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では、家出少女と大学生 1章 4
どうぞ。
11月25日、午前5時。
いつも起きる時間に、自然と春は目を覚ました。
「んっ......あぁ〜」
半分こたつに入った状態で、大きく伸びをする。
だんだんと目が冴えてきた。すると、逆さまになってキッチンで何かをしている湊が目に映った。体を起こし、キッチンに近づく。すると、春に気づいた湊が肩越しに振り返った。
「おはよう。起こしちゃったかな?」
「おはようございます。いつもこの時間になると、自然に目が覚めるんです」
「それは羨ましい」
「それはそうと、湊さん料理できるんですね」
「一人暮らしだからねー。さすがに毎日コンビニ弁当って訳にも行かないし」
そこで、春はあることに気づく。湊がおかずを詰めている弁当箱は、春の物なのだ。
「あっ、私のお弁当も......ごめんなさい」
「謝られるより、感謝される方が気持ちいいんだけど、あっ! もしかして嫌いなもの入ってた?」
「あっいえ、特に嫌いなものは無いので......それと、ありがとうございます」
「いえいえ」
そういう湊の顔は、ちょっと満足そうだった。
弁当を作り終えた湊は、電気ケトルに水を入れ、電源をつけて部屋の隅にある机に向かった。デスクトップのパソコンをつけ、なにかの資料を探している。そして、机にノートパソコンを置き、そちらの電源もいれる。
「レポートですか?」
「うん。昨日あのまま寝ちゃったからね」
カタカタと、軽快にリズムを刻むタイピング音が部屋に響く。
カチッと音を鳴らして、電気ケトルがお湯が沸いた合図をする。
よいしょ、と言いながら湊が席を立ち、ふたつのマグカップに、ココアの粉をスプーンで2杯ずつ入れていく。そして、その上からお湯を注ぐ。
「はい、ホットココア」
春の目の前に、ホットココアの入ったピンクの、可愛いマグカップが置かれる。
「そう言えば、このマグカップ。彼女さんのですか?」
疑問に思った春が質問する。
「今は彼女はいないかな。それは妹のマグカップだよ。時々、ここに遊びに来てたんだ。春さんは、雅高校?」
「はい......そうですけど、なんでわかったんですか?」
「妹もそこなんだよ。制服が同じだったから」
ハンガーにかけられた制服を見ながら湊が言う。その制服は朝、湊がアイロンをかけたので皺もなくスカートのプリーツもしっかり揃っている。
「あっ、制服。アイロンかけてくれたんですか?」
「うん。今日も学校でしょ?」
「はい、その、ありがとうございます」
「どういたしまして」
「あ、あの。妹さんの名前はなんて言うんですか?」
「緑だよ。四谷 緑」
「みどり先輩ですか!? あっ確かに苗字同じだ」
どうやら、春は緑と知り合いらしい。
「なんだ、知り合い?」
「吹部の先輩なんです。私、自分から話しかけるのあまり得意じゃなくて。そんな時に、みどり先輩が話しかけてくれて、すっごい嬉しかったんです!」
「そっか、あいつもちゃんと先輩してるんだな。なんか安心した」
もう半年以上も緑はここに来ていない。なんとなくの、緑の記憶を思い出しながら成長したんだな、と兄らしいことを思った。
いや〜
早起きして、自分で弁当とか作ってみたいですね〜
料理系男子はほんとにモテるんでしょうか
ただ単に顔がいいだけなんじゃないですか?