プロローグ
見覚えのない部屋で目覚めた私は自分の四肢がないことに気づき···
少女は一人、虚空を見つめ続けている。
彼女に未来はない。
いや、世界に未来がない。
「ん···あれ、ここは。」
目が覚めた時、私は見覚えのない部屋にいた。
「とりあえず···あれ···」
ベッドから降りようと手を伸ばすが手が見当たらない。
恐る恐る自分の腕を見てみる。
「ッ!?」
手がない。二の腕からすっぱりと切り落とされている。
「や、やだ···やだやだやだやだやだ!!!」
恐怖と絶望に支配された。
ただ泣き叫ぶことしかできなかった。
あれからどれくらい経っただろうか。
足も切り落とされていることに気づき、耐えきれずに吐いてしまった。
そしてそのまま力尽きて寝てしまったようだ。
落ち着いてきた。いや、泣き叫ぶほどの元気がなくなっただけかもしれない。
冷静に辺りを見てみると、四肢すべてに対応した義手のようなものがあった。
私はベッドから転がり落ち、その義手へと向かった。
ガチャン
その時、扉が開き蜘蛛のような機械が入ってきた。
ソレは上部に大きな銃を携えていた。
私は直感的に、ソレが私を殺しにきたのだと察した。
「グッ···」
手足のない状態ではまともに進めない。
ガチャン···ガチャン···
ソレはまだこちらに気付いていない。
「ん···と、届いた!」
なんとかたどり着いた。
だが、たどり着いたところでどうするというのか。
今逃げようものならソレにあっという間に蜂の巣にされてしまう。
ガシュンッ
考えに耽っていたその時、義手は右腕にくっついた。
あり得ないほどのフィット感であった。
まるでこうなることを見越していたかのように。
さらに左腕、そして両足と次々に義手が装着されていく。
だが、その音をソレは聞き逃さなかった。
ギュインッ
ソレはこっちに向かってきていた。
「だ、ダメ···やだ、こないで····」
ソレが上部のガトリングを回す。
そのとき、不思議なことが起こった!
彼女の前に透明の壁が出現したのだ!
銃弾は全て弾かれた。
さぁ、ここからショータイムだ。
さぁ、ショータイムだ。