vol.2のあらすじ
■あらすじ
取材のためには手段をほぼ問わない「私」が、大富豪・石季倫の豪邸に潜入する話。
今回は潜入ルポ風の小説。全9話。完結済み。
■主な登場人物
「私」
この話の語り手。
取材に命をかけており、割と何でもやる。今回の取材でもいろいろやった(やる)。
「親方」
潜入取材の協力者。
高度な技術を要する水車職人の親方。二人の弟子を連れている。
「刀自」
潜入取材の協力者。
婢女であり、豪邸で囲われている美姫の世話役・房老の長。敏腕家。
「閹尹」
潜入取材の協力者。
若く美しい宦官で、見た目は娘そのもの。
なぜか「私」にきつく当たる。
石季倫
高級貴族であり、朝廷の高官であり、世の中に比類する者のいない大富豪。豪奢な生活を送り、世を騒がせている。
季倫は字であり、氏名は石崇。
王君夫
皇帝の叔父にあたる高官。
財産家であり、石季倫に何かと張り合っているが未だに勝てたことがない。
君夫は字であり、氏名は王愷。
■主な用語
金谷邸
石季倫が都の郊外・金谷に持つ別荘。
贅の限りをつくした広い庭園を持つ豪邸であり、石季倫が買い求めた美しい婢女・美姫と、彼女たちの世話をする婢女・房老、宦官だけが住んでいる。
婢女
いわゆる女奴隷。
石季倫は金に糸目をつけず、美しい、あるいは珍しい婢女をあちこちから買い集めている。
美姫
婢女のなかで特に美しく若い者だけを指す。石季倫にはべることを許された存在。
房老
美姫の世話役である婢女。
美しくない、あるいは年取った婢女がつとめ、なかには老いて降格してきた元・美姫もいる。
宦官
去勢された、つまり男性器を切除された男性のこと。
ある意味人間を辞めた存在であり、また男性としての「機能」を削ぎ落とされているため、「間違いが起こってはならない」女性たちの世話役としても重宝される。
字
成人男性(と身分の高い女性)が持つ「呼び名」。
名前(諱)で呼べるのは基本的に皇帝や実の父母、師匠のみであり、他人、しかも目下の者が名前で呼ぶのは、その場で斬り捨てられても文句が言えないほど大変失礼な行為。
よって罵倒や挑発する際にわざと名前で呼ぶこともある。
※これはフィクションである小説のためのための用語解説であり、史実とは異なった内容も含みます。あらかじめご了承ください。