7、露見
大国故にそれぞれの役割があり、普段はバラバラに過ごしていますが
食事時は家族が揃う機会の為、忙しい時を除き大抵は皆揃っています。
そんな夕食を過ごしていた際、国王であるお父様が時折魔力を使っている気配を感じ
皆んなで一緒にお父様を見つめてしまいました。
「お父様、どうかされたのですか?その魔法は痛みを軽減するものですよね?」
ギクっと分かりやすく狼狽えるお父様を見てお母様が
「あなた、良い加減子供騙しをしていないで治してもらったら良いではありませんか。」
情けないと物語っているような声で言った母の言葉を聞いて、ピンときました。
「お父様歯が痛いのですか?そうなのですね!?それは大変!早速明日にでも見て頂けるよう言付けをしておきますね。」
お父様も体験しなければ、ずるい•••いえ、知らない事を知る事は大切ですものね•••!
「お姉様、そんなウキウキを全面に出して言ったら心配なんて微塵も感じませんよ。」
失礼ですね!我が弟ながら何て可愛げがない事を言うのでしょう!
たまに遊びに来るミラちゃんに言いつけてあげようかしら!
父の名はビルゲール・エド・ネイバル 40歳
国王として、日々国民や国の為政務や外交に励んでいます。
臣下や国民の前では威厳のある姿をしていますが、家族の前ではなかなかにお茶目な面を見せ愛情を示してくれる自慢の父です。
母の名はエリザベート・カメル・ネイバル 36歳
王妃として、民からの嘆願を聞いたり、地方から送られてくる書簡に目を通し
気になる事には視察団を送ったりと、国王を陰から支える頼りになる母です。
弟の名はアイザック・エル・ネイバル 14歳
戴冠前は王太子の意味のエルを、戴冠後はこの国で冠と言う意味のエドを引き継ぎます。
私のカメルは、母方の家名を引き継ぎました。
兎にも角にも、今は父の一大事!
早く知らせなくてはです!
あっでも、逃げ出さないよう安心もさせてあげなければですよね!
「お父様!治療はまっったく痛くありませんよ!麻酔をちょちょいと打って、何やら器具でグッとやってガーってやるだけです!」
その言葉にいつもは威厳ある国王の顔が青褪め、王妃と息子が同情の眼差しで国王を見つめていた。
そんな事をウキウキし過ぎたリアンカは気づかなかった。
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誤字・脱字等ありました都度訂正していきます。
次回投稿予定は4/8です。