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プロローグ
今になっても思い出す──
高校受験に失敗したあの日のことを。
あの時は絶望して飯も喉を通らなかったっけか。
いや……それは言いすぎだな……
あの日も俺は呑気に過ごしてたっけ……?
確か、合格発表日当日は絶望して次の日から普通にネットサーフィンしてたんだったか……
家族は二日目以降も絶望していて、特に母親なんてひどいもんだったが、俺は受験が終わったという喜びのほうが大きくて、とかなんとかだったかな。
…………どうやら俺は忘れっぽく、楽観主義らしい。
二十年の人生で気づいた自分の本質だ。
そもそも、人生ってのは楽しく生きてこそなんだから俺は楽観主義こそ一番優れた性格だと思うんだが……
すまん、本筋がずれたな。
高校生活。
あの三年、最高に青春したとも思えないし最高に成長できたとも思えない。
けど、今思い返せば楽しかった。
これは、俺の高校生活での三年間での記録を綴ったものだ。
異世界に転生することもなければ、美少女の女子高生たちとハーレムするわけでもない。
そんな、「自称進学校」と寝食を共にして生きた三年を語ろうではないか。