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32話

「ちょっとまたあの二人喧嘩してるわよ。誰か止めなさいよ」


「無理だって、あいつが暴れたら手をつけられないの知ってるだろ? こんな時にSランク冒険者とAランク冒険者たちがいてくれたらよかったんだけど……」


「はぁ、直接文句言ってやりてぇけどそんな勇気ねぇよ」


「僕が行こうか。ガツンと行ってやろうじゃないか」


 威勢よくそう宣言した冒険者に当の二人以外の視線が集まる。


 こいつ正気でござるか?

 やせ型の低身長に眼鏡。誰がどう見ても強そうには見えないでござるよ。もしかすると、強力なスキルを保有しているとかいう可能性もあるかもしれないでござるが。

 これは見ものかもしれないでござるよ。どうでもよかった喧嘩が拙者の興味を少しばかり引くものへと進化したでござる。流石眼鏡。


「おい、お前には無理だメガーネ!! 殺されるぞ」


「そうよ、あんなじゃ返り討ちどころか帰ってすら来れないわ。そのままあの世生きよ!! 早まるのはよしなさい。メガーネ」


「みんな心配してくれてありがとう。でも、僕は昨日までの僕とは一味もふた味も違うよ。こんな冒険者ギルドで暴れまわるようなバカに負けるほどやわじゃないんだ」


「む、すごい自信だな。ほんとにやれるのかメガーネ? よし、お前にすべてを託したぞ!!」


「お前ならいけるぞ!! 全員の気持ちを代弁してガツンと言ってやってくれメガーネ!!」


 とんでもない茶番でござるよ。もうどうでも良くなったでござる。拙者わかるでござるよ。どうせ、この眼鏡とかいう奴が瞬殺されて終わるだけでござる。もう見る価値もないでござるが、せっかくの茶番でござるからな。一応眼鏡が勝つ可能性にかけて最後まで見るとするでござるかな。


「てめぇ。俺に口答えするとはいい度胸だな!! 俺が、4回目と言ったら4回目なんだよ!! これ以上口答えするようならぶち殺すぞ!!」


「ひぇぇ。で、でも、僕そんなにミスしてないですよぉ……誰か別の人と勘違いしてますってぇ……」


「もう決めた、今決めた、決定だ。お前はここで死ねぇぇぇーーー!!!」


「うわぁぁぁぁぁぁぁーーーー!!!!」


 おうおう、こっちも随分と白熱してきたでござるよ。

 眼鏡君、急がないとこの使えなさそうな男が殺されてしまうござるよ。

 もちろん、拙者は自分に危害が加えられない限りは介入する気はないでござる。何にでも手を出すほど、暇ではござらんからな。


「そ、そ、そ、そこまでばーー!!」


 ごにょごにょと口ごもりながらもなんとか言い切ったと思えば、最後に噛んでいるでござるよこの眼鏡。

 実際に言うとなるとこのざまでござるか。見てられないでござるな。足なんてがくがく震えているでござるよ。


「あぁ? 何だメガーネ。また俺様のパーティーに入れてほしくなったのか? 生憎だが、お前のような使えないやつはもういらないって伝えたよなぁ。それも忘れちまうくらいお前の頭は残念なのか? こいつと一緒に殺されたくなかったら引っ込んでろ!!」


 まさかの元パーティーメンバー。

 これはちょっと予想外でござるな。もしや、この男がミスをしたのを勘違いしているのはこの眼鏡ではござらんか? いかにも凡ミスばかりしていそうな顔しているでござるよ。


「こ、こ、このでかぶつが!! みんなのギルドで暴れるのはやめほーー!!」


「おい、あいつマジで言っちまったぞ。噛み噛みでいまいち決まらないがメガーネはやる時はやるって思ってたんだよ」


「そうだわ、私もメガーネを信じてたのよ。あいつにここまで言ってやれるのはメガーネだけだわ」


「最高だぜ、メガーネ。骨は拾ってやるからな。存分にぼこされてこい」


 眼鏡君の啖呵にギャラリーも湧くが、眼鏡君の耳にはもう届いていなさそうでござるな。

 見ているこっちまで緊張してしまいそうなぐらいガチガチでござるよ。見ていられないでござるよ。あの細腕で何ができるというのでござるか? 日頃の修行が足りていないのが丸わかりでござるよ。


「今、メガーネを擁護した奴らも後で覚えとけよ。こいつらを始末した後はお前らの番だからな!!」


「や、やばい。お、俺はなにも言ってねぇぞーー!!」


「ちょっと待ちなさいよ。一人だけ逃げるなんて卑怯よ!!」


「バカな奴らだぜ。俺はメガーネを擁護何てしてないから大丈夫だな」


 絵にかいたようなバカだな。こいつらには武士の誇りというものはないのでござるか? これならば、勇気をふり絞っている眼鏡君のほうが一万倍好感を持てるでござるよ。

 最後の奴も睨まれた瞬間走って逃げ出しているでござる。本当に哀れでござるよ。


「メガーネ残念だったな。お前の味方は全員腰抜けだったみたいだぜ? どうする? 今なら土下座で謝れば一発くらいで許してやってもいいぞ。俺は愉快なものを見させてもらって気分がいいんだ」


「ふ、ふざけるなよ。僕はたとえ一人になったって、お前の横暴は許さないぞ!!」


「ほう、いつの間にそんな正義の味方みたいな感じになったんだお前は。まぁ、いいさ、こいつをしめた後はお前の番だからな」


 いつまで続くのかわからなくなってきたでござるな。ギャラリーもさっきのこいつの言葉で減っているでござるし、もう頃合いでござるよな。

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