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ダンジョン探索という名の……

 俺、バルド、カエデちゃん、ナギ(少女モード)は連れ立って浮遊城への道を歩いていた。着地した時と、俺がかっ飛ばした時の爪痕が森を切り開き、道を作っているのだから皮肉なものだ。

 ゴーレムが暴れまわり、さらにナギがいろいろふっ飛ばしたので、城周辺もある程度スペースができていた。といっても城というよりもただの岩山であり、それなりのサイズはあるが、ダンジョンといった風情ではない。

 岩山の中腹あたりに向けハーケンが打ち込まれており、それを伝ってまずはクライミングからになる。とりあえずほかに何かないかと考えながら周囲を確認すると、背後に湖があった。どうやらこれがが水源で、リザードマンの村が干上がっている原因らしい。

 掌を地面に付けて魔力を流す。ソナーのようなイメージだ。そして地下の地形を確認し地下水路位のありかと、それを塞いでいる岩を見つけた。今度は両手から魔力を流し、その岩の中心で干渉させる。波は共振を起し、岩を振動させる。その振動波が一定の周波数を超えたとき、岩が粉々に砕けた。

 どうやら湖も徐々に水位を上げており、何らかの氾濫がおきていた可能性もあるだろう。間に合ったかはまだわからないが、最悪の事態は避けられた……と信じたい。


「さて、ダンジョン入ろうか」

「主殿、何をしてたの?」

「うん、ちょっと地下水脈がふさがってたんで直してた」

「旦那さま、素晴らしいですわあ!」

「バルド義姉さん、主殿のこととなると思考停止するよね?」

「カエデちゃん、気にしたら負け」

「うん、ナギちゃん、最近分かってきた」

 俺たちは壁面のわずかなとっかかりを踏みしめ、跳躍していった。中腹の入り口に付くと縄梯子を下ろす。これで入りやすくなったはずだ。そしてチラシを置く。ダンジョン用品のお買い求めはコンビニハヤシで!

 

 カエデちゃんがランタンをもって先頭に立つ。スカウトの技能持ちなので、罠解除などを任せることにした。通路は狭く、二人並んで歩けない。そのスペースのせいかモンスターは特に強くはなかった。カエデちゃんの投げナイフとバルドの剣で蹴散らされる。

 少し開けた部屋に出た。RPGとかだと中ボスなんかがいる感じだ。と思ってたらしゃぎゃーと咆哮を上げながら大き目のトカゲが現れた。

「ヒュージリザードか。相手にとって不足はない!」

 すぱーん。アロンダイトが唸り、でっかいトカゲが真っ二つにされる。

「バルド、そのセリフ言いたかっただけじゃない?」

「ぎくっ! ……てへ?」

 バルドはかわいいなあ。萌えてたらカエデちゃんがやってきた。

「主殿、このリザードは普通、レベル40ほどのパーティが苦戦してやっと倒す相手。普通真っ二つにしない」

「バルドは強いなあ」

「カエデちゃん。気にしちゃダメ」

「うん、そうね」

「とりあえず素材を回収ね。こんだけあればスケイルメイルがたくさん作れるね」

「ナギちゃんが一番たくましい気がしてきました」

「そう? けどあの店長と付き合うなら細かいことは気にしちゃダメ。ああいう人だから」

「なるほど、がんばる」(フンス

 

 同じような部屋をいくつか通り過ぎる。中ボス的なモンスターも倒してゆく。リザード系やレッサードラゴン種といった感じで、竜の巣というイメージである。いくつかの部屋を突破すると、ふと気づいた。足跡がない。どうやら未踏破層に入ったようだ。そのまま進むと、明るい部屋に出た。空が見える。岩山の頂上のようだ。そしてワイバーンがここのボスのようだった。

「はあああああああああ!」

 裂帛の気合とともにバルドが剣を振りぬく。魔力を帯びた衝撃波がワイバーンの翼を切り落とす。そして落ちてきたところを切り降ろし、真っ二つにしていた。

「いやだからワイバーンって……こんな一刀両断にできる相手じゃないのに……」

「カエデちゃん。普通って何それおいしいの? これが合言葉よ」

「ううう……」

 

 とりあえず、ここから先の道もあるようだがワイバーンの素材を採取したらいったん戻ることにした。そういえば、ダンジョン内部の調査もそうだが、水脈の調査が主目的だった。そしてそれは来てすぐに解決している。ダンジョン潜った意味がねえと思ったが、俺にいいところを見せられたとご機嫌なバルドがいたからまあいいかと思った。まる。

何処にいようといちゃつく、それがバルドさん。

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