2、連行
一歩また一歩と近づいてくるその姿は、鎌を持った死神にも見えました。
戦々恐々としていた時、一筋の光が•••!
今がチャンスとばかりに走り出すも
「ぐぇぇ…っ!」
何かに腹部を引っ張られ、淑女らしからぬ声を上げてしまいました•••
引っ張られた物を見ると、腹部にはいつの間にやら紐が付いておりその先を辿ると
しらっと控えている、私付きの護衛がしっかりと握っていました。
「カイト•••!あなたが言ったのではありませんか!むむ虫歯の治療は地獄だと!」
「ですからこうして、リアンカ姫様がにげ•••とうぼ•••ゴホンッきちんとできるよう
ご協力して差し上げているのです。」
そうなのです!
気をつけていたのに虫歯なるものが出来てしまい、それから逃げ出すべく試行錯誤した結果
メイドと二人紐で縛られてしまったのです•••!
何がいけなかったのでしょう•••
紅茶の飲み過ぎ?それともメイドと二人で夜の女子会と称したお菓子??
それともそれとも•••
本音をちらちらと出しながら言い返してきた護衛を涙目で睨んで考えていると
「さぁ、ちゃちゃっとやってしまいましょうね」
いつの間にやら真横に来ていた死神こと、異世界からの召喚者 歯科医のコバヤシ ユウタに捕らえられ連行されてしまいました。
「「いーーーやーーーーーー!」」
その日ネイバル城中に、私達の悲鳴がこだました。
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