っているのでござろう? 逆に、優勝できなかったら今後は絶対に追加でモンスターを狩らないことを誓うでござる。もちろん、やむを得ない場合は認めてほしいでござるが」


「そこまで言うならわかりました。約束しましょう」


 やったでござる。

 これは貰ったでござるな。


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