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46話

 コツコツと音を鳴らしながら、洞窟の中へ足を踏み入れていくでござる。


「結構暗いでござるな。あれ? 今気が付いたのでござるが、これ以上中へ進んだら何も見えないのではござらんか?」


 拙者としたことが、こんな当たり前のことを見落としていたとは、情けないでござる。

 入口でこの薄暗さでござるし、中へ進めばもちろん光が届かなくなっていくはずでござる。つまり、暗闇で何も見えないでござるよ。


 一回冷静に考えてみるでござる。

 この洞窟は、山の中腹にあるでござる。これは関係ないでござるな。光が届かなければ洞窟内で視覚を確保できるわけがないでござるよ。いくら拙者と言えど何も見えない状況で戦闘するのは難しいでござる。そもそも、相手のモンスターが見えないのでござるから、ロックスネークを討伐したかも確認できないでござる。


「なんてことでござるか……もう拙者は洞窟へ入る気満々でござったというのに、こんなしょうもないことで断念しないといけないのでござるか? 納得いかないでござる。何とか明かりを作る方法はないのでござるか?」


 懐中電灯でもあれば完璧なのでござるが、武士が懐中電灯を片手に洞窟を探索するという絵がもうダメでござる。松明か提灯出なければ許されないでござるよ。それに、この世界のレベルでは懐中電灯なんてものはなさそうでござるし、スキルを使って明かりを準備できればよかったでござるが、そうもいかないのでござるよな。


 仕方がないでござる。一度洞窟を出て、作戦を練り直すとするでござるか。


 入口まで入っていた洞窟から、外へ出て、再度考えをまとめる。

 拙者が準備できるとなると……無難なところで言うと、松明でござるかな。都合のいいことに、ここは山で木は大量にあるでござる。後は火さえ起こすことができれば松明の完成でござるな。


「ほかに方法もなさそうでござるし、拙者が火を起こすしかなさそうでござるな。ちょっと試してみるでござるか」


 昔ドラマで見た、火起こし法を実践してみるとするでござる。


 まずは、いい感じの木の棒でござるな。

 お? あれなんてよさそうでござる。


 足元に三十センチほどのまっすぐな木の棒を発見したでござる。これは使えそうでござるよ。

 手のひらで転がして具合を確認しても、いい塩梅でござるな。


 後は、これとこすり合わせる板のような木が落ちていればいいのでござるが……こちらは簡単に落ちているわけもないでござるな。木を切って自分で作るしかなさそうでござる。


「っせい!!」


 すべてを一刀両断するスキルを発動、目の前にあった木を一本切り倒すでござるよ。

 なんだか、久しぶりにスキルを使った気がするでござるな、やはり拙者のスキルはいろいろ使えて便利でござるな。


「一本丸々切り倒す程でもなかったでござるが、まあ別にいいでござろう。これから板を切り出して準備完了でござる」


 案の定、切り倒した木の大部分は残り、板を一枚切り出しただけで終わったでござるな。

 まあ、これで板を準備できたことでござるし、木の棒とこすり合わせる準備はできたでござるよ。


 後は、この二つをこすり合わせて火を起こすだけでござるな。

 うろ覚えでござるが、これをこすり合わせれば火が起こるはずでござる。摩擦熱という奴でござろうか。一般人がこの方法を取ればそれなりに時間がかかるでござろうが、拙者にかかればものの数分で火起こし完了でござるよ。


「行くでござる!!」


 地面に板を置き、木の棒をぐるぐるとこすり合わせる。

 板と棒との接地面に意識を集中させながらこするスピードをあげていくでござる。過度に力を入れすぎると、棒を折ってしまうでござるから、徐々にスピードアップでござるよ。


 ボウッ!!


 音とともに、突然火が起こる。それも、ライターの火のような小さなものではなく、焼肉の炭に火が付いたように大きく燃え上っているでござる。


「もう火がついたでござる。というか、板と棒が燃え始めたでござるよ!!」


 これは予想外でござる、拙者の記憶ではここで火種を起こして別の燃えやすい何かに移すはずでござる。この木の棒と板が燃え始まるのはおかしいでござるよ。

 拙者の力で摩擦したせいで、摩擦熱が限界を超えて、火がついてしまったのでござるか?


「焦っていても仕方ないでござる。火は起きたのでござるから、これから松明用の木に火を移さなければいけないでござる……ああ!! 松明用の木を準備していないでござる!!」


 急いで先ほど切り倒した期から、持ちやすくある程度の長さの木を切り出して準備をするでござる。


「ふぅ、危なかったでござるよ。せっかく起こした火が無駄になるところでござった」


 何とか、松明を完成させることに成功したでござる。

 おっと、こちらの火は消しておかないと山火事になるでござるな。放置して洞窟に入ったら一大事でござるよ。周囲の木に燃え広がり、とんでもない規模の火事になってしまうでござる。そして、洞窟の酸素もなくなってしまうのではござらんか?


 何にせよ、これで光源の確保は完了でござる。

 松明が燃え尽きるまでにさっさと洞窟内の探索を終わらせないといけないでござるな。気を取り直して参るでござる。


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