1周目 初日の朝
携帯の目覚まし機能で私は目が覚めた。
机の上には両親からの誕生日プレゼントと飲みかけの炭酸飲料がある。
私は昨晩の事を思い返した。
昨日は両親と弟に誕生日を祝ってもらいその後、飲み物をとって自室で日記を書き、寝たのだ。
そして私は夢を見た。
夢で私は1年後に死ぬと言われたことはしっかりと覚えている。
でも誰に言われたのか、自分がどこにいたのか等は一切わからない。
「誕生日の夜にとんでもない夢を見てしまった……」
私は一人自室で呟いた。
「雛乃おきなさーい」
いつも通り母が一階から私を呼ぶ。
学校の荷物は昨日のうちに用意してあったので私は着替えを済ませ朝食を食べに居間に向かった。今朝の朝食はご飯とみそ汁とサンマの塩焼きだ。うちの食事は和風が多く朝食がパンという事は少ない。
「お母さんの仕事あるんだしパンを買っといてくれれば勝手にたべるよ」
「だめよ朝食はしっかりと食べなきゃ!パンだけじゃ栄養も偏るからね!」
「はいはい」
何気ない会話これが私が住んできたこの家の日常。
食事を終えるともう7時30分を過ぎていた。私の学校は8時に門が閉まってしまうが、それまでに間に合えば特に問題がないが、私の家から学校まで20分近くかかるため少しゆっくりしすぎてしまった。
「お母さん行ってくる!」
「気をつけなさいよ。」
「はーーい」
そして私は家を飛び出した。
今思えばそれが私の日常と非日常との境目だったのかもしれない。
正門には7時54分に到着した。信号に何回も引っかかったが十分余裕がある状態でつけた。
残り6分という状況は実際のところ余裕があるといえるのかわからないが私には十分余裕がある時間といえる。
教室につくと私を待っていたかのように友人の霜月沙夜が話しかけてきた。
「おっはよぉーーー!ひなっち。今日はいつもよりも4分も早いね!!」
「毎日マラソンの様に正門の通過タイム測るのはやめようよ沙夜」
「いやいやこれを測るために私は20分も前から学校に来ていると言ってもいい!!」
「それ、楽しい?」
「とても楽しいよ!遅刻するかしないかハラハラドキドキだよ!まるで対面のカンしている牌がドラなのに迷わず自摸切りし続けてるくらいの緊張感だよ!!」
「ごめん。麻雀に例えられても私わからないから……」
「おおっと!先生来たし私は席につくとしようかね!!」
はっきり言って例えがいつもわかりにくく、沙夜の会話についてける人間がこの世にどれだけいるか知りたくなるものである。ともあれ今日も1日が始まろうとしていた。