表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神様、僕は。  作者: LUNA
1/9

囚われの少年


「もう殺せ!殺してこの地獄を

終わらせてくれー!」


己の骨壷に、己の魂を吐き出す。

響く振動で、僕の入れ物を支えてくれていた

骨達は、「カタカタ」と音を立てた。


まるで、笑っているようだった。






※「来たぞ、大サソリだー!」


その声に少年は身構える。

両手に持っている槍をしっかりと握りしめ、

仲間と連携しながら、そいつが来るのを

待った。



そいつが来るのはすぐ分かる。

追い詰められたサソリは慎重さを欠いている

から、大きな体が地中を進んで来るにつれ、

乾いた大地が「ゴゴゴゴゴ…」と蠢くのだ。


そして、ついにそいつが砂の中から

「ガバッ」と姿を現した。


硬く黒光りする外皮を身に纏い、

大きく鋭いはさみ・先端が鉤状になっている、

大きく持ち上げられた毒の尾。

その大きさは、約5メートルといったところか。


なかなかお目にかかれない大サソリを

前に、皆興奮している。


しかし、気を付けなければならないのは

油断していると、すぐにあの大きなはさみで

人間を切断して、よく動く口でムシャムシャと

喰われてしまう事だ。


尾も危ない。あの大きさだから、毒の前に、

串刺しにされたら原型すら残らないだろう。


「囲めー!」


皆、奇声をあげながら大サソリを追い込んで行く。

ある者はジャンプをしながら、ある者は転びながら、テンション高く追い込んでゆく。


その中の一人が、笑いながらサソリに喰われた為、そのすきに皆でサソリを串刺しにし、

ようやく倒す事が出来た。


皆、大喜びしながら勢いよくナイフで

サソリを細切れにしていく。


しかし、少年オーゼンは素直に喜ぶ事が

出来なかった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ