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ちょいクズ三国志  作者: 油揚メテオ
第一章 桃園の契
3/3

第三話 天下の出会い

 夜は完全に更けていた。

 辺りに人の気配はなく。

 さらさらと緩やかに流れる川の中。

 ちゃぷん、と水音を立てて。

 やたら美しい女が、顔だけを覗かせて、俺を見つめていた。

 艷やかな黒髪。

 日に焼けた褐色の頬には水が滴って、艶めかしい。

 意思の強そうな黒い瞳に浮かぶのは、羞恥。

 川から除くのは、鼻から上だけで。

 美女が、ぶくぶくと水面を揺らす。

 恥ずかしさに耐えかねたように。

 なんというか。

 愛らしかった。

 嫁にしよう。

 この女は俺のものだ。


「関羽……」


 そう声をかけて、水中にある彼女の腕を掴んだ。

 やたらバカでかい鉄棒を振り回していた気がするが、びっくりするくらい細い腕だった。

 女の腕そのもので。


「ちょ、ちょっと!」


 もじもじと恥ずかしがる関羽を立ち上がらせる。

 ばしゃっと水音を立てて。

 淡い月明かりの下。

 関羽雲長のすべてが、さらけ出された。


「なんてことを――!!」


 恥ずかしそうに顔を背ける関羽。

 俺は。


「やめろ! 見るな!!」


 俺は、絶句していた。

 そのあまりの美しさに。


「貴様、殺されたいのか!! 今すぐ見るのをやめろ!」


 遠くから見たのとは、全然違った。

 俺より高い身長。

 無駄な肉が一切ついていない完璧な肢体。

 それでいて、女を感じされる部分は、見事に実っていて。

 月光に照らされた褐色の裸体は、この世のものとは思えない美しさだった。

 今まで見たどんな女の身体よりも美しい。

 もういっその事。


「殺されてもいい」


「えええええ!?」


 こんな美しい裸体を拝めるなら、死んでもいいと思った。

 死ぬ前に一発ヤるが。


「そもそも、そんなに嫌ならなぜ抵抗しない? 天下の関羽雲長様が」


 なぜか関羽は、俺に腕を掴まれたままだった。

 何やらやかましく言っているが、その身体はピクピクするだけである。


「だって……」


 関羽は、頬を赤らめながらモジモジしていた。

 そして、ぼそっと。


「恥ずかしくて」


 村娘か!!

 どんだけ可愛いんだよ!?

 お前、大侠客じゃねえのかよ!


「結婚して下さい!!」


 そう叫ぶしかなかった。

 可愛すぎたので。


「ええええええ!?」


 顔を真赤にして、ぷるぷるする関羽。

 なんか。

 胸のところもぷるぷるしていた。

 俺の目は、釘付けになった。


「ま、待て! わかっているのか!? わ、私は関羽雲長だぞ!? その辺の娘とは違う!!」


 ――ぷるぷる。

 すげえ揺れる。

 おっきい。


「第一、私には夢がある! 圧政に苦しむ民を放っておけない! 世を正さなければならぬのだ! お前の嫁になっている暇なんて……」


「うるさい黙れ」


「えええ!?」


 俺は関羽の揺れるものに集中したいのだ。


「というか、お前。ちょっとそこで跳ねろ」


「なんで!? ま、待て。私に命令しないでくれ。なんというか、男らしくて、ちょっと……」


 関羽は顔を赤らめてモジモジしていた。

 モジモジではないのだ。

 ぴょんぴょん、ぷるんぷるんなのだ。

 あーもう!!


「関羽!!」


「ひゃいっ! あっ……」


 関羽のほっそりとした肩をガシッと掴む。

 くにゃっと力の抜ける関羽。

 もうわかったよ。


「ともに、跳ぼう?」


 俺も一緒に跳んでやんよ。

 早く乳揺らせよ。


「と、ともに……? 跳ぶ? 飛翔? ともに飛翔? 天下へ?」


 なんか妙なことを言っているが。


「そうだ」


 とりあえず、頷いてみた。


「えええ!? そ、そういう事!? 天下を狙う……? そんな大それた事……私でも思いつかなかったのに……」


 なんか超解釈している気もするが。

 こまけえこたあいいんだよ!!

 さっさと跳ねて乳揺らせよ。


「なんて……大きなお方」


 なんか下ネタを言い出した。

 たしかに俺はデカイと思うが。

 この女、相当好きなんだろうか。

 エロいので、大歓迎です!!


「わ、私と、ともに()って、くれるのですか?」


 やたら潤んだ瞳で、声を震わせていた。

 行くってどこに?

 旅籠(ラブホ)にだろうか。

 まあ抱くには丁度いいが、俺に金はない。

 でも、この女も少しは金持ってんだろう。

 たかろう。


「ああ、ともに行こう」


「………!!」


 口元を手で覆う関羽。

 その肩が、小さく震えている。

 旅籠(ラブホ)代たかられようとしてんのに、不思議な反応である。

 なんというか。

 色気がやばかった。

 もうたまらんかった。


「関羽!!」


 思わず抱きしめていた。

 もういいよ。

 河原でいいからやっちゃおうよ。


「……雲長と、お呼び下さい。私のすべてを、貴方様に捧げます……(あるじ)様」


 抱きしめた関羽が耳元で、合意と取れる発言をしていた。

 馬鹿な女である。

 これで何をされても文句は言えまい。

 ふふふ。

 思わず、笑いがこみ上げてくる。

 この女は、今から俺のものなのだ!!!

 劉備玄徳の絶頂期は今だ、と思った。

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