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67話

 山を駆け足で降りていくでござる。

 駆け足といっても拙者の中では駆け足なだけで一般的な冒険者たちと比べると全力疾走のそのまた上くらいのスピードでござるかな。前世で運転することはなかったでござるが、車と同じくらいのスピードは出ているでござろう。


「これ以上のスピードではしったら周囲に余波を出してしまうでござるからな。拙者は環境に優しいのでござるよ」


 軽く喋りながら走っていてこのスピードでござるよ。本気で走ったらどうなってしまうことでござるか。新幹線とかけっこできそうな気がするでござる。機会があればこっちも試しておくとするでござるかな。


 横目に何匹かモンスターとすれ違うでござるが、拙者のスピードに追いつけるわけもなく、そのまま後方へ消えていくでござる。そもそも、気が付いていない可能性もあるでござるな。






「もう山を下りきってしまったでござる。早さを重視するのならば次回からは走ったほうがいいかもしれないでござるな。追加報酬のモンスターを狩るのは後でもいいでござるからな。先に目的地まで行ったほうが早そうでござるよ」


 あっという間に山を下りきった拙者は一度休憩をはさむ。


 特につかれているというわけではござらんが、あまり急いでも時間が早すぎるということになりかねないでござる。ちょうどいい時間に帰るのがいいのでござるよ。マリリンも仕事が終わるのは夕方かそれ以降でござろう。それならばそのくらいの時間に向かったほうが拙者も待たなくて済むということでござる。


「いや、待つでござるよ。夕方は冒険者ギルドが混むでござる。結局、列に並んで待てばそれは同じことでござるな。今日はちょっと早めの時間を狙ってみるのもありでござるか? 一回、込み具合を見ておいた方が今後のためになるでござるな」


 混む時間帯は避けようと昨日誓ったはずでござったのに、もう忘れていたでござるよ。こんな調子ではダメでござる。しっかりしなければこの世界で武士を広めることなんてできないでござるよ。この使命だけは何としても成し遂げなければならないのでござる。


 現在の時間は……わからないでござるな。

 そういえば拙者は時計も持っていないでござる。そもそも、この世界に時計はあるのでござるか? こうなったら、拙者の得意の太陽で時間を感じ取る方法を使うしかないでござるな。


 空を見上げて太陽の位置を確認する。


「この位置だと……3時くらいでござるかな。思ったよりも時間を使っていたようでござる。今から帰れば4時までには確実に冒険者ギルドに帰りつけるでござるから、混雑する前でござるな」


 少し大雑把ではござるが、大体の時間はこれで把握できるのでござるよ。これも拙者が身につけた技の一つでござるな。


「また駆け足で帰るとするでござるか。歩いていては遅くなってしまうでござる」


 休憩を終え、駆け足で町へ向かうでござるよ。






 平原を駆け足で帰っていると、前方に割とマイホームになりつつある、町の壁が見えてきたでござる。


「このあたりからは歩いたほうがいいでござるな。余計な注目はよくないでござる」


 このスピードで走っていれば、拙者の意思とは関係なく、注目を集めてしまうでござる。

 武士としての凄さで注目を集めるのならば一向に気にはしないでござるが、足が少し早い程度のことで注目を集めるのは恥ずかしいでござるよ。


「昨日よりも明らかに人が少ないでござるな。入口の時点ではセーフのようでござる」


 町の入口にはちらほらと人が見えるのでござる。どう見ても冒険者ではないでござるのと、昨日の人の多さを見てしまっているでござるから、今日は何とか混雑していない時間帯に帰ることができたと安堵してしまうでござるな。


「これなら、冒険者ギルドの方も空いているはずでござるな。今日は並ばずに報告できそうでござるよ」


 しかし、冒険者たちもなぜ混雑する時間帯を好んで集まってくるのでござるかな。夕飯前のちょうどいい時間というのはわかるのでござるが、それを避けようとは思わないのでござるか? 


 拙者にはわからない事情があるのかもしれないでござるな。そのおかげで拙者が少し早く帰ればすぐに報告できるのでござるから何も文句はないでござるよ。むしろ感謝しているまであるでござる。


「今日も結構モンスターを討伐したでござるからな。追加報酬が楽しみでござるよ。今日こそは、何か買い物して帰るとするでござるかな」


 マリリンの話では今日から祭りが開催されているということでござる。

 出店なんかも盛大に出ていることでござろう。帰りに寄るのを考えるとウキウキしてきたでござるな。


「混雑する前に早く冒険者ギルドに向かうとするでござるかな」


 少し早歩きで町へ入り、冒険者ギルドを目指す。






「やはり、この時間は混雑していないようござるな。拙者の足であれば、この時間に帰ってくるのは難しくないでござるし、明日からも早めに帰ってくることにするでござるかな」


 冒険者ギルドに入ると、昨日の混雑が嘘のようにすっからかんでござった。

 昨日あんなに時間をかけて並んだのがバカらしいでござるな。


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