表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
35/92

35話

 拙者が女の子について行くと、一番左の受付でござった。

 ここが冒険者登録をする受付でござったか。どれも同じにしか見えなかったでござるよ。受付なんてどれも同じと思わず、様子をうかがっていて正解でござったな。知ったかぶりで突撃していたら今頃恥をかいていたでござる。


「こちらで冒険者登録することができます。さっそく、手続きにお入りしてよろしいでしょうか? その前に自己紹介くらいはしておいた方がいいですかね。私は、マリリンです。この町の冒険者ギルドで3年間受付をしています。これからどうぞよろしくお願いします」


「拙者のほうもよろしく頼むでござるよ。拙者のことは……武士と覚えてくれれば問題ないでござる。そんなことよりも、急がないといけないのでござる。拙者は昨日の宿代もつけてもらっているのでござる。だから早く登録を終わらせてクエストをこなさないとまずいのでござるよ」


「そういうことですか。あまり、つけなどというものは褒められたものではありませんよ。しかし、やむにやまれぬ事情があったのでしょう。それではこちらの水晶に手をかざしてください」


 説教が始まるのかと思って少し身構えてしまったでござるよ。

 水晶に手をかざすというのは何の意味があるのでござろうか? 拙者は占いに来たのではござらんぞ。


 ここで話の腰をおってしまっては時間がかかりそうなので、おとなしくしたがって置くほうが得策でござるか。


「こうでござるか?」


 拙者が水晶に手をかざすと、ぼんやりと水晶が輝き始めたでござる。

 すごいでござるな。こうやって、対象の情報を読み取っているのでござるか。


「はい、こちらで現在のレベルとステータス、スキルまですべての情報を冒険者カードに記載することができます」


「それはすごいでござるな。やっと拙者のレベルがわかる時がきたでござるよ。ずっと、何レべかよくわからなかったでござるからな」


「基本的に、モンスターと戦闘などしていない人はレベル1ですよ。これから頑張ってくださいね」


「ちっちっち、拙者は既に数を数えるのがバカらしくなるほどのモンスターを一刀両断しているのでござるよ。当然、レベルアップという天の声も聞いているでござる」


「本当ですか? 冒険者になる前からモンスターと戦うなんて危険です。もう手遅れかもしれませんが、絶対にやめてください」


 手遅れでござるな。拙者がモンスターを倒したのは偶然が重なったということもあるでござるから、好き好んでモンスターを倒しに行っていたわけではないのでござるよ。そこのところはしっかり釈明しておいたほうがいいでござるか? これも手遅れでござるか。


「知らなかったのでござるよ。偶然出くわして戦闘になったのでござる」


「事前に自分が通る場所が危険かどうかは確認しておくべきですよ。これからは、冒険者になるんですから命は大事にしてくださいね。おっと、そろそろカードの記載が終わりそうですね」


 水晶の傍らから冒険者カードっぽいカードを取り出し手渡されたでござる。


「これは、どうやって見るのでござるか?」


「すいません。説明不足でしたね。上から名前、レベル、ステータス、スキルの順に記載されていますのでご確認ください」


「おかしいでござるよ。拙者には何を書いてあるかわからないでござる。このカードはちゃんとした文字で書かれているのでござるか? 何かエラーでも起こしているのではござらんか?」


 書かれている文字らしきものが全く読めないでござる。

 もしかして、これは異世界の言語で読めないとか言わないでござるよな。言葉が通じるから油断していたでござるよ。


「共通語をご存じないのですか? わかりました、代わりに私が読み上げさせていただきますね。えーと、タケシさん? あれ? さっきはブシさんって言っていませんでしたか?」


「それは拙者の仮の名前でござる。武士に名など不要でござるよ」


「よくわかりませんが、タケシさんであっているということですね。レベルは……87!?」


「いきなり大きな声を上げてどうしたでござるか? 拙者のレベルは87というのはわかったでござるが」


「87何てレベルはSランク冒険者の遜色ないどころか超えているまであるほどの高レベルですよ。モンスターと戦ったことはあるという話でしたが、どうしてこんな高レベルになっているのですか?」


 87レベで高い? すごい勢いでレベルが上がるから、そういうものだとばかり思っていたでござるよ。


「この町から少し離れたところの森でモンスターを倒していたらこのレベルになっていたでござるよ。特に変わったことはしていないでござる」


「森? まさかレモルスの森ですか? あそこは、Aランクパーティー以上の冒険者しか立ち入りができない危険な場所ですよ。そこで一人モンスターと戦っていたというのですか?」


「仕方ないでござるよ。気が付いたらその森にいたのでござるから、拙者もどうしていいかわからなかったのでござるよ。レベルはいいでござるから次頼むでござるよ」


「は、はい。ステータスもオールS以上!?」


「今度はどうしたでござるか?」


「こんな綺麗なステータスは見たことありません。普通はどこかに偏って成長するのですが、タケシさんは普通じゃありませんよ」


「それはそうでござろう。拙者は武士でござるからな。人よりも優れているのは当然のことでござる」


 拙者のすごさがここでも発揮されてしまったでござるな。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ