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落ちこぼれな少女

クーを待ち受ける運命とは

少女は自信満々な顔で1人、指を指す


クー「犯人はあなたですーっ!」


その一言で、周りにいた人々はざわつく。


クー「どうですー?なにか反論あるですー?」


自信満々な彼女は指を指した相手に向かって挑発をする


???「は、はい。ぼくがやりました」


周りの人々「おおー!」


犯人を言い当てた少女は

こう言う


クー「どうして。みんなのクッキーたべちゃったのですー?」


犯人「それは…」



……。




ここ、私立桜木坂学園は探偵を目指す探偵見習いの生徒が入ってくる珍しい学校。ここを卒業できれば、探偵なり刑事なり推理を得意とする仕事に就いていく。そんな、学園に通う探偵見習いの少女 春風胡桃(はるかぜくるみ)

”クー”と呼ばれています。


クー「犯人はーあなたですーっ!」


彼女は指を指し決めゼリフを練習していた。

一応、今日の授業の宿題だ。


和人「まぁたそれー?よくやるねぇ、クーも」


呆れ顔でクーに話しかける少年。名前を森山和人(もりやまかずと)という。

いつも、クーを馬鹿にする少し嫌なやつ。今も少しにやけながら馬鹿にしてくるのがすごく嫌な感じ。


クー「いいじゃないですかー。一度は犯人にいってみたいんですー。わたしのことはほっといてくださいですっ」


和人「犯人はあなたですーっ!って? ぷぷっ、なんか間抜けに聞こえるよ?」


少年は笑う。


クー「むぅ。」


膨れるクー。


和人「だいたい、クーは学校でトップじゃないのさー」


クー「なにがですー?」


少しクーは怒りながら話す。


少年は続ける


和人「成績がさっ」


クー「そんなことないですよー?」


クーは我慢する


少年は笑いを堪えながら


和人「成績が…ドベじゃん。」


クーを馬鹿にする。


クー「ぅー…」


クーはなにも言い返せなかった。涙も見せる

少年は我慢の限界のように…、笑いながら続ける


和人「探偵の授業だってさ、クー1人だけだよ?赤点なの?馬鹿じゃないの?いや、馬鹿なのかぁ!あははははっ」


クー「ひどいですぅ…」


また馬鹿にされた。いつもこうだ。クーは悔しくも何も言い返せない。そのまま、泣いてしまう…


和人「ははっ?まぁた、泣いた!泣けばいいってもんじゃねぇんだよ?バァカ」


さらなる追い討ち…

わたし…なにをしたんだろ…


和人「はっ。なんかいえよ?馬鹿クー。悔しかったらなんかいってみろよ?」


クー「グスッ」


今日も1日最悪でした



……。



クーのおうち



クー「わたし、やっぱり向いてないのです

探偵見習いなんて。 」


クーは1人呟き、お風呂を出る。


クー「また明日も馬鹿にされるのかな…。」


クーにとっては学園は地獄。どこにいても誰と話しても馬鹿にされる。学園の成績は最下位で何やってもダメダメ。そんな落ちこぼれな彼女には、いつも登校するのが憂鬱なのです


クー「明日こそは。明日こそはっ!

ぅー…。本当に大丈夫なのです?」



不安なまま明日を迎える…



クー「また学校です…。はぁ…」


いつもの気だるい朝だ。クーはご飯を食べ、髪を整え着替えが終わると、重い足を学園へ向け歩き出す。


クー「どうして、わたしはこんなダメダメなんです…。」


いつも登校中はそんなことばかり考えてしまう…。一体何がいけないのか…。それさえもわからない…。答えも見つからないまま学園へとたどり着く…。



女子生徒「ねぇ、みて。あそこ。馬鹿で鈍臭い…」


女子生徒「あぁ、なんでいるんだろうね?」


男子生徒「うわっ」


女子生徒「きもっ」


クー「ッ」


駆け出すっ。



走る。走る。走るっ。


学園とは別の方向へ。

とにかく人のいないところへ。

なぜわたしは逃げてるの?

なぜこんないわれなくちゃいけないの?

なにがいけないの?

頭の中がぐちゃぐちゃになる

それでも足は止めなかった

ただ走り続けた


クー「うぅ、グスッ。ひどいです」


彼女はなにもしてはいない。

ただ人より少しだけ鈍臭くて、成績が悪いだけだ。

でもそれだけで学園でのあの扱い。


クー「本当、わたしなんて探偵見習いなんて似合わないですー」


半分ヤケになりながら1人呟く。


???「ハァハァッ……。ね、ねぇっ」


誰かの声が聞こえた気がした。

でも、聞こえないふりをした。


???「ねぇってばっ」


また聞こえた。でも顔を見たくない。

わたしはいまどんな顔しているのか誰にも知られたくないっ。

だからまた聞こえないふりをする。


???「いい加減にしなさいっ!!!」


バシンッ。


一瞬、時間が止まった。あ、あれ?時計が動いてない??

えっ?あれ?あれ?


少しだけ止まった気がした時計は動き出す。



クー「ッ」


痛い。顔をビンタされた。ついには暴力まで。なんで?


???「あ…。ごめんなさい。」


なんで謝るの?謝るなら痛くしないで…


???「ごめんなさい。そんな強くするつもりはなかったの」


クー「???」


よくわからない。この女のいうことがよくわからない

理解できない


???「あ…。怯えさせちゃったかな。わたし、わたしねっ、小町! 宮崎小町(みやさきこまち)。えっと。その…。クー…ちゃんだよね?」


よくみるとその女は…ううん。その少女は同じ制服を着ている。


小町「クーちゃん」


クー「…なん…で…すー」


怯えながらも小町に返すクー。


小町「ごめんね。怖がらせちゃって。わたし、わたしねっ。クーちゃん。覚えてるかな?入学式のとき。」


クー「えっ?」


少し頭を整理する。

入学式…それは…



クー「探偵見習いですー。がんばるですー!! きょうからよろしくですーっ」


あの頃はまだクーは楽しかった。この学園で学べることが楽しかったんだ。

そして、入学式が終わった後のこと…


小町「な、ない。わたしのっ、わたしの大切なっ」


小町と出会う。でもまだ名前は知らない。


クー「どうしたのですー?」


小町「わたしの大切なメモ帳がないの。」


クーは笑顔でこう言う。


クー「なら、わたしが探すの手伝うですー」


小町「ほんと?たすかるよー」


こうして探し物をする。

メモ帳…メモ帳…






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