表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
たつがみ  作者: まよいひと
12/16

ねこちゃん

すいません。いろいろと忙しく更新できませんでした。

「やっと着いた」

地図にない所からの帰宅は長すぎる道のりだった。

どうやら気を失った後に違う場所に移されていたらしい。

そこがまた秘境というにふさわしい場所で猛獣との格闘の末の帰宅だったのだ。


「なんで違う世界の生物と戦わなきゃならないんだ!」


この世界では見たことのない生き物達がそこにいた。


「二足歩行の熊とか聞いてねぇし」


龍也から永遠と出てくる不満の声。

そんな声に苦笑いながらも実家との決別ですっきりした表情を見せている一。

二人は家のドアを開くと同時に身構える。

飛び出してくる自分達の奥さんを避けるために。


………………


なにも飛び出してこない。

不思議に思いながら家のリビングへ入ると、


「何、それ?」

「「猫!」」


リビングには二人と二匹。綾香、零奈、真っ白と真っ黒な猫達がいた。


「どうしたの?」

「拾ってきた!」


白い方はうっすら汚れていて黒い方にも小さなゴミがくっついている。

黒い方はぐったりしていて元気がなく白い方は毛を逆立て牙をむいて精一杯の威嚇をしているが、やはり元気がない。


「元気がないね。ごはんは食べないの?」

「さっきからやろうとしてるんだけど食べないし、触ろうとすると怒るの」


白い猫が黒い猫を護るように前に立ちはだかる。


「うーん。少し体が汚れているけど毛並みの綺麗な猫だなあ」


そういって床に寝転がり猫と同じ目線から猫を覗き込む。

猫は戸惑っているようだがどうしていいか分からないようで威嚇し続けている。

うるうるしたみずみずしい瞳に少し汚れているがつやつやした毛並み。思わず見とれてしまい引き込まれそうな容姿にため息がでるが、


「まぁ、目の前に置いておけばいずれ食べるよ」

「でも………」

「でもじゃないでしょ。やっぱり見られてると食べづらいだろ。ほらっ、どっかいこう」


そういって二階へ上がって行った。零奈、綾香も心配ながら渋々ついていく。




夕方、零奈と綾香が修行で出掛けるため家の事を任された龍也は猫達がどうなったか気になり見に来ていた。


「んっ?器しかない。ちゃんと食べたっぽいな。いやー、よかった。

でもどこに行ったんだろう?」


昼に猫達がいた場所には、特盛にされた器のかわりにからの器があったものの猫達がいない。

しかし汚れた猫達の歩いたところにはしっかりと足跡が付いていた。

それをたどっていくと陽の当たる縁側で二匹寄り添って眠る猫達がいた。満足そうな寝顔はずっと見ていたいほど可愛いものだ。


気持ち良さそうに眠る猫をしばらく眺めた後、夕方になると半袖では肌寒さを感じる外を心配して音をたてないように窓を閉め、上の部屋から薄いタオルケットを持ってきた。


「持ってきたはいいけど、このままかけたら確実にタオルケットが汚れるな」


少し考えた結果、やっぱり洗うのが一番早いとゆう結論に達し、新たにお庭に作れるプールに空気を入れお湯を張る。その間にタオルを数枚持って来て、準備万端で猫が起きるのをまつ。


しかし待たずさて猫が目を覚ましたが、龍也とプールがあることに驚いたのか目を見開き後ろに下がり距離をとってしまう。


「どうしたの?ほら、身体を綺麗にしよう」


しかし、言葉を聞くやいなやまわれみぎをして逃げ出してしまった。


「あっ、こら!」


龍也も追いかけ出すが、ご飯を食べて睡眠もとって元気一杯の小さな猫は捕まえられなかった。


「はぁはぁ。もう、大人しくしてよ。汚れたままじゃダメだろ」


それでも、いっこうに逃げつづける猫に龍也は諦めて、


「わかったよ。ムリには入れないから気が向いたら入ってくれよ。あそこにタオルも持ってきたから入り終わったらちゃんと拭くんだよ」


それだけ言って、上に上がって行った。



バタバタ…

しばらくベットに横になって寝ていた龍也はうるさく階段を上る音で起きた。


「猫ちゃんどうなった?」

「階段は静かに上ってよ、二人とも。あと、ノックぐらいしなさい。

で、猫は下の縁側で寝ているはず」


綾香と零奈が今度はバタバタと階段を下りていく。龍也もなんだかんだで気になっている猫の様子を見に下りていく。


猫が寝ていた縁側のそばには二人がにこにこしながら同じように寝転がって猫の寝顔を眺めていた。

猫達は黒い方に白い方がのしかかっている状態で寝ている。

思った通りの綺麗な毛並みはちゃんとプールに入ってからタオルで拭いた証拠だ。


「ちゃんとお風呂に入ったようだし片付けるか。ほら、姉さん手伝って!」

「にゅふふ。綺麗な毛並みね。見事に真っ黒と真っ白」


完全に魅入っているようなので龍也は一人で片付け始めた。


プールとタオルを綺麗にしてから縁側には二匹と二人が熟睡している。


「はぁ、めんどくせ」





「とりあえずは良かったけど…どうする?」

「うーん、まだ様子見にしときましょ。術も使えるしある程度は大丈夫だと思うけど、一応ね」

御感想やアドバイスなどありましたら宜しくお願いします。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ