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18話

 すごい、すごいでござるよ!! こんなに全力疾走しているといのに息すら切れないでござる。既にかなりの距離を走破しているはずでござるが、ものの数秒しか経っていないでござるよ。しかし、人間が全力疾走できる距離の限界はとっくに超えているはずでござる。レベルアップした拙者にはもはや限界という言葉はないでござるな!!


「これならすぐに着くでござるよ。待ってるでござるよ!!」


 スピードを一切緩めることなく、疾走していく。

 すさまじいスピードの余波で周囲の木や、地面がめくれあがっているでござるな。まあ、拙者には何一つ関係のないことでござる。


「あれは? ……もしや、もう町へ見えてきたでござるか? 我ながら自分の脚力を舐めていたようでござるな。まさかこんなにもすぐに町へついてしまうとは」


 スピードをゆるめ、町へこのまま突撃してしまうのを阻止する。


 流石にこのままのスピードで突っ込んでしまえば、待ちにも甚大な被害が出てしまうことでござろうな。拙者ももしかすると怪我をしてしまう可能性があるでござる。できれば、自分自身は痛い思いはしたくないでござるよ。


 誰かに見られても面倒なので、町の少し手前で完全に一度停止する。

 これで、普通に歩いて行けば誰からも怪しまれることはないでござろう。後ろを振り返れば、地面が大変なことになっているのでござるが、あくまで知らんぷりで行くでござるよ。拙者は気が付いていないことにするでござる。


「それにしても、異世界の町というのは壁に囲われているのが普通なのでござろうか? それとも、ここが特別こう言う作りになっているのでざろうかな」


 肉眼で見る町は、大きな壁で周囲を覆われており、ここに町があるという事前情報がなければきっと拙者はここが町だと判別できなかったでござろうな。ここから見れば、ただのでかい壁でござるよ。


 なんでこんな大きな壁を作っているのでござろうかな。適当に人間を捕まえて聞いてみることにするでござるか。今度はカッとなって殺さないように気を付けないとこんな町のすぐ近くで殺人を犯せば、流石にバレて掴まってしまうでござるよ。でも、いざ捕まるとなったら、ここにいる人間を全員殺して逃げるでござるがな。


「まずは何からすればいいでござるかな。最初は金を集めるところから始めるでござるか? あそこで見栄を張らずに金を貰っていればここでは何も考えずに町で遊べたでござるのにな。まあ、そう簡単に行くことでもなかったでござるが、金がないのはすごくひもじいでござるよ。


 こっちの世界に来てから自分のしたことを後悔してばっかりでござるよ。こんな調子じゃダメでござる。自分のしたことに責任を持つでござるよ。これもきっと今後につながるはずでござる。何も後悔することなんてないのでござるよ。


 頭を切り替えて、町へと歩き出す。

 あそこに見える、門が入口でござろうな。これくらいのことは見れば拙者にも理解できるでござるよ。


「あれ? あんたどこから現れたんだ? 今、急に出てきたように見えたけど……それと、すごい突風も、え?」


「もしかして拙者のことでござるか?」


「ああ、俺が今歩いてたときには目の前にいなかったはずなのに、一瞬瞬きをした瞬間に俺の目の前を歩いてるなんておかしいだろ。瞬間移動とか、超高速移動の使い手なのか?」


「お前には見えなかったのでござるか? それは、仕方のないことでござるよ。拙者は既に人間を超えた力を手に入れているのでござる。拙者の動きが目で追えないのも無理はないでござるよ。それだけ、拙者の動きが素早いだけのことでござる」


 いきなり絡んできたと思えば、まさか拙者がちょうど止まったところを歩いている男がいるとは……もっと確認して止まればよかったでござる。しかし、こいつもよく吹き飛ばされずに平然としている者でござるな。やはり後ろを見ても地面がめくれあがっているでござる。なのに、この男は平然とした表情で立っているでござる。不可解でござるよ。


「あんたも冒険者なのか? ここらじゃ見ない顔だけど、さぞかし高名な冒険者何だよな?」


「違うでござるよ。拙者はこれから冒険者になろうとしてやってきただけの一般人でござる。何も強いなんてことはないでござるよ」


「いいや、この俺が動きを見きれないなんてそうそうあることじゃないんだよ。隠したって無駄だぜ? 実はほかの待ちから引き抜きに来たギルド所属の冒険者何だろう? 俺の目は誤魔化せなぇぞ」


 なんか勝手に勘違いしいるでござるが、放置して話を合わせてみるのもおもしろそうなので、敢えてすべて乗っかってみるでござるよ。


「バレてしまっては仕方がないでござるな。そう、拙者はこの町へ引き抜きに来た別の町所属の冒険者でござるよ」


「やっぱりそうだったんだな。怪しいと思ったんだよ。俺の動体視力ですら終えずに、目の前に現れるなんてただものじゃないだろうって俺の危険センサーが鳴り響いていたところだ」


「拙者は上級冒険者しか立ち寄らないという森へ単身突出してきた猛者でござるよ」


「何? そんな命しらずなことをしていたのか? あそこは俺ですら、パーティーが組めたときにしか足を踏み入れない危険な場所だぞ? それを一人でなんて死にに行くようなものだぜ。でも、実際に生きて帰ってきているということは……」


「ああ、お前の考えている通りだ。拙者はお前らの強さとは一線を画す程の力を持っているでござる。あの程度のモンスター相手にも成らないほどでござるよ」


「あ、ありえねぇよ。まさか、別の支部にはこんなすごい人がいるなんてな。俺もまだまだ世界を知らない小物だったってことか」


 そろそろめんどくさくなってきたでござるな。

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