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基本にして伝統にして最強3


はい!アアアア視点は今回で終了!

次回は別の勇者が頑張ります。アアアアは…多分、そのうち出します。

今度は誰にしようかなー…あらすじのとこに今の主人公とか書いておこうかな。



いやぁ、一時はどうなるかと思ったけど、盗賊団だったとは…よかった。勇者の名が汚れるとこだった。

僕は死んだ盗賊達のポケットからお金を抜き取りながら言った。


え?何してんだって?お金をとってるに決まってるじゃないか。…え?外道?

いや、殺した相手の持ち物を奪い取るのは冒険者の常識だよ。


上半身と下半身が分離している盗賊達を調べるのはつらいものがあったが、これも勇者の試練と思って耐える事にしよう。

うーむ、しかし本当に異世界なんだな。見たこともない硬貨だ。変なオッサンの顔が彫られてる。

銅貨銀貨金貨…ここのお金の単位はなんだろ。数字は読めた。


でも文字がわからない…参った。筆談は無理だな。


まあそれはおいおい解明してゆく事にしよう。硬貨を白い袋に入れる。

現在は夜。異世界にも月はあるんだな…眠い。宿屋で眠っててすぐ召喚だったし。今日は寝よう。

盗賊さんたちの死体は…母なる大地が片付けてくれるだろう。うん。







盗賊達のテント、その中で一番立派なやつを見つけた。恐らくあのマルコ…丸子?って奴のテントだ。

悪いが寝床を貸してもらおう。僕はテントに入っていった。


いいテントだ…盗賊の癖に…僕なんていつも野宿だぞ!雨が降ったら木の下で寝てんのに!

これは差別だ!改善を要求する!…したって無駄か。しかしいいなぁ…僕は真ん中に大きく鎮座している

ベットに座った。金の刺繍がされたクッションに羽毛の布団…贅沢すぎるだろ。


そこまで見て僕は気づいた。

羽毛で出来た布団、なんか真ん中だけ膨らんでない?

これは…布団の中に何かいる!?僕は立ち上がって剣を抜いた。危ない危ない。残党がいるかも知れない可能性を忘れていた。

僕は切っ先を膨らみを向ける。出てこいや!…僕は喋れない。仕方なく、布団を掴むと思いっきり引っぺがした。


膨らみの原因は、猿ぐつわされている少女だった。




 








「あの、本っ当にありがとうございました!おかげで助かりました!!」


いえいえお気になさらず。人助けも古来より勇者の仕事でしたんで。


いま僕と話しているこの少女、名前はエレナ。昨日襲われた村の生き残りらしい。なんでも生き残ったのを良いことにさらわれたらしい。丸子め。お楽しみってこの事か。

あの図体でロリコンだったとは…殺しておいてよかった。それと言葉は通じた。


「あの、それであなたは一体…も、もしかして盗賊の人ですか!?」

「いいえ」


僕が盗賊に見えるかい?ちょっとショックだ。


「そ、それじゃあタング警備兵団の方ですか?村の生き残った人達が通報してくれたんですね!」

「いいえ」


まず君のいた村を知らないよ。タング警備兵団って何?


「じゃ、じゃあ盗賊団の人達はどうなったんですか?まだ外に!?」


それは簡単。僕は首をカッ切るジェスチャーで答えた。

実際斬ったのは腰だったけど。


「こ、殺しちゃったんですか…あの、失礼ですか仲間の人とかは…」

「いいえ」

「…」


エレナは顔を引き攣らせて…ベットから飛び降りて土下座した。


「すいませんすいませんすいませんすいません命だけはご勘弁を…」


えぇ…そんな極悪非道に見えるのかな僕は…とりあえずジェスチャーで危害を加えるつもりはないと伝える。勇者は一般人と戦えないんだよ。うん。


「あ、ありがとうございます。あの…失礼ですが私これからどうすればいいんでしょう…村は焼けちゃったし、帰る場所ないんですけど……」


はい?いや、そんなこと僕に聞かれても困るよ…。


「ど、どうすればいいんでしょう」


さあー?とりあえず明日考えれば?僕はベットを指さして眠るジェスチャーをした。

エレナはしばらく僕を見て意図を理解したようだ。


「あ、明日考えろって事でしょうか?」

「はい」

「そ、そうですか…あの、私どこで寝ればいいんでしょう…えっ?こ、ここでってあなたはどこで…?」


勇者は幼い女の子からベットを奪う非道な人間じゃないよ。僕は他のテントで寝るから。

でも枕だけちょうだい。フカフカしてそうだし。


「え、ちょっと待って…えぇ!?私こんな豪華とこで寝たことな……」












 ~朝~


う~む、朝か…寝覚めが悪い。せっかくフカフカな枕を使ったのに…。

きっとご先祖様が家宅侵入罪で捕まったとかいう不名誉な悪夢を見たからだな。偉大なるご先祖様がそんなことするはずない。僕は自分を恥じた。


簡易テントを出ると、朝日が差し込む…良い朝だ。暑くもなく寒くもない。

そういえば砂漠での野宿は最悪だったな。ああヤダヤダ。僕は革袋から水を飲んだ…水がマズイ。





そんな事を思ってるとエレナちゃんがテントから出てこっちに来た。

目にクマが出来てる。


「おはようございます…」

「はい」


おはよう。


「すいません…その…死体が……うっぷ」


母なる大地さんはもっと早く仕事してね!ごめんね!


「私、ちょっと遠いけどこれからサートに行こうと思うんです。親戚のエドおじさんがいるし…ひょっとしたら両親がそこにいるかもしれなくて…」


サートはどうやら町の名前らしい。町か…是非行きたい。

僕はいま情報が欲しい。勇者は情報がないと何にも出来ないしね。


「そ、それでもし迷惑じゃなければ、一緒に来てくれませんか…?」

「はい」


お安い御用です。


「すいませんやっぱり迷惑ですよね…って来てくれるんですか!?あ、ありがとうございます!ありがとうございます!……あっ!私たら名前も聞かずに…失礼ですよね!お名前なんて言うんですか?」


アアアアです。もっともあんまりこの名で呼ばれたことないですけど。喋れないから。

もっぱら勇者って言われてるけど…


「ご、ごめんなさい…馴れ馴れしかったですよね」

「いいえ」

「へ?…ひょっとして名前を聞かれたくないんですか?」

「はい」


というか名前すら言えないんです。


「あの…じゃあ『勇者様』って呼んでいいですか?なんだかおとぎ話の勇者様みたいで…」

「はい」


君…意外に鋭いね。








 名前 エレナ


・どこにでもいる農家の娘。今年十四歳。

・頬にソバカス。肩まである髪の色は亜麻色。顔は普通の田舎くさい少女。

・マルコル盗賊団に生まれた村を焼かれる。パニックになって外を出たところを誘拐。現在に至る。

・全てにおいて平均的なエレナ…果たして彼女は一言も喋らないアアアアと旅が出来るのだろうか?



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