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53話

 悲しいでござるな、群れないと何もできない弱者を見るに耐えないでござるよ。せめて、何か言い返すとかそういう気概はないのでござるか? 自分から煽っておいてこれとは情けなさ過ぎるでござるよ。


「ちっ、こいつらマジでムカつくぜ。一人じゃ何もできねぇくせによぉ」


 珍しく気があうではござらんか。もちろん、口に出して同意するつもりは毛頭ないでござるが。


「次のかた、ドデカさんの前に並んでいるかたです。次は貴方の番ですよ」


 ドデカの前というとつまり拙者のことでござるか? ドデカの前という表現が少し気にかかるでござるが、拙者はまだ新参者でござるから仕方ないでござるかな。まだ名前を知らない職員の方が多いでござるよな。


「すまないでござる。こいつと話すのに気を割いてしまっていたでござるよ」


「大丈夫ですよ。それでは、冒険者カードの提示をお願いします」


「うむ」


 職員のお姉さんへ冒険者カードを手渡す。

 マリリンの話では、拙者が討伐したモンスターもすべて冒険者カードが記憶してくれているということでござるし、これでクエストをクリアしたのも確認が取れるというわけでござるな。


「おい、てめぇ。俺を無視してんじゃねぇよ。まだ話は終わってねぇだろうが!!」


「うるさいでござる。今は金が大事でござるから、黙るでござるよ。後で話は聞いてやるでござるから。大体お前も報告に来ているのでござろう? 自分の順番までおとなしく待つでござる」


「くそっ、早く終わらせろよ。そして、俺が終わるまでギルドの中で待っていやがれ」


「あまり待つようでござれば、無理でござるよ。お前こそ急ぐのでござるな」


 ドデカも次にクエストの報告をするのでござるし、おとなしく待っておけばいいものを駄々をこねるなどまるで、子供のようでござるな。

 それに拙者に待てとは、何様でござるか。本当に少ししか待たないでござるからな。


「ドデカさんとは知り合いなんですね。はい、ロックスネークの討伐ですね。あら? 見ない顔だと思ったんですが、タケシさんはBランク冒険者なんですね。もしかして、別の町から活動拠点を移して来たでしょうか?」


「こいつとは今日あったばかりでござるよ。それよりも拙者のことを知らないのでござるか? 拙者は今日の朝に特別テストとか言うのを受けてBランク冒険者からスタートしたのでござるよ」


「え? 私が通常業務を行っている間にそんなことが起きていたんですね。それでは、タケシさんは今日冒険者になったばかりの初心者というわけですか。おかしな感じですね。いきなり、ヘロロン山にクエストに向かうとは結構大胆なんですね」


「そのクエストはマリリンが選んでくれたのでござるよ。拙者が報酬がいいものを選ぶように言ったのでござる」


「マリリンがですか? まだあの子は登録業務しか行っていないはずなのですがね。ちょっと攻めすぎですよ。いくらBランク冒険者から始めたとはいえ、もう少し堅実に行くべきです。冒険者はとても危険な職業なんですからね」


 やはり、あの山はそれなりに危険度の高い場所なのでござったのだな。冒険者と出くわさないわけでござるよ。拙者の予想はあたっていたようでござるな。

 しかし、拙者の冒険者カードを確認したでござれば、レベルもステータスも見たはずなのでござるが……どうしてそういう反応になるのでござるか?


「拙者のステータスはSランク冒険者級というギルドマスターのお墨付きでござるよ。あの程度のモンスターに苦戦することなんてないでござるよ。どいつも雑魚でござったな」


「えーと、それは本当でしょうか? ……え? レベル88?」


「まだ見ていなかったのでござるか? どうでござる? 納得できたでござるか?」


「す、すごい数値ですね。タケシさんが初心者とはどうしても思えませんよ。嘘をついているわけではないんですよね? 実は、元Sランク冒険者だとか?」


「そんなせこい真似はしないでござるよ。拙者は正真正銘新米冒険者でござる。ちょっと腕に自信があるだけでござるよ」


 こうもみなが驚くと気持ちがいいでござるな。森に迷い込んで正解だったと思えるでござるよ。


「そうなんですね。すいません、達成報告でしたね。クエストの達成が確認できました。まずは、報酬の5万ゴールドです」


「ありがとうでござるよ」


 お姉さんから、金の入った袋を受け取る。ジャラジャラと硬貨のぶつかる音がしているでござるよ。

 これは結構入っているでござるな。金の実物をもらえるとやはり安心するものでござるな。


「追加でモンスターを討伐していますね。はい? ロックスネーク8匹に、フォレストコングが……23匹? えーとこれは本当ですか?」


「倒した数は覚えていないでござるが、結構倒したでござるよ。サルのようなモンスターでござるよな?」


「はい、間違いないと思います。ここまで追加でモンスターを討伐している方は初めてですよ。すいません、報酬の計算をするので少しお待ちくださいね」


 これだけ討伐すれば相当の追加報酬が貰えるでござろうな。

 しかも、拙者が初めてのレベルで討伐しているのでござるよ。期待に胸が膨らむでござる。

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