66話
「久々にスキルを打ったでざるが、本当に気持ちいいでござるな。威力を抑えてこれでござるよ、本気で打った日にはどうなってしまうことやらでござる」
今回はリザードマンを討伐したでござるが、レベルは上がっていないようでござるな。流石にそろそろレベルが上がりにくくなってくるのでござろうか? どういう形式で上がっているのかよくわかっていないでござるからな、今度聞いてみるべきでござるか。
「それと、愛刀も手に入れたいでござるな。毎回手刀では恰好が付かないでござるよ。武士たるもの刀は必需品でござる。確かに拙者は持っていなくても強いでござるが、鬼に金棒というやつでござるよ」
愛刀を手に入れてスキルを打てば、現状の威力の数倍になると確信しているでござる。拙者の力はまだまだこんなものではござらんぞ。圧倒的な火力ですべてを一刀両断してしまうでござる。
とりあえず、どれくらいを目安に討伐していくでござるかな。
何匹まで狩るか、もしくは時間でござるか? レベルが上がるまで何ていうのもありかもしれないでござるな。ちょっといつ上がるかわからないのがいい味を出してくれるでござる。一向に上がらないなんてことも考えられるでござるからな。マリリンには悪いでござるが、そうなったら……いやいや、拙者は約束は守る男でござる。最終手段で周囲一帯を一刀両断して大量に討伐するでござるよ。
それをしてしまったら後で討伐数について誤魔化すのが面倒でござるな。どれくらいのモンスターが狩れるか未知数でござるが、運よく100体とかに攻撃があたってしまったときはどう説明していいのやらでござるよ。
「レベルアップを基準にするのは諦めるでござるか。時間を見て決めたいところではござるが、太陽以外で判断ができないでござるし、討伐数で決めるでござるか……いや、普通に飽きたら帰るでござるかな」
ガサガサ、ガサガサ。
先ほどの爆音にモンスターたちが反応したのか、続々と出てくるでござるよ。
リザードマンに、ちょっと巨大化したサルが数匹ずつ現れたでござる。大チャンス到来でござるな。一気に狩って追加報酬ゲットでござるよ。
「もうお前らの実力は把握したでござるからな。様子見はなしでござるよ!!」
一匹ずつ距離をつめ、バッタバッタと手刀で倒していくでござる。
拙者の速度に反応できるはずもなく、無抵抗のまま死んでいくのが少々可愛そうでござるな。
己の力のなさを恨むでござるよ。
「これでは、拙者が楽して稼いでいるみたいでござるな。もう少し頑張って拙者にも達成感を味合わせてくれでござるよ」
無理な願いだということはわかっているのでござるが、圧倒的な力で蹂躙しているだけの拙者は苦労をすることもなく、大量のモンスターどもを葬っていく。さて、こいつらは一匹辺り何ゴールド位の報酬になってくるのでござろうな。リザードマンは1万ゴールド位になるのではござらんか? クエストの報酬は二匹で4万ゴールドでござるから、半額は欲しいところでござるよ。
【レベルアップしました】
頭の中に直接声が響く。
おっと、レベルアップもしてしまったでござるか。どちらを目標にしていても大丈夫でござったな。昨日レベルが上がってから優に十匹以上のモンスターを討伐しているでござるからな。それも、Bランク冒険者としてのクエストとしては強いほうであるモンスターでござるからな。レベルが上がってもおかしくはないでござるかな。
あの森でモンスターを討伐していた時に比べればレベルアップの速度はかなり緩やかになっているでござるが、着実にレベルアップを重ねているでござるからな。これを繰り返しているだけでも拙者のレベルはガンガン上がって行くでござる。ほかの冒険者との差も広がっていくばかりでござるな。しかし、拙者がこの速度でレベルアップしているのでござったらほかの冒険者もレベルアップしていないとおかしいでござるよ。拙者は一人でクエストを受けているでござるが、パーティで活動している冒険者がほとんどという話でござったし、そのあたりも関係しているのも知れないでござるな。
「ここに集まってきているモンスターを一掃したら終わりにするでござるかな。狩りすぎはよくないでござるからな。また明日以降苦労するのは拙者になるかもしれないでござるよ」
その後も、寄ってくるモンスターどもを討伐し、モンスターの波が途絶えたところで拙者は帰路についたでござる。
「今日も充実したクエストになったでござるな。拙者自身は何匹狩ったかわからないでござるが、それもこの冒険者カードがカウントしてくれているのでござろう? 便利なものでござるな」
冒険者カードさえ持っていれば冒険者はほかに何も必要ないかもしれないでござるな。
拙者だけに言えば、補助アイテムのようなものは必要ないでござるから、冒険者としての活動の結論にたどり着いてしまったかもしれないでござるな。後は、遠出して一日で帰れないようなクエストでも受けない限り大丈夫でござる。
「マリリンも待っていることでござるから、今日は少し走って帰るとするでござるか。本気で走っては数分で帰り着いてしまうでござるから、それは少し早すぎるでござるよな」




