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43話

 本当に女将に代金を聞いていなかったのが致命的でござるよ。金の価値がわからないというのも効いてきているでござるな。


「仕方ないでござるな。足りると信じてそのクエストに行ってくるでござるよ。マリリンも少しクエスト報酬を上乗せできるようにしておいてくれでござる。できる限り大目にで頼むでござるよ」


「だからタケシさんは私に何を求めてるんですか? そんな権力あるわけないじゃないですか。報酬の上乗せをしたいのであれば、追加でモンスターを討伐するのが一番ですね。もちろん、クエストの報酬よりかは劣りますが、倒した数に応じてある程度は追加されますよ」


「それはいいことを聞いたでござるよ。要するに拙者が出くわしたモンスターを全部討伐していけばいいということでござろう? 何の問題もない簡単なことでござるな」


「あまり欲をかきすぎて時間がなくなるなんてことにならないように気を付けてくださいよ。クエストの達成が一番報酬としてはおいしいんですからね。追加なんてただのおまけですから」


「拙者がそんなつまらないミスを犯すはずがないでざるよ。きっちり夕飯の時間に戻ってくるでござるからな」


 モンスターを討伐した数に応じて報酬が追加されるというのは最強でござるな。拙者みたいな強い冒険者からすれば、いい話以外の何ものでもないでござるよ。

 拙者の攻撃でモンスターは一撃でござるから、軽く100匹は討伐できるでござるな。


「クエストはロックスネークの討伐でいいですか?」


「それに決めたでござるよ。報酬もいいのでござろう?」


「はい。Bランク冒険者が受けられるものでは最高額に近いと思います。それでは、このクエストを受注しますね。今回は特別にこっちの受付で処理しますけど、次からは受注カウンターで手続するようにしてくださいね」


「そこら辺の説明も聞いていていいでござるか? 受注カウンターというのはどこでござるか?」


 いきなり話が進んでしまったでござるが、拙者は完全に置いて行かれてしまっているでござるよ。

 マリリンが気を使って特別待遇でしてくれているということはわかるのでござるが、次からどうすればいいかわからないでござるよ。


「すいません、タケシさんはBランク冒険者と言えど、今日冒険者になったばかりの新人ですもんね。きっちり説明させてもらいます。まずは、 このクエストの用紙が貼られているものがクエストボードです。冒険者はここから自分が受注したいクエストを選びます」


 クエストボードからクエストを選ぶにしても拙者はそのクエストの内容が読めないのでござるよな。これは後でマリリンにお願いして今後も選んでもらえるようにしないといけないでござるな。


「次に受注カウンターですが、あちらの何人か冒険者のかたが並んでいる列が見えますか? あそこが受注カウンターです。クエストの受注を行っている受付ですね。クエストを達成したときに報告するカウンターはその右です。まだ時間も早いので並んでいませんね」


「とりあえず、クエストを選んであそこに持っていけばいいのでござるな。わかったでござるよ」


 今日クエストから戻ったらあそこに並べばいいというわけでござるな。あんまり混雑する時間は避けたいでござるな。拙者は待つのは苦手でござるよ。


「そういえばタケシさんはヘロロン山の場所はわかりますか? 今回はヘロロン山でロックスネークを討伐するのがクエストの達成条件ですのでもちろんヘロロン山まで向かわないといけないです」


「わからないでござるな。このあたりの土地勘はないでござるから、方角を教えてくれるとありがたいでござるよ」


「まあ、この町からでも見えるのでそっちに向かってもらえば大丈夫なんですが、冒険者ギルドの正面入り口からでて左に見えると思います。距離は大体3,4キロくらいですかね。歩いたらそれなりに時間がかかると思いますので移動時間も頭に入れておいてくださいよ」


 3,4キロでござるか。森よりもほんの少し近いでござるな。確か森は5キロとか言ってたような気がするでござるよ。

 マリリンは無用な心配をしているでござるが、拙者にかかればその程度の距離など一瞬でござるよ。刹那のうちに駆けてしまえるでござるな。


「いろいろありがとうでござる。マリリンには本当に世話になったでござるな。これからもよろしくお願いするでござるよ」


「こちらこそ、タケシさんがこの町を活動拠点にしている限りはほぼ毎日顔を合わせると思うのでよろしくお願いします」


「それでは、拙者はクエストへ向かうとするでござるよ。また後ででござる」


「行ってらっしゃいませ。タケシさんに危険が降りかからないように私もここから祈っておきますね」


 ひとまず、冒険者ギルドを出て、実際の山とやらを見てみないといけないでござるな。マリリンの話では冒険者ギルドを出てすぐに見えるということでござったが……。


「あ、あれでござるな。本当に見えるでござるな。これで道に迷う心配もなくなったでござる」


 いざ、初クエストへ参ろうでござるか。

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