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『コピティクチャフェイス』

作者: えびし

自分が教科書通りのレールに乗れなかったからこそ、レールから外れた者にも、どうしよもないほどのその先の人生が待っていて、そいつらなりの幸せを獲得していく姿を描きたかったからこそ生まれました。続きを読みたい方は感想連絡をお願いします。

遠い未来、テクノロジーが発達して、起こる出来事が観測されるようになった。

発生する不幸も幸福、事前に分かる世界は合理的だが、どこか歪だった。

それに伴い、人々の人格形成の仕方も変わった。

自分の性格を分かったうえで、自分に足りないものを求めようとした。

コピティクチャフェイスと呼ばれる。大脳皮質性格模倣プログラム。

その端末に自分のなりたいと思う人の性格、憧れるの喋り方、トーン、抑揚、思考回路に至るまで、登録し、七日間寝る前に装着することで性格を変える事ができるのだ。

人々の価値観を大きく覆す力を宿す端末は、その機能性を持つがゆえ、高額な製品だが、皆こぞって購入した。

誰しも、論理的で的を射ていて自分をしっかり持っている自信のある発言、喋り方がしたいのだ。

誰だってなれるものなら、愚か者ではなく、知性と品性に溢れた賢さが欲しいのだ。

そして、国が認可し学校教育でも導入され始めた。

小学生低学年から学ぶ道徳の時間にとって変わったのだ。

いくつかの模倣パターン、人格者、偉人、その道の分野のプロ、品行方正で真面目、社会的に多大なる貢献をした成功者などを蓄積された歴史のデータを軸に、情操教育を施そうというのだ。

犯罪思考、悪い考え方は一切デリートされ爪弾きにする。

小さい頃から、そのような教育されれば、大人になっても、皆、真面目で清廉で立派に仕事をやってのける。

犯罪事案発生率が急激に減少し、警察の仕事が実質意味をなさなくなった。

治安が悪くなるはずがない。そのように、管理されているのだから。一見、不正が起こらない素晴らしい世界だが、人々は誰もがシステムに依存し、前に倣えで、自主性や主張が欠けていた。

皆が同じようななるべくしてなった人間を目指す事によって、はっきりと断言できるほど、圧倒的に個性というものがなくなった。

そんな潔癖の無菌室のような世界にどこか違和感を感じるある事情で学校に行けなかった主人公は、親とも音信不通、天涯孤独の身でなんとか社会と強調しようとしたが、出来なかった。

社会で受け入れてもらえず、人知れず、疎外感を感じていた。

こんな世界ならしょうがない、もう自分にけりをつけて、命を絶とうした矢先、今の世界に同じような疑問を感じ、悩み、苦しんでいる者同士が集まった集団組織の存在を知った。

その組織のリーダーはこの個性のない面白みがない世界を本気で変えると宣言している。

自分達は反骨組織だ、世界に反旗を翻し、革命を起こすと堂々と言ってのける。

そのポリシーや信念に憧れ、どうせ死ぬならやりたいことがしたいとその反骨組織「ワンズ、ヤング、ブラッド」が行う秘密裏に行われる入団テストに応募する。

そこで、お前は天性の反骨精神があると見込まれ、見事合格し、晴れて団員となり、仲間に加わった。

その組織の個性的な仲間達との交流で自分の居場所はここなんだ、自分は生きていていいんだと気づき、心の澱んだ感情が空っぽになるまで、泣き明かした。

そして、決意する。この人達に一生ついていこう。居場所をくれたこの人達に自分の捧げられるものは全て捧げ、恩返しをしようと。

そう思った瞬間に無味乾燥な味気のなかった生活が色付きはじめ、生きるのが楽しくなっていた。

そして、組織は皆一丸となって作戦を練り、計画を遂行させようと、国の公的機関の刺客との戦いに悪戦苦闘し、失敗をし、時には成功もして四苦八苦しながらも、活躍し始めた。

仲間との出会いや別れをくり返しながらも、当初の目的の「今のこの世界を自分達の手で変える」という野望を胸に戦いを続け、全てを変えるには至らなかったが、機械に管理された無機質で歪な世界のシステムを見事変えてみせた。

その結果、人間らしいその人がその人らしく生きれる、皆それぞれの価値観を持っていい、個性が認められた世界になる。


「成功することが全てじゃない。弱さを抱えて失敗もして遠回りしたとしても、それは悪いことじゃないんだよ。君が君の好きなことをやりたいようにやっている時の瞳の色はキラキラ輝いていてとっても素敵だよ」


自分が教科書通りのレールに乗れなかったからこそ、レールから外れた者にも、どうしよもないほどのその先の人生が待っていて、そいつらなりの幸せを獲得していく姿を描きたかったからこそ生まれました。続きを読みたい方は感想連絡をお願いします。

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