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家出少女と大学生  作者: 箱庭みっく
2/5

2 【男の部屋で】

どうも、箱庭みっくです。

前回の続きです。

どうぞ。



男の家は、公園から15分ほど歩いた所にあった。少し古めのアパートだ。男の部屋は2階の1番右側で、階段を上がるとすぐ真横だ。部屋はワンルームで6畳ほど。玄関から入ってすぐ左側に部屋がある。右側にはキッチン。その奥に、洗面所があった。


「こたつに入ってていいよ」


男は少女にこたつを勧めた。


「ありがとうございます」


あまり元気の無い声で、少女は答える。その声は何かに怯えるような、少し震えた声だった。男はそれが、寒さからくるものでは無いことがわかった。


「はい、ホットココア」


こたつに入った少女の前に、ホットココアの入ったピンク色の可愛いマグカップが置かれる。


「ありがとうございます」


また、さっきと同じような声で返事をした。


「お風呂沸かすから、ココア飲んだら入ってね」


その言葉に、少女は少し体を強ばらせた。


「わかり......ました」


ココアを飲み終え、少女はキッチンの奥にある洗面所の扉を開く。扉を閉めて、服を脱ぎドラム式洗濯機の上に服を置く。

ふろ場の扉を開け、湯船の上の蓋を端に丸める。

湯船には体育座りの姿勢で入る。


「ふぁぁ」


ココアとこたつであったまったとはいえ、上半身はまだ冷えていたので、暖かいお湯に肩まで浸かると、少し安心したのか少女は気の抜けた声を出した。

しかし、その直後洗面所の扉が開く音が鳴り、少女は再び体を強ばらせた。

だが、洗面所に入って来た男は洗濯機を開け、その中に制服を入れてスイッチを押し、洗面所から出ていった。



少女が風呂から上がり、部屋に戻ると真剣な顔で

ノートパソコンを使う男の姿があった。


「......何をしてるんですか?」


少女は沈黙に耐えきれず、静寂な空気を破った。


「レポート。明日提出なんだ」


「学生なんですか?」


「うん。今年大学生になった」


男は大学一年生のようだ。


「君は家出?」


「うん。お父さんと少しケンカしちゃって」


「そっか」


その時、少女のスマホが鳴った。ディスプレイには、《お母さん》と表示されている。

少女はスマホを手に取り、通話ボタンを押した。


「もしもし? 春ちゃん? どこにいるの? 早く帰ってきて! 夜は危ないわ! すぐに帰ってきなさい!」


少女の母親の声が男にも聞こえた。その声は、不安と焦りが混じっていて、少し震えている。


「ごめん、お母さん。でも、帰りたくない」


少女は母親の要求を拒否した。


「だめよ! 変な人に絡まれたりしたらどうするの!」


「それは大丈夫。今、えっと...」


少女が言葉に詰まる。そこに男が助け舟を出す。


「僕の名前は、四谷 湊だよ」


少女はそれに頷き、母親に伝える。


「今、四谷 湊さんって人の家にいるから」


「だれ!? 友達なの?」


「ううん。友達じゃない。大学一年生の人」


「女の人なの?」


「ううん」


「知り合いの人?」


「違う」


「......春ちゃん! 今すぐ逃げて! 逃げるのよ!」


母親の声が、明らかに変わった。恐怖が不安に勝ったような声だ。その理由は、湊もしっかり分かっている。


「春ちゃん? 電話、変わってくれる?」


「うん、分かった」


「春ちゃん?」


母親の戸惑った声が聞こえた。


「どうも、お電話変わりました。四谷 湊と言います」


湊は電話を変わると、丁寧に名前を言った。


「あなた! うちの娘を早く返してください! 警察に通報しますよ!」


「それは出来ません。僕は春さんではないので、その決断は僕にはできません」


湊ははっきりとそれを言った。


「春さんが帰りたいと言ったら、そちらにここの住所を電話で伝えます。そしたら、迎えに来てあげてください」


「何言ってるんですか! 今すぐ娘を返しなさい!」


母親は、春を守ろうと必死で、湊の提案は呑まれなかった。


「さっきも言いましたが、それは僕が決めることじゃありません。さっき、春さんから聞きました。お父さんとケンカしたって。それで家出したって。気持ちが落ち着くまで待ってあげてもいいんじゃないですか?」


「あなたは! あなたは何が目的なんですか!」


母親は今にも泣き出しそうな声だ。心配でたまらないのだろう。


「別に目的はありません。ただ、歯磨き粉が切れたので、コンビニに買いに行ったら途中の公園で春さんが寒そうにしていて今にも倒れて死んでしまいそうだったので、せめてあったかい飲み物とお風呂くらい入れさせてあげようと思って......あっ!」


湊は、あることを思い出し大きな声を上げてしまった。


「っ!? なっなんですか! 急に!」


「歯磨き粉!」


「歯磨き粉?」


「歯磨き粉......?」


母親と春の戸惑った声が、重なる。


「歯磨き粉買うの忘れたんですよ!」


「は?」


母親の間抜けな声が耳元のスピーカーから流れる。


「ちょっとまた後でかけ直します! ちょっと待っててください!」


そう言って、湊はまたパジャマ姿でコンビニに走っていった。

部屋には、なんとも言えない静寂に包まれた。

いやまぁ、なんですかね。妄想ワールドを文章にするのは難しいですね。クラスメイトの人が小説を執筆してますって言ってたので、興味が湧いて書いてみたんですけど、なんか妄想と違うんですよね。

う〜ん......難しい。

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