1、宿命…?!
ネイバル国の第1王女である私の名は
リアンカ・カメル・ネイバル。16歳
ネイバル国は膨大な魔力に溢れた国でもあります。
そして私は今日、この世から消えてしまう事でしょう。
でも、それは仕方がないのです。
誰しもが、平和になる事を望んでいるのだからむしろ尊い犠牲になる事でしょう。
王女である私がやる事に意味があるのですから…
広い部屋で、その時を待っている私の側では私付きのメイドが泣き崩れていました。
「あぁ、姫様…私のせいです。私が至らなかったから…うぅぅ…」
彼女の名はハイネ。年は3つ上の19歳。
「ハイネ、そんな事ありません。付き合わせてしまい、申し訳ないと思っています…。」
そんな事はないです…とまた泣き崩れてしまったハイネにオロオロしていた時
コンコンコン
「リアンカ姫様、お時間となりました。」
ドアより聞こえる淡々とした声に、体がビク付き…思わず悲鳴をあげそうになりました。
「ハ、ハイネ…今更でしょうが、逃げ出したいわね…」
「はい…。私も先程から逃げ出したく!頑張っていたのですが…びくとも!しないのです…」ガシっガシっ
その言葉に、えっ!?ちょっと先程から床に座っていたのは、これ外すため!?
一人で逃げようとしていたの!!?
「まさかハイネ…一人で逃げようとしていた訳ではないわよね…?」
「そそそそそそんな事はななな、なく…ないじゃないですかぁー!」
そんな会話をしている最中、ドアの開く音と共に呆れたと言わんばかりの盛大な溜め息。
その溜め息の主を、二人で恐る恐ると見る。
部屋の入り口に黒髪黒目の一件優男に見える人が立っていました。
「いい加減諦めが肝心ですよ。お嬢様方。」
「ででででも、私には…無理です!!」
私は頑張りました。が、返ってきた言葉は
「大丈夫です。麻酔を打ってちょちょいですから。」
と、とてつもなく胡散臭い笑顔で言われ
ハイネと二人顔面蒼白となり、抱き合ってしまいました。
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誤字・脱字等ありましたら都度訂正していきます。
週1程度の更新になるかと思います。