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3話

「今のは本当でござるか? にわかには信じがたいでござるよ」


「おぬしの頭では理解できんじゃろうが、わかるものには一発でわかるんじゃよ。察しがいいものに至ってはわしを一目見た途端に神だと気が付き敬うことを忘れないぞ? おぬしは信仰心が足りておらんようじゃの」


「拙者は無神論者でござるからな。何事も自分自身の力で切り抜けるのがモットーでござるよ。拙者のこれまでの努力は自分だけのものでござる。そこから生まれる結果もまた拙者だけのものでござるからな」


「この不届き物が!! 本物の神が目の前におるというのに、無神論者じゃと? わしをおちょくっておるのか!!」


 急に怒りだしたでござるよ。

 じいというものは、精神的に老いているからこれも仕方のないことでござるのか? まったく面倒でござるな。


「拙者はあくまでも持論を申しただけでござる。そこにとやかく言われる筋合いはないでござるな」


「黙れ!! わしを愚弄するなど万死に値するわ。おぬしを生き返らせて転生してやるのはもうやめじゃ。おぬしなんぞ勝手に地獄に落ちるがいい。精々わしを馬鹿にしたことを後悔しながら地獄へ落ちるのじゃな」


 なんと大人げない神でござるか。拙者が少し自分の考えを言っただけでこの通りでござる。これでは、言論の自由なんてあったものじゃ内でござるよ。神が聞いてあきれるでござる。


「拙者の勘違いでござったよ。最初に見たときから神様のような気配を感じると思っていたのでござる。まさかその気配の正体がじいだったとは拙者、一生の不覚でござる。この通り反省してるでござるよ」


「適当なことを抜かす出ないぞ小僧が。いまさらわしをおだてても無駄じゃ。わしは一度決めたことを曲げたりなんぞせんのじゃ!!」


 拙者を転生させてくれるっていう話は決めてたんじゃないのかよ……決めていたのではないでござるか?

 まだまだ拙者も修行が足りていないでござるな。時折、口調がもとに戻ってしまうでござるよ。


「拙者は嘘何て付かないでござるよ。神様なら拙者のことくらいわかるでござろう? すぐにわかるはずでござる」


「なぜ、わしがおぬしのことを調べないといけないのじゃ? おぬしはわしの気分を損ねた時点で積みなのじゃよ。地獄へ落ちる運命なのじゃ」


「そこを何とか頼むでござるよ。拙者も既に心を入れ替えてるでござる。今では神様の敬虔なる信徒でござるよ」


「胡散臭いのぉ。おぬし適当なことを抜かしているわけではあるまいの?」


 このじいは相当疑り深いでござる。拙者の改心アピールをものともせずに拙者のことを疑い続けているでござるな。まずいでござるよ。こうしている間にも状況は悪化の一途もたどっているでござる。これ以上時間をかけているわけにはいかないでござるな。


「拙者はもう信じてくれとしか言えないでござる。でも悲しいでござるなぁ。拙者はこれ以上ないほどに神様を信仰しているというのにまったく信じてもらえないでござるからな」


「わかった、わかった。そう悲しそうな顔をするでない。わしも寛大な心で今回の件を水の泡にしてやろうじゃないか。もう一度すべて最初からじゃ。おぬしは最初からわしの信徒、それでいいじゃろう?」


「ああ、神様が俺のことを信じてくれるんだったらなんでも良いでござるよ。ひとまず、これで命の危険は回避したでござるか?


「そうじゃの。それが確定するのは今後のおぬしの態度次第じゃの。忘れる出ないぞ、わしはいつでもおぬしを地獄へ落とせるということをの」


 なんで最後に脅しなんて入れてくるでござるか? これでは、拙者が好きなことをして好きなように生きていくという人生設計は台無しでござるよ。


「神様、それで拙者を転生させてくれるっていう話を聞かせてもらってもいいでござるか?」


「おぬしを転生させるという話じゃがな。今日突然決まったのじゃ。おぬしがこれから死ぬ運命にあるということを読み解いたわしの携帯端末が暴走してじゃの。勝手におぬしをこちらに席へ連れてきてしまったのじゃよ」


 とんだポンコツでござる。

 拙者のことを見込んで選ばれたとかいうのでござれば、拙者も気分よく転生とやらができるというのものでござるのにな。


「これからおぬしには異世界で生活していくうえで最も大事なスキルを授けるのじゃ。スキルはどんなものでオッケーじゃ。あまりに突拍子のない話じゃが。わしとおぬしが戦うとなったらどんなスキルがほしいか考えてみるのもいいぞい。


「ほんとうにどんなスキルでも構わないのか?」


「言ったじゃろう。突拍子のないもの以外はすべてオッケーじゃ。おぬしが思う最強のスキルを選んでくれて構わんぞい」


 いきなり最強のスキルとか言われても困るでござるよ。とてもではないでござるがすぐには思いつかないでござる……そうでござる。さっきまで我が愛刀を使って戦っていたのを参考にすればいいでござるよ。敗因は何でござったか? 銃で拙者は殺されてしまったでござる。そう考えると、拙者が銃の玉すら一刀両断できる力があれば死なずに住んでいたはずでござるな。


「決まったでござる」


「早いのぉ。大抵のものはもっと悩んで必死に考えるものじゃが。まあいいじゃろう。おぬしが決めたというのじゃったらそれを優先するべきじゃろうからな」


「すべてを一刀両断することのできるスキルがほしいでござる」

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