6、道化
オヤシラズなる治療終えたハンナの顔は•••
その頬に飴玉でも入っているのでは?
と思わせるほどに膨れ•••
い、いけません•••恐怖が過ぎて笑いに変わって•••!
ぷふぅっ•••!
ひっそりと笑いを堪えていたのに、ハンナの冷たい眼差しを浴び固まりました。
「コホンッ、ハンナ大丈夫ですか?非常に••その•••
リスの頬袋のようで•••可愛らしいですよ!」
ハンナは何故か筆談で返事をしてきました。
何でも、麻酔が効いていてうまく話せないとの事でした。
同情の眼差しでハンナを見つめていたら
《大丈夫なように見えるのでしたら、是非とも姫様の目を治療する事をお勧めします。
それと、姫様もいつかこうなる運命です。
しかと現実を見ておいて下さい!》
声を出していないのに、言葉の強弱まで分かるような感情の入りまくった文面に•••
顔が引きつってしまいました。
その後、話せるようになったハンナと話し合いの場を設けて
"眠れる子を起こさないよう静かに生活をして行こう"と結論付けました。
その話し合いの後王城では•••••
「最近姫様もハンナも、言葉の代わりにパントマイム的な動きをしてるけど•••
また何かやろうとしているのかしら•••?」
二人の心配よりもやらかし疑惑を持たれている声など聞こえるはずもなく•••
ユウタ医師に指摘されるまで、二人はおかしな動きで過ごしていた。
そして、こっそりと溜め息をつき残念な子を見る目でカイトに見られていた。
〈ハンナ、今日のおやつはマドレーヌにしましょう!紅茶はいつものダージリンで!〉
〈分かりました!〉
パントマイムを極め過ぎて、ハンドサインよりも意思の疎通がしっかりとれるようにまでなっていた事に
この時の二人は全く気付いていなかった。
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