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26話

 残念でござったな、あいつらも拙者にさえ出会っていなかったら今頃普通に森のモンスターたちを狩っていたでござろうな。これも全部自分自身の運がなかったということであの世で悔やむがいいでござるよ。


「師匠から見て、この町の上級冒険者たちはどう映りましたか? コブソンさんなんて世界に数名しかいないSランク冒険者何ですよ。ボンバーズトリオの三人もいずれはSランク冒険者になるだろうと言われるほどの実力の持ち主でしたからね」


 そのSランク冒険者に関してはサクッと殺しすぎて何の印象も残っていないでござるな。せめて、もう少し戦っていたほうがよかったかもしれないでござるな。

 三人組のほうも最後の女以外は瞬殺していることを考えたらやはり拙者の相手ではないでござるよ。歯ごたえがなさ過ぎてつまらなかったでござる。これでこの世界でも上位の実力の持ち主だということでござると、拙者はこの世界最強の武士ということになりそうでござるな。まさかこんなにも簡単にたどり着いてしまうとは、面白くないでござるよ。


「まあ、そこそこでござったよ。可もなく不可もなくといったところでござるな」


「流石です、師匠!! コブソンさんにそんなことを言えるのは師匠だけですよ。あの目にも止まらぬ剣舞は俺も憧れてますからね。実際、コブソンさんはこの町どころか王国の中でも指折りの実力者ですからね。近接戦闘のプロフェッショナルです」


「そうなのでござるか。拙者も基本的なスタイルは似ているから明確な実力差が出てしまったということでござるな」


「どういうことですか? コブソンさんと決闘でもしてきたんですか?」


「うーん、まあそんなところでござるかな。拙者の圧勝でござったが、割といい線行っていたと思うでござるよ」


 本当は全然よくわからないでござるが、瞬殺してしまったというのはあまりにやりすぎでござろう。

 それよりも拙者は何でこいつとこんなに話をしてしまっているでござるか? やってしまったでござるよ。話に乗せられて話し込んでしまったでござる。こいつと話すことなんて何一つないとか言っていたのに恥ずかしいでござる。


「すさまじい強さですね。俺も師匠が戦っているところを間近で見てみたいです。どうかお願いします」


「めんどくさいでござる。なんで拙者がお前のために戦わないといけないのでござるか? 意味のないことはしない主義なんでござるよ」


「そういわずに、俺も師匠のクエストに同行させてください。絶対に邪魔しませんから」


「そういう問題ではないのでござるよ。拙者が面倒だと感じた時点でもう無理でござるよ」


「なんでですかぁ……師匠の戦いぶりを見せてくださいよ。俺もBランク冒険者なんかで終わるつもりはありませんから。少しでも自分の実力向上につながれば思ってるんです」


 いや、拙者にそんなことを言われてもどうしようもないでござるよ。

 確かにその向上心はいいことでござるが、それを拙者が手伝うかは別問題でござるな。それに、こいつは知らないかもしれないでござるが、拙者の強さの大部分を占めているのはすべてを一刀両断するスキルでござるからな。見たところで、何も得るものなんてないでござろう。


 そういえば、レベルの件も聞いておいたほうがいいのではござらんか? 拙者としては、自分自身の正確なレベルを知りたいでござるよ。


「お前の頼みを聞く前にまずは拙者の頼みを聞くでござるよ」


「そうですね。俺ばかりお願いしてしまっていますから、師匠の頼みも聞くのは当然のことですよね。それで、何をすればいいんですか?」


「拙者のレベルを教えてほしいでござるよ。ちょっと森でレベルが上がりすぎてしまったでござるから、正確なレベルがわからないのでござるよ。何かいい方法はないのでござるか?」


「え? 自分自身のレベルですか? それなら、冒険者カードを見ればすぐにわかりますけど……はっ、そうですよね。師匠は特別な冒険者ですから基本的に冒険者カードなんて持って歩かないですよね」


 いい感じに勘違いしてくれてよかったでござる。拙者自身も行った後に今までの話と辻褄が合わなくなるんじゃと思ったところでござったしな。想像力がよすぎるのも問題でござるな。


「まったく困ったものでござるよ。こういう時に不便でござるからな。大体、拙者にも冒険者カードがあればいいのでござるが」


「難しいですね。俺も自分のレベルは冒険者カードで確認していましたから。そうだ、明日冒険者ギルドに言ってちょっとカードを借りるって言うのはどうですか? 新品の冒険者カードならギルドにたくさん置いてあるはずですよ」


「そうでござるな。その流れで行こうと思うでござるよ」


 一応候補として思いついていた体で返答しているが、こいつもまったく疑いを持っていないようでござるな。拙者が冒険者じゃないなんて夢にも思っていないようでござるよ。残念ながら、こいつが今教えを乞おうとしている拙者は冒険者でもなければ、この世界の住人ですらないでござるよ。それに、既に何人も人を殺してしまっているでござる。これは、不可抗力といったところではござるが、事実は事実でござるからな。


「それじゃあ、明日は俺がこの町の冒険者ギルドへ案内しますよ。師匠はまだ来たばかりでギルドの場所もわからないでしょ」


 ギルドの場所はわからないが、こいつと一緒に行くのは普通に嫌でござるな。これが、純粋な善意によるものだというのならば、断ることは難しいでござるが、少しでも拙者に強さの秘訣を教えてもらおうという下心が見えれば、問答無用で断るのでござるが。


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