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幼なじみの恋人は僕の友達 友達の幼なじみは僕のXXX 〜Crossroad Cantata (3) / Melancholic Minuet〜  作者: 御子柴 流歌
第2曲: アフロディーテ

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2-13-A. ため息にどうぞお付き合い

「はぁ……」


「真横でクソデカため息吐くのは、さすがにやめてくんねー?」


「……すまん」


 例の放送室での一件があってから最初のフルタイムの部活。

 その終了直後、片付けの時間。

 佐々岡(ささおか)くんの指摘には素直に謝っておくが、だからといってこの鬱屈としたような気分が解決するわけでもない。

 そんな陰鬱としたようなモノを撒き散らすのも、なかなか傍迷惑だとも思うけれど。


 これでも『どうもまったくやってらんねーぜ』と思うことだってあるのだ。


「何があったんだよ」


「いやまぁ、学祭関連でね」


「……ほほぅ」


 一瞬の間。

 そして、わざとらしい動きを付けてこちらを向く彼。


「キミはアレか。他人・他クラスの悪い話を餌にするタイプか」


「そうじゃないっての」


 その割には、佐々岡くんの瞳の奥が一瞬キラリと光ったような気がしたのだけれど。

 ボクの思い過ごしだと言うことなら仕方ない。


「ほらほら。相談になら乗ってやるぜ」


 ――いや、これは絶対愉しんでいるタイプのヤツだろう。

 肘で小突きながら、セリフだけで優しいことを言ってきた。


 だけど、そんなあからさまな態度でさえ無碍に払いのけられるだけの余裕も体力も、ボクの精神には残っていない。

 これ以上は失礼なので、今度は心の中だけで、いわゆるクソデカため息とやらを吐いて、吐いて、肺の中を空っぽにするまで吐ききってやってから、佐々岡くんにそのため息の原因を話すことにした。

 もはや隠してもあまり意味はない。

 月雁(つきかり)祭でやる演目もこの時期になると薄ら知れ渡ってくるモノだ。


「それはむしろ、俺も聴きたいんだが」


「そう言うとは思ってた」


 予感はしていた。

 話している最中から目の色が変わってきたのがわかるくらいだった。


「解ってたんならちょっと弾いてみてくれよ」


「いや、まだ全然。まともに聴かせられる状態じゃない」


「お? ってことは、まともに聴かせられるレベルになったら、聴かせてくれるってこと?」


 佐々岡くんはピアノを弾くような動きをしながら、ボクを再び肘で軽く小突いてくる。

 何かを企んでいるようだが、そうは問屋が卸さないというヤツだ。


「そりゃもちろん、『本番まで待て』って話だよ」


「なんだよー、ケチー」


「そこまで露骨にネタバレはしたくないからね」


 佐々岡くんは恐らく冗談で言っているのだろうけど、ぱっと見では本気で残念がっているように見えるので、いろいろと怖いところだった。


「っていうかそれって、練習する時間がありゃどうとでもなる話だろ」


「カンタンに言うなぁ」


 さすがに二、三日でどうこうできる代物じゃない。

 その二、三日でさえ、まるまる一日練習できるわけでもない。

 帰ってから諸々の家事をし終わってからなので、練習時間は良くて一時間確保できるかどうかというくらいだ。

 さすがに人に聴かせられるわけがなかった。


「その『練習する時間』がまともに取れないから、今んところどうとでもなりそうにない、って話なんだよ。ぶっちゃけ、部活のオーボエだけで手一杯だ」


「ま、わかるけどさ。俺だって同じ目に遭ったらヤバいことになる」


「ん? 佐々岡くんピアノ弾けるの?」


「小学校のピアニカレベルなら」


 まぁ、大抵はそうだろう。


「連弾形式で、お前の横に座ってベースラインだけ片手で弾くくらいなら、まぁできなくはないだろうな」


「違うクラスなんだもんなぁ……」


「いや、そもそもそれはカッコつかなさすぎるだろ」


 たしかに、それ以前の問題ではあった。


 しかし問題は山積みだ。

 ある程度の整理すら出来ていない。

 ごちゃごちゃと適当に投げられて載せられて、結果的にそこに山が出来ているような雰囲気だった。





今回は雑談パートというか、何というか。

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