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60話

「ところでその大会は何日目に開かれるのでござるか? やはり、一番のメインイベントでござるし、最終日でござるか?」


「お、タケシさん鋭いですね。その通りですよ。最終日の一日をすべて使って盛大に開かれます。特に、決勝トーナメント何て見物客で闘技場がいっぱいになるんですからね」


 最終日ということは、今日と明日は自由にクエストをこなせるということでござるか。

 確実に優勝できると思ってはいるでござるが、万が一負けて賞金を貰えないなんてことになってしまったら困るでござるし、遊んでいるわけにはいかないでござるな。


「まだエントリーできるのでござるよな?」


「確か、明日の午前中が締めきりだったと思います。私も自分が出るわけではないんで正確には覚えていませんが……私はまだ仕事を与えられていませんからね」


 よかったでござるな。これで申し込みは間に合いませんよか言われたいたらこの町は地図から消えることになっていたでござるよ。

 しかし、明日までとなるとあまり時間は残されていないでござるな。もし忘れていたりしたら大変でござる。


「大事をとって今日申し込んでおくのが無難でござるな。それでは拙者の代わりに申し込んできておいてくれでござるよ。頼んだでござるよ」


「何言ってるんですか。無理に決まってますよ。そもそも、申し込みには冒険者カードが必要なんです。冒険者ギルドで申し込みができるんですからクエストを受ける前に済ませて行ってください」


「ここでできるのでござるか? それを先にいうでござるよ」


 マリリンも人が悪いでござるな。このお祭りなんてもっと前からわかっていたことでござろうに、前もって説明してくれていてもよかったのではござらんか? 拙者が冒険者ギルドを訪れたのは昨日が初めてでござったな。それは説明する暇もないかもしれないでござる。


「まだ話の途中だっただけですよ。タケシさんがどんどん話を進めてしまうのがいけないんです。あそこで受付できるので早めに終わらせてきてください」


「ありがとうでござるよ」


 マリリンから指示された受付へ並び、早々にエントリーを済ませてしまうでござる。

 一応大会への参加資格にDランク冒険者以上というものがあったでござるが、昨日テストを終え、Bランク冒険者からスタートした拙者には何も関係ないことでござったな。この制度には本当に助けられてばかりでござるよ。ギルドマスターにも感謝でござる。




「終わったでござるよ。組み合わせは当日に発表されるらしいでござる」


「早いですね。説明はしっかり聞いてきたんですか?」


「聞いてないでござるよ。説明なんて聞かなくても拙者が優勝することは間違いないでござるからな」


 大会でござるからとりあえず、殺さない程度にぼこぼこにすればいいだけでござろう。無駄に変なルールをつけてわかりづらくしていないと思うでござるよ。

 観客もわかりやすく盛り上がりやすいものを好むでござろうしな。


「タケシさんが強いのはわかりますけど、実戦経験も少ないのに、自信を持ちすぎるのはよくないですよ。今回はドデカさんと違ってSランク冒険者とも戦うことになると思いますから、負ける可能性の方が高いと思います」


「マリリンの目から見て、拙者とそのSランク冒険者とやらはどっちが上なのでござるか?」


「私はどちらも直接戦闘するところは見たことがありませんが、Sランク冒険者のかたの実力は本物ですよ。コブソンさんもきっと参加すると思いますので確実にSランク冒険者が一人出場することは確定ですね。後は、周囲の町からどれほどSランク冒険者がやってくるかというところです」


 マリリンは知らないでござるが、そのコブソンは拙者が亡き者にしているのでござるよ。つまり、絶対にこの大会に出ることはできないでござる。同じ理由であの三人組のAランク冒険者もでござる。姿を見せないことで不信に思われ始めるかもしれないでござるな。


「強い冒険者と戦えるのは拙者も嬉しいでござるよ。まだ見ぬ強者が現れることを祈っているでござる」


 周囲の町からも参加者を募るというのでござれば、一人や二人程度のSランク冒険者が出てきてもおかしくはないでござろう。この機会にSランク冒険者のちゃんとした実力を見ておきたいでござるよ。果たして拙者の期待に答えることができるほどの冒険者が現れるのでござろうか。


「明日も賞金が出るようなものがたくさん開催されるのに本当にタケシさんはクエストに行ってしまうんですか?」


「3万ゴールド程度の賞金でござるなら、クエストをクリアしたほうが報酬がいいでござるからな。不確かなものに、生活を預けられるほど拙者の生活は裕福ではござらんよ」


「昨日は相当報酬をもらっていたはずですけど、まさか宿代で全部なくなるわけはないですよね?」


「報酬で4泊分を払ったでござるよ。一泊4万ゴールドでござる」


「え!? タケシさんどんな高級旅館に住んでるんですか? 普通のところなら一泊5千ゴールドも出せば、余裕を持って泊れますよ」


 拙者の宿はやはり高級でござったか。

 あれで、大衆的な宿と言われたら、この世界の宿のレベルがすさまじすぎて腰を抜かすところでござるよ。


 不満はないでござるからなぁ。値段に見合ったサービスを提供してもらえているのに、払わない道理はないでござるよ。


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