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62話

「先ほどから言っているでござるが、拙者には自分でクエストを選ぶ気がそもそもないのでござるよ。ここはマリリンが折れるしかないでござる。諦めて拙者のクエストを選ぶでござるよ」


「絶対におかしいです。いくら私がまだあまり仕事を任されていないとはいえ、一人の冒険者のクエストを選ぶために働くのは何かがおかしいですよ」


「別に仕事はそれだけではないでござろう? あくまでも拙者のクエストを選ぶのは数ある仕事の中の一つに過ぎないでござるよ。あまり重く考えすぎないほうがいいでござるよ」


 マリリンは考えすぎでござるな。

 何も疑問に思わず、拙者のクエストを選べばいいのでござるよ。


「今日のところは選んであげますって。ですから次からは自分でクエストを選ぶ努力をしてくださいよ」


 なかなか折れないでござるなぁ。この調子で話を続けていても仕方がないでござるよ。今日は別に急いではいないとは言っても、時間は有限でござるからな。


「考えておくでござるよ」


「本当ですか? めんどくさいからって話を合わせてるだけじゃないですよね?」


「違うでござるよ。マリリンはやはり考えすぎでござるよ。拙者が嘘をつくような武士に見えるでござるか?」


「そこまで言うなら信じましょう。ほんとに明日は選んであげませんからね。あっ、明日は私はお休みをいただいてるんでした。どっちにしても無理でしたね」


 なんてことでござるか。となると、明日はマリリン以外にクエストを選んでもらわないといけないということでござるか? ほかの職員はみな忙しそうにしているでござるからなぁ。マリリンが休みだというだけで困ることになるとは情けないでござるな。


「それでは、今日はこれなんてどうですか? 報酬はロックスネークよりも少し落ちますが割といい部類ですよ」


 マリリンはクエストの用紙を一枚手に取り、こちらへ見せてくる。


「えーと、リザードマンでござるか。よくわからないでござるが、マリリンが選んでくれたのでござったらこれでいいでござるよ」


「もう少ししっかり考えてくださいよ。一応補足で説明しておきますが、リザードマンはロックスネークよりも強いです」


 ロックスネークがそもそも強くないので関係ないでござるな。ほんの少し素早いただの蛇でござったよ。この程度のモンスターを狩って金を稼いでしまっていいのか罪悪感を覚えてしまうくらいでござる。


「うん? なんで強いのに報酬は低いのでござるか? おかしいでござるよ」


「それは、討伐数が2体で良いというのと、リザードマンのほうが比較的遭遇しやすいからですかね。Bランク冒険者が受けられるクエストとしては2体位が上限だと思います。それくらい強いということですね」


「はあ、拙者からしてみればモンスターの強さなんてどうでもいいことでござるよ。それよりも、早くもっと強いモンスターのクエストに行きたいでござる。正直、退屈なのでござるよ。軽い運動にしかならないのでござるよ」


 マリリンは拙者の発言に驚きの表情を浮かべながら目を見開いている。


「やっぱりタケシさんはおかしいですね。普通のBランク冒険者でしたら昨日のロックスネークも相当苦戦するはずです。ましてや、タケシさんはパーティーも組まれずに一人でクエストを受けていますからね。非常識なのは自分だということを覚えておいてください」


「パーティーでござるか。いっそ、マリリンが拙者とパーティーを組むでござるか? 身の安全はもちろん、アドバイザー枠として分け前は渡すでござるよ」


「え? それは悪く無いような……いえいえ、ダメです。私は冒険者には向いていませんから。危うくお金につられてしまうところでした」


「何が悪いのでござるか? 拙者が高ランクになればなるほどマリリンも儲かるのでござるよ。拙者は追加報酬も貰えるでござるからその分も上乗せするでござるよ? マリリンの仕事はクエストを選ぶことと、拙者のわからないことの説明でござる。それくらいできるでござろう?」


 思い付きで適当に言ってみただけでござるが、案外悪く無い提案かもしれないでござる。拙者が一人で行動するよりも格段に効率は落ちるでござろうが、その分便利なことも増えるはずでござる。引き抜きでござるな。


「やっぱり駄目です。そんなタケシさんに頼りっきりになってしまっては後々困ることになります。私はギルドの職員として頑張ります」


「わかったでござる。マリリンも気が変わったらいつでも言ってくれていいでござるからな。それでは、拙者は今日のところはこのクエストをこなしてくるとするでござるよ」


「頑張ってください。あ、それとリザードマンは昨日タケシさんが登った山に生息していますからね。出くわしていないことを考えると、もう少し登ったところかもしれないですね」


「また山登りでござるか……気が滅入るでござるよ」


 同じ場所に二日連続でいってモンスターを狩る、これも冒険者ならば当たり前のことなのでござろうな。金のためでござる、今日も頑張るでござるよ。

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