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神様、僕は。  作者: LUNA
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日の照る国

ここはクヒラ王国。

太陽を神と崇める砂漠の王国。


昔は、空から水の粒がたくさん降っていて、緑の草木が生い茂り、食べ物も豊かだったと聞く。

でも、約200年前から急激に水が干上がり、草木も枯れ果て雨も降らなくなったのだという。

そして、国は廃れていき、王族も国民を

粗末に扱うようになっていた。


大サソリの狩りをみれば分かるように、

あれには常に死が付きまとう。

しかし、給料はほとんど出ず、あのサソリも分けてもらえない。

全部、王族の元へと行ってしまうのだ。


これ以外にも、王族の悪いエピソードは山程

あるが、ここで一旦辞めるとする。

言いたいのは、「クズみたいな環境」だと

いう事だ。この国を出るとしても、あとはもう砂漠しかない。


こんな環境で、【生きている】とは言えない

状態でただ生きるというのは、あまりにも

辛すぎる。オーゼンも「早く果てて楽になりたい。」と思うものの、死ぬのも簡単じゃない。

死ぬ為には、様々な過程を経て渇きや飢え・

痛みと共に逝かなければならないからだ。


オーゼンは悪運が強いらしく、簡単には死ねないみたいだ。そもそも、どうしてこんなにも苦しんで生きなければならないのか分からなかった。


「何をボーッと突っ立っている!

こんなんじゃ、王族へ捧げるには足りないぞ!

もっと食料を探せ、ホラ!」


無意識に何もない砂漠を見つめていたから

だろうか。見張り番が持っていた鞭を僕の体に激しく打ちつけた。

打たれた箇所が燃えるように熱い。

痛いのか熱いのか、どっちなのか分からない。

いや、どっちもなのだろう。


オーゼンは、昔飼っていたノロマなロバを思い出していた。あのロバもこうして鞭で打っていた。


「早くしろ…と、言っているん…だっ!」


見張り番に急かされ、僕は背中の痛みに苛立ちながら、再び探索に探索に戻る。


相変わらず、チームの奴らはヘラヘラと笑っており、僕など目に入っていないようだった。


オーゼンは、腹の底から沸き上がる嫌悪感を

必死に隠して、槍を握りしめた。




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