第二話 地上に戻る
昔話や流人の経験談で話が広がり時が流れ
創造神と流人の仲も親しさが感じられる様に・・・
創造神に対して怯えず、うろたえもせずに普通に接する流人に
るーしぇは不思議と感じているが、創造神は初めて対等?な会話が嬉しく♪
また流人が差し出した食べ物にも・・・
「それにしてもこの美しい緑色の飲み物」
「玉露ですか?」
「おおぉ玉露と申す飲み物、甘みと奥深い香りがよいのぉ♪」
「(笑)」
「創造神様♪ 私はこのどら焼きが甘くて堪りません♪♪」
「どこの神殿でも甘味は限られておりますからね♪」
「そうなのじゃ! 果物と乾燥果物・・・果実水くらいだから」
愛嬌のあるルシファーに流人の怒りも静まり
茶会の仲間に入り菓子を頬張っている姿が楽しい♪
たまに下界を眺める流人に創造神が自慢をする・・・
「自慢ではないがのぉ、
この広さと多種族の多さは他の創造神にも自慢出来る規模だ♪」
「確かに私の経験して来た世界のどれよりも広大ですね?」
「そうじゃろ♪ そうじゃろ♪♪」
「大地からの力も強く感じ取れますし豊かな土壌と資源なんでしょうね?」
「うむ♪ 創る時にのぉ 何よりも大地に力を蓄えたからのぉ
豊かな大地があれば多くの生物達は豊かに暮らせる筈だからのぉ♪♪」
「流石にございます創造神様♪」
「ほぉ♪ほぉ♪♪」
「然し 一層気になりますね・・・」
「!!人族か?」
「はい・・・。」
豊かな大地は潤沢にあるのに独占欲が強く優越感を抱きたいのか?
同種属で上下を付け階級を分けて差別する。
「どこも同じですがこの世界でも人は醜いですか・・・(汗)」
「私など何度排除する様進言致したことか!
人の属欲はゴブリン以下ですよ!」
「確かに・・・」
「おや? 同族であろう擁護しないのか?」
「(笑) そうでしたね(汗)」
G並みの繁殖力にゴブリン以上の醜い欲望は流人も嫌っていた。
「あの国は?」
「あれは・・・」
自ら神を作り出し自分達を神の使徒として自称して
他国へ無理難題を吹っ掛けては侵攻の口実として攻め!
村や町を破壊しては民を奴隷として蹂躙し続けている最低の国だと説かれた。
「酷いですな!」
「流石に神族達も目に余ると思うとる様だがのぉ」
「火の神と大地の神が眷族を率いて粛清を行うとか?」
「そうすれば罪なき多くの者達も命をなくすであろうのぉ・・・」
「なるほどね・・・神ではなく同族で解決すべきですか?」
「うむ・・・」
「私が行いましょうか?」
「なに?」
「そろそろこの場所にも飽きて来ましたから♪
地上に降りて生活を続けたいと考えていたんですよ♪♪」
「そうか・・・降りるのか・・・」
「此処は神族の世界、人が長居する場所ではございませんから(笑)」
「たしかにのぉ」
話が纏まり別れを惜しんでいると初めて6属神の神々が姿を現した!
「おや♪ 初めまして(笑)」
まずは末妹が取り返しのつかない大罪を犯した事を詫び
この世界を管理する立場である自分達の代わりに大義を行う事を感謝された。
「大儀と言って頂けると嬉しいですね♪♪」
「地上には信託として全ての者達に其方の正当性を伝え様」
「その上で其方に神の使徒の称号を与えたい」
「・・・お気持ちは嬉しいのですが・・・(汗)」
「流人に使徒の称号は付かぬ!」
「「「「「「なんと! 創造神様?」」」」」」
「流人には流人の信仰する神がおるのじゃ!
その神が使徒と認めぬ限りワシが授けても無理なのだ!」
「そうか! 異世界の住人であった!」
「忘れておった」
「「「「どうするのだ?」」」」
「正当性だけ伝えて頂ければ無用に争いに巻き込まれる事も無いでしょ?
お願い出来ますか?」
「・・・引き受けた!」
「そなたがそれでよいのなら・・・」
「それじゃ・・・あっ! みなさんお揃いなので如何でしょうか?」
流人が多量の甘味と飲み物を感謝の気持ちとして残して地上に降り立った!
歴史上創めて下界の生き物達が
自分達の神である創造神や6属神の声を聴く!!
「頭に直接伝わって来る声は誰なのだ?」
「恐ろしく歓喜に沸くこの感情は・・・何故声を聞いて涙が出て来るのだ!」
「本当に神なのか? 神は存在したのか(汗)」
「どうする! 我らの事であろう(汗)」
「皆の者! 信じるではない! これは穢れ!悪の声だ!」
「「「「そうだ! 悪の声だ! 聞くでないぞ!」」」」
竜人属やエルフ属、ドワーフ属や天空人属、獣人属に魔人属等々が
涙を流し跪き声の主に敬意を示している中、人属だけが・・・
それでも多くの大国は震えながら怯えながら声に従いひれ伏していた。
多くの国がひれ伏している事に安堵した流人!
これから処する者達が少しでも慈悲を述べるのであれば深く後悔すると思ったが、
保身に必死な身分の高い物は悪の声と叫び
救うべく奴隷達は現状に失望して希望を捨てていた。
「本当に感謝します 我が主、対極神様!」
処する王国の領地を金色の光が取り囲み包み込む!
「バースト!」
暗黒の黒い炎が包まれた内部を全て焼き尽くす!
偽りの神国に怯えていた周辺国、
その民達が怯えながら想像を絶する光景を目に焼き付けていた!
「この後・・・この跡地どうしましょうかね(汗)」
流人が暮らしていた前の世界では大国と呼ばれていた国より更に大きい広さを
七日間かけて全てを焼き尽くし全ての生命を処した。
「わっ! わわあああぁぁ~・・・・!」
「!! るーしぇ?」
「痛ったたたたあぁ」
「馬鹿ものが!」
「「「あの子落ちちゃったじゃない!」」」
「あのおバカ!」
「「どうするのよ(汗)」」
神が地上に降りる事は恥であり、ありえない行為である!
「なにしているんですか? (汗)」
「痛ったたあぁ・・・(笑) ちょっと覗き過ぎちゃった(汗)」
「覗き過ぎたって(汗)」
急いで神殿に帰ろうとするが帰る事は叶わない
現実を理解して涙ぐむるーしぇに掛ける言葉が見つからない流人・・・
「初めてですよ? 神が地上に堕落したのを見たのは♪♪」
「うぅ・・うぅ・・」
「流人よ!」
「なんでしょうか創造神様?」
「堕落したとは言え我が神族、面倒を掛けるがよろしく頼む!」
「頼むって・・・(汗)」
「流~人w」
「分かったから泣かないの?」
「・・・すまぬ、 よろしくw」
「こちらこそ♪ るーしぇ♪♪」
「流人♪」
「どうしましょうかね?」
「なにをだ?」
「生活する場所ですよ?」
るーしぇの身体が光! そして・・・
「これは!」
「末妹よ!」「我等からの餞別じゃ!」「地上を頼むぞ!」
「ドジなんだから!」「流人に迷惑をかけるなよ!」「(笑)」
6属神から其々の力を授かり創造神様から大量の資源を受け取ったるーしぇ
更に名が!!
[名前] ルーシェ :堕落神
[スキル」
完全六属性魔法・創造神の加護・神眼・創造
[解説]
不注意で地上に落ち堕落神となった神族
見た目は人属に似てはいるが基本能力は神なので発する力は絶大
流人をこの世界に呼び込んだ張本人である。
「ルーシェ! ステータスを見られない様に隠せますか?」
「ステータス? おおぉ こうかな? どうだ?」
「はい、見えなくなりました♪
一つだけ忠告しておきますよ?」
「おぅ?」
「私達、
異端児は色々と巻き込まれますから出来るだけ大人しくね♪」
「大人しくって! これをやった張本人であろう(汗)」
「(笑)」
超高熱で陶器化した大地、日差しを浴びると反射し光っている(汗)
「これでは・・・農作物も作れませんね(笑)」
「笑い事か?(汗)」
「(笑)」
周囲を見回すと結界を張っていた内部は外部に比べて数十センチ沈下している
「その厚さ分が焼き堅められて陶器化したんでしょうかね(笑)」
「・・・恐ろしい魔法じゃな(汗)」
「(笑)」
流人が所持品の中から巨大な真っ白なタイル状の板を大量に取り出す!
「私独りで整地して行くのは大変ですね(汗)」
「流人! 私に頼るなよ!」
「出来ない者に頼ると作業が増えますから(笑)」
「出来ないのではない! やった事が無いのだ!」
すると地面に置いてあったタイルが消えてそのタイルで道が出来ていた!
「なるほど! 意図が分かれば創造神様のお力で♪」
「ほぉ♪」
「流人次はどうするのだ?」
「なるほど便利ですねルーシェ♪」
「どうだぁ見直したか?」
「はい♪」
タイルを敷いて道路を建設してそれをコンクリートで固めて道を造り
道の周りに色の違う赤い土を焼き固め煉瓦としてそれで外壁を造り、
内部に豊かな土壌を敷き詰め植物を植える!
「おおぉ♪」
「こんな感じで庭を造って行きますよ♪」
「了解した♪」
怯えていた周辺の国々から様子を探る為に大勢の調査隊が流人達の
人とは思えぬ作業を見て・・・一層怯えていた。
「神の降臨か?」
「輝く大地に草木が生えてゆく・・・奇跡だ!」
「どの様に報告すればよいのだ?」
得体のしれない声に怯え、その声の通りに大国が一つ消滅した!
戦などではない金色の神のオーラに包まれ暗黒の炎が全てを焼き尽くす
そんな光景を目撃した人達が、流人達の存在に早くも怯えていた・・・。
「流人! もっと大きい方が好きだぞ!」
「もっとですか? 大きくしましょう(笑)」
流人とルーシェの二人だけっと言う事を気にせずに
数時間後には大都市が完成していた!
城壁や監視塔などは無い真っ白な道に赤い煉瓦が縁石を覆い、
多くの植物達が生い茂っている!
数時間前の現状を知らない者達なら
森林深くを切り開き道を開拓した様にも見える美しい風景がたった数時間で
「夢でも見ているのか?」
「なんなのだ?」
「魔法なのか? 魔法だよな?」
平坦に焼き尽くされていた大地に自然の傾斜が造られ、
高台に建つ大きな邸宅は見た事もない形をしている
「ガラスか?」
「強化ガラスって言いましてね♪
石などをぶつけられても割れないんです♪♪」
「石?」
ルーシェが大岩を取り出して思いっきり投げつける!
「おおぉ♪ すごいなぁ♪♪」
「(汗) 試すにもほどほどでお願いしますね?(汗)」
「おおぉ♪♪(笑)」
流人の世界では西洋風と言われる宮殿の様な外観はこの世界では珍しい様だ
「初めて見たよ」
「そうなんですか? 個人的には和風が好きなんですけどね♪♪」
「なぜ和風とやらにしなかったのだ?」
「道や植物に合わない様な気がしましてね、今回は西洋風に致しました(笑)」
「そうか♪ 私は気に入ったぞ♪♪」
「残りの土地はどうするのだ?」
「そうですね・・・植物を植えて精霊達に管理して頂きましょうかね♪」
「精霊か? 分かった♪♪」
ルーシェが土属性の召喚魔法を使いノーム達精霊を召喚!
「この土を分け与える! 輝く大地を植物で埋め尽くすがよい!」
「「「「ムー♪♪」」」」
ルーシェから豊かな土を受け取り大地に巻いて耕し種を捲いて水をあげ
育てた植物には上位種の精霊達が宿り相乗効果で大森林が形成して行く
植物が育ち精霊達が宿ると自然と何処からか鳥や小動物や現れ
鳥の鳴き声が癒され自然の生態系が完成した。
「へぇ、この世界にも普通の動物がいたんですね♪」
「当然だ! 創造神様は多種多彩の生き物を御創りになられておるからな♪」
4属性の精霊達が次々とルーシェの召喚に応じて移り住み
湖を造り外灯を灯し風が穢れを払い清めている。
周辺の国の偵察隊が戻り報告を受けた王達が、
勅使を流人の下へ向かわせる頃には想像を超えた大精霊王国が誕生していた!