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プロローグ2



暇潰しだワーイ


「えー…諸君!皆様の大半はこれを夢と思っていますが、これは夢ではありません!繰り返す!夢ではない!私の名前はオープル!この世界、つまり異世界ジッ・イファレンドの女神です!」


~勇者サウザンドブレイクの反応~

変な夢だ…66%

何事だ…33%

カツ丼…1%


「現在ジッ・イファレンドは覇王(笑)という奴に危機にさらされています!そこで!かく世界において一芸に秀でた皆様の力を借りたいのです!あなた方は即戦力であります!」


~勇者サウザンドブレイクの反応~

えーなにそれ…43%

ふざけんな…33%

他をあたってくれ…14%

え?これマジで夢じゃないの?…9%

カツ丼…1%


「なお、見事覇王(笑)を倒し、ジッ・イファレンドを救った方には!我々に叶えられる限りでどのような願いでも叶えます!!金の山だろうが札束だろうがすべてあなた方の世界に送り届けます!!」


~勇者サウザンドブレイクの反応~

構わん!異世界救おうっ!…50%

まあいいかな…20%

う~んどうしよう…13%

断る!…16

カツ丼…1%


「なお!皆様に拒否権はありません!そして誰かが覇王(笑)を倒すまで皆様は元の世界には一生涯戻れません!」


~勇者サウザンドブレイクの反応~

ふざけんな…99%

カツ丼…1%


「それでは皆様、ようこそジッ・イファレンドへ!皆様は千人で一人の勇者なのです!ガンバっ!」















~覇王(笑)タロウ…覇王軍本陣~


簡素なテント群の中で一際目立つ絢爛豪華なテント。

生地はわからないが、ともかく恐ろしほど高価そうな物だ。その中で一人の男が笑い声を上げた。


「ハハハハハハハっ!」


テントの中、恐ろしい程デカイダブルベットの上で、水晶玉を見て高笑いを続ける男。

彼こそ『ジッ・イファレンドの救世主』から『ジッ・イファレンドの新たなる絶望』へとジョブチェンジした男…スズキタロウ。


「脆い!脆いぞストレーン国!小国とはいえもう少し張り合いがなきゃつまらないぜ!!」


水晶玉の中では、ここから遠く離れた戦場の地が映っていた。様子はまさに地獄である。

黒い鎧に身を包んだオーク(豚とマッチョの中間みたいな生物)達が冴えない一般兵達を虐殺していた。

オーク達の振るう槍や剣が血風を巻き起こしていく…。


「こりゃ駄目だな。『お前が見る絵を消せ!』さて」


彼が不思議なセリフを唱えた途端、水晶玉はただ無機質な光を映すだけになった。

先程まで十八禁指定されそうな映像があったとはとても思えない。


「そろそろ夜も近いし…そこらで捕まえた年端もいかぬ幼女達と禁じられた遊びでも…ぐふふ」


タロウが某条例にバッチリ違反しそうな発言をしたその時、一人の女性が突然入ってきた。


「タロウ様!火急の報せが!!」

「うわっすいません出来心だったんで…お?これはこれはスズキハーレムが誇る騎士っ娘さんではないですか。胸がDという素晴らしい凶器モノをお持だとか。どれどれ一つ私にさわらせて…」

「抉るぞ」

「ご、ごめんなさい…」


入ってきたのはタロウの数少ない人間の仲間、ハーレム要員が一人の女騎士、カウラ。

現在十九歳。幼い頃から剣を取り、ついた二つ名が『猛虎の金爪』。

ちなみにタロウがつけた二つ名が『乳揺れさん』。カウラの前でこのアダ名を言うと、斬り殺されるではすまないので注意しよう。


そんな彼女は本来、西方面の国の殲滅戦を受け持っているのだが…。


「どうしたんだ?ハッ!まさか俺と合体セックスしたくて来たのか…エッチ///」

「本気で抉られたいのか」

「ジョ、ジョークです…」

(…私はなんでこいつの仲間になったんだろう)


聖堂教会直属の女性聖騎士部隊ユニコーン、その元隊長は真剣に考え始めた。

しかし、今はそれより伝えなければいけない事がある。


「それよりタロウ様!巫女姫様が重大なお告げを得たとか」

「レジィたんが!?まさかついに大人になったとか!?あれですか?ついにロリレジィちゃんとセッ」

「……」

「ゴミを見るような目で見ないでくれよう…」


タロウはちょっと反省すると、水晶に向かって呪文を唱えた。


「『俺が望むものに声を聞かせろ!姿を見せろ!』」


水晶が映したのは西部地域制圧用覇王軍本陣…つまり西周辺の国々を制圧するための覇王軍支部だ。

ここの支部をまとめているのはハーレムのロリ要員、未来予知の能力を持つ姫巫女レジィだ。


「レジィたんどこー?あなたの未来の旦那様、覇王(笑)スズキタロウ様ですよー」

『タ、タロウ様ぁ…』


水晶に映ったのはまだ年端もいかぬ少女だった。

年は十歳。くりくりした目にプルプルと震えている体、人なつこい性格から『子犬』というアダ名をつけられている。


「うはカワユスwww…っといけないいけない。あやうく理性が飛ぶところだったぜ。あのかわいらしさは既に凶器だな…」

(なんだろう…このムカツキとも嫌悪感ともつかない気持ちは…)


それは俗にいうキモイという気持ちだ。


『タロウ様ぁ…そ、それが予言がぁ…ううっ』

「ぐはっ!泣き顔もテラカワユスwww…じゃねぇ!誰だ俺のレジィたんを泣かした野郎はッ!殺してやる!ヨゲン?ヨゲンって野郎が泣かしたの?よし!そいつをぶっ殺す!」

『そうじゃなくてぇ…』

(本当になんで私はこいつの仲間になったんだろう…)


水晶玉に映るレジィは半泣きで自分が受けた予言の内容を告げた。


『それが、敵が来るんですぅ…』

「敵?敵ってどこから?」

『いろんな別世界からすっごい数がぁ…十五神様達が呼んだんですよぉ』

「異世界からの敵がすっごい数~?…なんだ。そんなつまらん事で泣いてるのか」

『そ、そんな事って…』


タロウはつまらなそうに言った。


「おいおい。ここには十五の神々からあらゆる力を得た超チート勇者がいるんだぜ?いまさら力の残りカスみたいな神が何してこようが痛くも痒くもないね」

「『た、確かに…』」


これにはカウラもレジィも納得した。

なにせ目の前の男は魔王を瞬殺し、歴史史上稀に見ない魔力の持ち主なのだ。

伊達や酔狂で『覇王(笑)』と名乗っているのではないと思い知らされる。


「…ま、自慢はそこまでにしてだ。レジィ、その敵とやらは何人くらい来るんだ?」

『は、はい…その、ハッキリとは分かりませんがたぶん…』







この日、千のゆうしゃが異世界ジッ・イファレンドに降り注いだ。











カツ丼

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