借金と機械2
ここに三タイプのデレがあるじゃろう?
好きなデレを選びなさい
①ツンデレ ②クーデレ ③ヤンデレ
皆さんは何が好きですか?素人は③です。
「う~む、やはり金払いの良い奴はランクが高いな」
「そうですね」
「…チッ。危険なんだから当たり前だろ。バカが」
皆様こんにちわ。私、『対人型護衛ロボットPQ-12』もとい月見里 八香です。
現在は戦士ギルドで綺羅星の如く輝く私のご主人様、浩二様と共に依頼の書かれた紙の束をペラペラとめくっています。
それを見ながらタバコらしき物を吸う、獣人のミネクさん。上記の会話で太陽の如く輝く浩二様をバカ呼ばわりした人…獣人です。
タバコは健康清潔な浩二様の肺を汚染をするのでやめて貰いたいですね。
それとあの猫みたいな耳、邪魔ですね…引き千切ってみたらどうでしょうか?
「…なんだヤツカ?」
「なんでもないですミネクさん」
意外と鋭いですね。
ここはガロス地方(湿地帯が多い地方だそうです)にある町、ターラ。
この町に来て一ヶ月、色々な事がありました…。
まず異世界に来た事。
その際、戦士ギルドAランクのミネクさんの所用するターラの家に突っ込んだ事。
怒ったミネクさんが修理費を要求した事。
竜の如く猛々しい浩二様がそんな金はない!むしろこっちが欲しいわ!と凛々しくかつ雄々しく堂々と 言った事。
それを聞いたミネクさんがなら働いて稼げ!と言ったところでしょうか…。
一介の機械に過ぎない私と聖人君子の浩二様は手っ取り早く修理費を稼ぐため、ミネクさんの紹介で戦士ギルドに加入しました。
戸籍もない私とあたかも一つの芸術品の様な浩二様を加える事に最初は渋っていた戦士ギルドでしたが、
ミネクさんの紹介なら…ということで入会出来ました。
口調と性格はぶっきらぼうですが、意外と優しいですねミネクさん。一応感謝します。
無論、イエス・キリスト(人類でメジャーな宗教史の中に出てくる人物)の様な慈愛を持つ浩二様には足下にも及びませんがね。
そんなワケで現在、戦士ギルド『ターラ支部』で仕事を探しているというわけです。
F~SSあるランクの内、私と見目麗しき浩二様のランクは現在E。このランクではまだまだまともな仕事がない。隣村までのお使いやらフィレ(十センチ程度の芋虫。天使のような浩二様曰く、味は悪くないとのこと)の討伐がいいとこです。
「とにかく、ヤツカならともかくお前じゃまだまだだ。ま、精々頑張ることだな…」
「あーはいはいわかりましたわかりました」
ミネクさんの見当違い過ぎて呆れるような意見を、柳の如く受け流す寛大にして慈悲の代名詞の浩二様。まったく…この世界の人間といい地球の人間といい、なぜ偉大にして尊大な浩二様を敬わないのか理解に苦しみます。
大体、私が強いのは当たり前です。カルシウムベースの人類と比べること自体が間違っている。
もっともこの世界に来て一ヶ月、本当の対人戦闘機能は一度も使っていませんが…。
そんな事をフツフツと考えていると、清く正しく美しい浩二様は仕事を決めたようです。
紙の束から目的の依頼が書かれた紙を破る。
「よしこれだ…八香、キノコ採取しにいくぞ。キノコ。場所は…えーとクール?」
「ゲーレ沼地だバカ。ったく、文字もわかんねーのかよ」
「うっせーな!一ヶ月で異世界語がわかってたら、高校ん時に英語で赤とらねーよ!!」
「えいご?」
あぁ浩二様…ゲーレだが吐瀉物だが知りませんが、そんなキノコより浩二様の股間についてる
立派なモノを是非私の手で採取してみたいものです…♥
それと、英語で赤?無問題でしょう。浩二様の話す言葉があらゆる世の公用語ですから。
ミネクさんは……そろそろ身の程を知ってもらいましょうか…所詮どれほど優れていようとミネクさんは薄汚い猫との混血で、人類という最優秀血族たる浩二様には劣っているという事をこの仕事が終わったらじっくりと……ね。
「…八香?おいどうした?早く行くぞ?」
「了解致しました、浩二様」
「ヤツカも大変だな。こんなド素人に従って…」
「口を慎め非人類…」ボソッ
「…え?」
「いえ、なんでもありませんミネクさん」
月見里八香の欠点
・異常なまでに嫉妬深い。俗に言うヤンデレ。機械の癖に病んでいる。
自身の護衛対象に必要以上のスキンシップを求める。
護衛対象の周りの女性や友人に対して敵意を持つ。理由をつけて排除する。
将来の夢は浩二と一緒にプレス機で潰されて、一緒にリサイクルされたい。
・人類至上主義。自分を生み出した人類がもっとも優れていると思っている。
そのためか、動物が嫌い。
獣人はもっとも嫌い。
浩二をバカにする人も嫌い。
浩二に近寄る人間(特にメス)はもっともっと嫌い。というか死ねばいい