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25話

 なんで拙者がストーカー男と一緒に温泉に入らないといけないでござるか? 誰でも拒否する状況だと思うでござるよ。


「そんなつれないですって、裸の付き合いをしましょうよ。そうすればきっと俺のことも理解して強さの秘訣を教えたくなるはずですから」


「絶対にならないから安心するでござるよ。もう十分温泉を楽しんだでござろう? 早く出るでござるよ」


「いやいや、俺もさっき入ってきたばかりです。だから一緒に温泉を楽しみましょう」


 話の通じない奴でござるな。

 これでは、ずっと話は平行線でござるよ。拙者は譲る気はまったくないでござるから、後はこの男がおれるのを待つだけになってしまうでござるな。はげしく時間の無駄でござる。こんなことをしている暇があったら、温泉に入りたいでござるし、早く寝たいでござる。こいつに割いている時間なんて一秒たりとも存在しないのでござるよ。


 もういっそ、ここで殺してしまおうか? ……ダメでござるな。そんなことをしてしまえばせっかくの温泉は血に染まってしまうし、死体を隠す場所もないでござるよ。はあ、もう今日は温泉を諦めて出るしかないのでござるか?


「師匠もそんなところに立ってないで、早くこっちに来ましょうよ。温泉気持ちいですよ。この町で数々の宿を渡り歩いてきましたが、温泉はこの宿が最高だと思ってます。入らないなんてもったいないですよ」


 うざいやつでござるな。

 今度は温泉で拙者をつろうとしているでござるよ。もうここまできていたらこいつにつられたわけでもないでござろうが、妙に悔しいでござるなぁ。もうどうせ、こいつと話しているでござるからちょっとだけ我慢して温泉に入るでござるかな。


「わかったでござるよ。その代わり拙者に近づいてきたら容赦しないでござるよ」


「えぇーー、わ、わかりましたよ。だから、そんな怖い顔で見ないでくださいって。せっかくの温泉が楽しくなくなりますよ」


「余計なお世話でござる」


 大浴場でかなりの広さがある浴槽の端っこに入る。

 これで、あいつとの距離もそこそこあるし、気にしなくてもすむかもしれないでござるな。


「師匠ーー、どうですか? この温泉最高ですよね?」


「気持ちよくはいってるでござるから、拙者に話しかけないでくれでござる」


「そんなひどいですって。もっと楽しく喋りましょうよ。師匠もこの町に来たのは初めてなんですよね? どうですか? この町について聞きたいことの一つや二つあるんじゃないですか?」


 確かに拙者としてはこの町どころかこの世界について聞きたいことがいっぱいあるでござるが、別にいまこいつに聞く必要はないでござるな。後々解決していけばいいでござるからな。


 ふぅ、やっぱり温泉も最高でござるな。ほどよい湯加減に何とも言えないこの泉質。詳しいことはわからないでござるが、疲れが取れていくような気がするでござるよ。他にも効能がいろいろあるって言っていたでござるから、毎日入っていれば拙者の肌もつるつるになってしまうかもしれないでござるよ。


「お前に聞きたいことはないでござるよ」


「それは嘘ですよね? この町の冒険者事情とかも気にならないんですか? 師匠は凄腕の冒険者何ですよね? というか、師匠の冒険者ランクって何なんですか?」


「秘密でござる。拙者の冒険者ランクは軽々しく口に出していいものではござらんよ」


「それはもう答えを言っているようなものじゃないですか。Sランクってことですよね? でも、Sランク冒険者といえば、誰しも有名人で俺が知らない人なんていないと思ってたんですけど……まさかSランク以上のランクが存在しているとかじゃないですよね?」


 勝手に勘違いしてくれているでござるが、拙者はまだ冒険者ですらないでござるよ。

 森で遭遇した冒険者と、森の入口で遭遇した三人組はAランクパーティとか行っていたでござるな。一人のほうもAランクなのでござろうかな。


「そういえば、森の入口でAランクパーティと森の中で一人で活動している冒険者と出会ったでござるが、そいつらは強かったのでござるか?」


「お、やっぱり気になることがあるんじゃないですか。えーとですね。Aランクパーティのほうは、確かボンバーズトリオっていうパーティだと思います。三人でAランクパーティとなるとその方たちでしかいないですからね」


 確かそんな感じの名前だった気がするな。でも殺しちゃったからなぁ。迂闊に聞いてしまった感があるでござるな。でもまあ、あの森は危険だと言っていたでござるから、モンスターに襲われて死んでしまったことにすればいいでござるな。


「ソロの冒険者は間違いなくこの町唯一のSランク冒険者である、コブソンさんですね。この町最強の冒険者ですよ。師匠はそんな方たちといきなりあってるなんて幸運ですね」


「そうなんでござるか。まあ、あの森で出会ったことでござるから、無事だといいでござるな」


「大丈夫ですって、あの方たちなら大丈夫ですよ」


 まあ、もう全員死んでるんでござるがな。


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