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たつがみ  作者: まよいひと
13/16

まつり

「いやぁ、いい秋空だなぁ」


久々の登校で龍也は舞い上がっていた。緊張感がなさすぎる様子に心配してしまう。これからどんなことが起こるかも知らずに…


「バカヤロー!!とっくに二学期は始まってるわい。いままで何してたんかな〜!?」


只今、九月後半にさしかかるあたり。衣更えの季節である。文化祭を来週に控え準備に忙しい盛りである。


「えっと…ですねぇ…先生聞いて欲しいんですが……」


そう、サボりだ。しかも猫ちゃんが可愛くて学校を忘れていました。家でがっつり猫ちゃんと遊んでやがりました。


「夏休み初日にですねぇ…家族で旅行に行ったんですがねぇ、父親が無計画なもんでサバイバルになっちゃいまして傷を癒してましてぇ…。あー、なんですかその『うそくせ〜』って目は?本当ですよ、家族揃ってダウンしてましたから」


本当っぽいことを言っているが、あえてもう一度。

猫ちゃんと遊んでいて忘れてました。修行で負った傷など超人的な身体と竜の技で一日寝てれば治りましたよ。


「ほ〜、一家全員ダウンね〜。零奈さんは家族でないのかい?」


ミステイク!龍也は零奈が出掛けても修行だと思ってたらしいな、様子を見ると。馬鹿なやつ。毎日制服で同じ時間に出掛けてりゃ、わかるだろ。


「まぁ、いい。なんたってもうすぐお祭りだからな!」


いいの?

あっ、龍也さんいま『ニヤッ』ってした!?

確信犯だな。

絶対に担任の先生の性格を利用してずる休みしてたな。

この学校祭というどうしても盛り上がらずにはいられない時期に追及するのもめんどくさい言い訳をされたら誰だってどうでもよくなるわなー。


「しゃー!、やるでー!今年のクラス賞はうちらがいただくでー!」

「…………先生、へんな関西弁になってます……」




この学校の学校祭は中等部と高等部が併設されているのを売りにして、中等部、高等部の同じクラス(中等部の一年一組と高等部の一年一組)といったように2クラスが合同で一つのお店を出す。

学校祭は三日間続き来場者の投票を最終日に発表しクラス賞が決まる。



とりあえず龍也は教室へ向かう。教室には必要最低限の机と椅子しかなく、みんな床に腰をおろしていた。

みんなと少し話していると先生が入ってくると


「それじゃ、時間もないしテキパキいこうか!

おーい、入っておいで」


ドアを開け高等部の生徒が入ってくるが…


「こちらが今年一緒にお店をやる高等部のみんなだ。迷惑かけんなよー」


「それじゃ、お世話になります」


そういって、先生は教室を出て行った。基本先生は口出し無用。生徒でなんとかしろがモットーなこの学校祭。

高等部の生徒の責任感を養うとかいいつつ先生達は学校祭が終わるまでの二週間、登校はするがほとんど完全オフだ。


「それでは、今日は午前中にお店の内容を決め、午後から作業に移ります。先生も言ったように時間がないので協力してやりましょう」


段取りよく話を進めていく高等部の学級委員長。

だが、たくさんの生徒に埋もれて見えなかったが奥には、よく知っている人物が…………


「………あ、姉貴」


小柄な身長のせいで見えなかったが確かに零奈だ。

そして当の本人は驚いた様子もなくなぜか満面の笑顔。


たぶん新学期が始まる前にはすでにわかってたんだろうな。




「零奈〜、やけに楽しそうじゃない?」

「だって、やっとの学校祭だよ。一年前から楽しみにしてたんだもん」




………………………。



「ルンルンルン!あっ、ほらりゅうくん間違ってるよ〜」


あからさまな鼻唄を歌いながらやたらと龍也の近くにいたがる零奈。皆が見惚れてしまう容姿は龍也のためだ。すらっとしたしなやかで艶のある身体と小さくはない胸に整っている顔、護ってあげたくなる存在は皆の視線を集める。そんな美少女が熱い眼差しを送る龍也君にも。

よく地球上の半分(男を指す)を敵にまわすとか言うが、この場合中身まで超いい人な零奈さんを射止めるとゆうことは地球上全てを敵にまわすことになるようだ。

そんな『頑張れ!』って応援したくなっちゃう龍也は皆の視線に気づき実はもっと一緒に居たい存在の零奈から離れるために買いだしの役をかってでる。


「あっ、ほんと?助かるわ!でも一人じゃ大変だと思うから…誰かひまな人は…?」


零奈が凄い眼で委員長を見ているがさすが委員長。その視線をするりとかわす。


「じゃあ、監督の意味も込めて高校生から………」


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