11話
今しがた拙者が立てた仮説はおそらくあたっているでござろうな。渾身の一刀両断で木を切り倒したのはまったく関係なく、その過程で殺した動物たちが拙者のレベルを上げたのでござる。
「意図せずに、自分自身を強化してしまっていたというわけでござるか。拙者としたことが、これ以上強くなるなど反則にもほどがあるでござるよ。この世界で生きていく上で既に必要ないほどの強さを手に入れているでござるのに、さらにそれ以上の力なんて……過剰でござったな」
しかし、レベルが上がってしまったのはもう仕方のないことでござる。今からレベルを下げる方法なんて存在するとは思えないでござるよ。筋トレと同じように何もせずにさぼっていれば勝手に筋肉が落ちていくわけでもござるまい。戦闘をしなかったところでレベルが衰えていくなんて考えずらいでござるからな。
一応、確信を持つためにもう一度試しておいたほうがいいかもしれないでござるな。適当に斬撃を飛ばせば狼の一匹や二匹くらいはいるでござろう。ちょっとレベルが上がってきていて、なかなか上がりずらくなっているかもしれないでござるが、少しくらいなら上がるでござろう。
またもや、必殺の一撃を放つために力を溜める。
「レベルアップした拙者の力を見るでござる!! っせぇぇいいーー!!」
ズババババァァァァ!!!! ゴゴゴゴゴーーーー!!!! バキバキバキィィーー!!!!
すさまじい轟音を立てながら拙者が放った斬撃は森の奥へ奥へと進んでいき、やがて見えなくなった。
間違いなく、三回打った中で最高の威力でござるよ。これもひとえに、レベルアップしたことによる恩恵でござるな。レベルアップするだけでここまで自分が強化されてしまうとは末恐ろしいでござるよ。この調子でレベルを上げていくことができるのなら、拙者はすぐにレベルがカンストしてしまうでござるな。
【レベルアップしました】
【レベルアップしました】
【レベルアップしました】
「おお、きたでござるな。うまく、動物たちを屠った見たいでござるな。動物たちも拙者の貴重な経験値になれることを喜んでいるでござろうな。尊い犠牲でござるよ」
かなりの広範囲に渡って斬撃を飛ばしていることもあり、相当なレベルアップしたでござるな。これではまるで、チュートリアルで無限にレベリングをしているみたいではござらんか。こうしてばっかりはいられないでござる。早く、物語を進めていかなければ拙者のレベルアップも、すべてを一刀両断するスキルも意味を持たないでござるよ。きっと、拙者がこのスキルとレベルアップを手に入れたことは後々意味をもってくるはずでござる。そこまではサクッと進んでいくでござる。
【レベルアップしました】
【レベルアップしました】
【レベルアップしました】
まだレベルアップが続いているでござるよ。これは、とてつもない数の動物たちを屠ったのではないでござるか? 少しレベルが上がりすぎているでござるよ。ずっと数えているでござるが、もう20レべは上がっているでござる。最初と二回目を合わせて50レべは上がっているでござる。そうなると、この世界の最高レベルは100ということはないでござろうな。こんなにも簡単にレベルが上がってしまうわけがないでござるよ。
このれべるの上がり方から予測すると、この世界の最高レベルは軽く一万をこえているでござろう。もしかすると億まで行くなんてこともあり得るかもしれないでござるよ。あの弱そうな狼を倒しただけでレベルは上がっていることを考えると、拙者の予想はあながち間違ってはいないでござろうな。
「やっとレベルアップが終わったでござるな。うーむ、どこかで現在のレベルとか確認できればいいのでござるが……」
生憎、この世界のことは全くの無知でござるから、どこでどうすればレベルを確認できるのか見当もつかないでござるな。そもそも本当にレベルを確認する方法があるのかもわからないでござるよ。これは一度この世界の情報を手に入れないとまずいでござるな。今度もずっとこのまま過ごしていくわけにはいかないでござる。
ひとまず、町をめざすという目標は変わらないでござるが、適当な人を捕まえてこの世界のことを説明してもらわなくちゃいけないでござるな。拙者の手刀で脅せば、ただでいろいろな情報を教えてくれるはずでござるよ。大体、この世界では当然のことばかり聞く予定だから、お金なんて取られないと思うでござるが……。
「そういえば拙者、この世界のお金も持っていないでござる……これは由々しき事態でござるよ。本当にまずいでござる。お金がなくては何をすることもできないでござる。当然、宿にも止まることはできないでござるし、ご飯も食べることはできないでござる」
拙者としたことが、お金のことをすっかり失念していたでござるよ。拙者がどれほど強力なスキルを持っていようが、お金を持っていなければあ何の意味もないでござる。お金はどんな世界でも共通で一番大切なもののはずでござる。
「どうでござる、ここは道行く人に快くお金を恵んで貰うのが一番でござるな。拙者の斬撃を見れば、すぐにお金を出してくれるはずでござるよ。平和的な解決方法で完璧でござる。




