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幼なじみの恋人は僕の友達 友達の幼なじみは僕のXXX 〜Crossroad Cantata (3) / Melancholic Minuet〜  作者: 御子柴 流歌
第2曲: アフロディーテ

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2-1-B. 一年ぶりの光景



 職員室で物品購入時に必要な書類の原本や、設備使用許可証などを受け取る。

 それぞれの担当者に渡し終えると、すみれたちとは一旦お別れする。

 また後でそっちの方に行くからねと言われたのでダメ元で飲み物類の差し入れを依頼してみたが、すみれからは「あははー」との返答をいただいた。

 ――ダメだろうなと早々に諦めたボクは、おとなしく購買前の自販機でペットボトルのスポーツドリンクを買っておくことにした。


 生徒玄関に向かって靴を持ち、そのまま校舎裏手――体育館へとつながる渡り廊下の方へと向かう。

 いつもは閉じられている扉が開かれ、その近くには大量の中靴が並べられ――ていない。

 これっぽっちも並んでいない。

 ぐちゃぐちゃに履き捨てられた靴が転がっている、悲惨な光景が広がっていた。


「これは、どうするかなぁ」


 そうは独り言をつぶやきつつも、心は決まっている。

 外靴に履き替え、中靴は手に持ったままで陸上グラウンドの方へと向かうことにする。


 全クラスに配布される木材が置かれていたところにはすでに何も無い。

 テントもそれぞれの持ち場に行き渡ったところだろう。

 とはいえそのテントを建て終わっているところまで進んだクラスもまだ無いようで、まだあちらこちらから「これ、どう組むんだっけ?」とか、「こっちに釘くれ!」とか、作業真っ只中の声が響いていた。


「たしか、この辺……あぁ」


 居た。

 あの中ではいちばん小さいはずの大輔(だいすけ)の声が、いちばん良く聞こえてきている。

 こういうときにアイツは本当に便利なヤツだった。


「おつかれー、遅くなった」


「おー、瑞希(みずき)! 待ってた! 早速コレ押さえててくれ」


「はいよ」


 早速大輔から指示が飛んできたので、自分の荷物を適当に校舎の壁の方へと放り投げて手伝いに入る。

 この手のシゴトは得意なのだろう、手早く太い釘を木材に打ち付けて大輔は一息ついた。


 校舎の影の方では、全部で三十近くの作業場所がある。

 均等な間隔でビールケースを置き、その上に長い木材を組んで土台のような足場のようなものを作っているところだ。


 作っているものは月雁祭の初日、行燈行列で使われる行燈――カンタンに言えば青森ねぶたのような人形型の灯籠だ。


「そっちの仕事は終わりか?」


「おう。一応部活には後で顔出すけど」


「おっけー、おっけー」


 大輔は自分のカバンからペットボトルを取り出して、ぐびっと気持ちよく呷った。


「にしても、良い場所取れたよなー。風の通りはあるし、日陰だし」


「コレに関してはすみれを褒めないとな」


「……癪に障るけど、間違いない」


 この手の場所取りも多分に漏れずくじ引きで決められた。

 公平を期すならばとばかりに、問答無用のチョイスだったが、このときは委員長・花村(はなむら)すみれのくじ運が遺憾なく発揮された。

 その結果として大輔が言ったとおり、二年生クラスに割り振られた場所の中では指折りの環境の良さを誇るポジション――風通しが良く、日陰もあり、かつ校舎の入り口に近いところで行燈制作が出来ることになった。


小野塚(おのづか)、ちょっとこっち!」


「おー。瑞希も頼む」


「ほいほい、っと」


 早くも土台の大外部分は出来上がりそうだ。

 ラスト一箇所の補助に大輔と一緒に向かった。

 懐かしいなぁ、なんて思いながら書いてます。

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