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たつがみ  作者: まよいひと
11/16

神刀

頑張ってます。

これからもよろしくお願いします。

加護家の隣のこじんまりとした、一、綾香の実家。今二人は玄関の前にいた。


「龍也、あれって言ってたろ。あれはじじいの裏にあるやつだ。よくみとけ」


そうゆうとさっさと玄関を開けて入って行ってしまった。

挨拶もせず入り、靴を脱ぎ、廊下を進んで行く。

見た所、物がなく人気がない。小さな家でひっそり隠居しているようだ。

廊下の角を一つ曲がり部屋に入ると座布団に座り並ぶようにしている祖父と祖母が目に入った。

息子が久しぶりに帰ってきたというのに声もかけない祖父母。一もわかりきったもてなしに少しの動揺もなく、座布団もない畳に直接座った。父親にならうように斜め後ろに龍也も腰を下ろす。

龍也が腰を下ろすと祖父がちらりと龍也を見る。


「そいつが例のやつか。ふっ」


馬鹿にしたように言い放つ言葉に龍也は怒りを覚えるが顔には出さず黙っている。


「黙れ。今日は言いたい事が有って来た」

明らかに怒りをあらわにする一。

父親が怒るのを見たからか、逆に龍也の怒りは落ち着いていった。

冷静になった龍也は家に入る前に父親が言ったことを思い出していた。


(えっと、祖父ちゃんの裏か)


そこには何もない殺風景な部屋に唯一飾られているものだった。


(どうみてもあれだよなぁ?)


「首洗って待ってろ」


確認したところでちょうど、父親が罵倒しおわった所で二人は家を出て行った。




「あれが何かわかったか?」


現在深夜。二人は加護家の布団の上で今からの作戦について話していた。


「あれって、刀みたいなやつ?」

「そうだ。あれはな神刀だ」

「なんでそんなのが家にあるのさ?」

「やまたのおろち、ってやつを退治した刀だからな。あいつは竜の一種だったらしいから、だからそれ以来家は竜を司る一族になったんだ」

「へぇ〜。でら神刀をとってくればいいのか?」

「まぁ、たぶんすぐ終るさ。あいつらは神刀に触れないからな」


そして加護家を出る二人。一応万が一に備え戦闘の準備は整えている。

そして、神刀の前。


「龍也、取れ」


龍也が手を伸ばし神刀に触れると…


『誰だ!』


刀から声が響く。竜の咆哮よりも重く、熱い声だ。


『また、私が必要な時代が来たか?それとも、何も知らず手にした馬鹿者か?』

「私達は貴方を必要としている。一族に濃い血を流す稀な子が生まれ育った。力を貸してはくれないだろうか?」


少しの間、神刀は反応が無い。


『ふん、確かに今まででも特に濃い血だ。余程、次に撃つべき神のまね事をしているやつは強いんだろうな』

「そりゃあ、まね事じゃなく、実の神をやりに行くんだからな」

『!!。本気か?』


二人の真剣な表情から本気なのを感じると諦めたようにまた話し出す。


『正直、神には敵うかわからんぞ』


黙って父親と神刀のやり取りを聞いていた龍也が口を開いた。


「出来る出来ないじゃない。やる」

「龍也の言う通り。それに貴方は考える限り最強の刀だよ」


雰囲気の変わった龍也の成長に驚きつつも言葉を繋げる。


『また、血生臭い闘いか。まぁ、運命に任せるか』


それっきり、話さなくなった神刀を持って家を出て行くと…



「もう来る事もないだろうな」




「龍也〜!大丈夫〜〜?」


百合が龍也に飛び掛かって出迎える。実力で負ける龍也はかわすことが出来ず捕まってしまう。


「龍也は弱っちいから心配したわよ〜」


最初のおしとやかなイメージを打破する豪快なハグ。頭はがっちりホールドされ胸に押し付けられる。


「さっ、夜も遅いし寝るわよ!明日は沢山遊ぶんだから」


声が出せない龍也。つまり、反論は出来ない。

がっちり抱っこされたまま布団に連れていかれて百合の布団で並んで寝るはめになる。




「んっ……」


前回とは違い気持ちのいい目覚めのようだ。

昨日、一緒に寝た百合はもう起きている。

台所からいいにおいが漂って来るとつられるように台所へ。すると百合が朝ごはんを作っていて、隣の茶の間で一が新聞を読んで朝ごはんを待っていた。


「あっ、龍也。おはよう。よく寝てたわね。見た目より疲れてたわよらあなたの体」

寝ている間に何かされたらしい、龍也。


「良かったな、龍也。百合さんのは秘伝技使ってるから疲労がよくとれるぞ」


どうやらマッサージのようだ。確かに、数日間のハードワークで目覚めが良くなかったが今日はすこぶる体調が良さそうだ。


「さっ、ごはんできたからたべよ」


百合の作っていたごはんが出来たようなので席に座り手を合わせてからいただく。

みそ汁とごはん、それにおかずに漬け物の日本の朝食を食べ、縁側で日光を浴びながら食休み。

しばらくなかった休日にを満喫する二人。

時間はゆっくりと流れ一日が終る。




次の日…………


「じゃ、一。これ、綾香と零奈に。零奈にはちゃんとやるように言っといてね」

「大丈夫だよ。二人とも頭がいいから」

「そうね。綾香はすごく良かったわね」


『は』を強調して言って、みんなの笑いを誘い和やかな出発を迎える。



二人は綾香と零奈に何かを、龍也には神刀をお土産に帰路についた。

アドバイス、感想などありましたらぜひいただきたいです。

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